t10月27日(日) vol ・262 「祝・中西進先生」
先日、本年度の文化勲章が、
万葉学の第一人者の
中西進先生に贈られることが決まった。
堺市博物館館長・中西進先生の受賞を
こころから喜びたい。......
*
私は、学生時代、万葉集を
学ぶクラブに入り
名もない庶民の歌――
「東歌」「防人の歌」を
学んだりしていた。
その当時(40年程前)から、
中西進先生は
万葉集研究の第一人者で、
開学間もない我が創価大学に、
わざわざ講演にも
来ていただいた。......
*
その講演後、クラブ員との懇談で、
私は、その場の空気も詠まず、
場違いにも関わらず
「太宰治は好きですか」と
質問したことを覚えている。
中西先生は、万葉集に限らず、
詩歌全般他文学作品の全ての
ジャンルに精通しておられ、
私の質問にも、
すらすらと答えられ、
その造詣の深さに驚いた。
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あれから数十年――
中西先生と堺市に、ご縁が
出来てからも何度かお目にかかり、
貴重な話しをお伺いすることが出来た。
その都度、驚きと
感動があった。......
*
中西先生との懇談の中で、
忘れられないのが。
「文化資源があるから
文化都市ではない。
その文化資源を守り育て
慈しむ中で、まちが栄え、
人が栄えてこそ、
本当の文化都市だ」と
述べられたことだ。――
*
今年の9月にも、
博物館で懇談していただき、
かたかごの花と岐阜蝶の話をお聞きし、
時間が経つのも忘れるほどだった。
本当に至福の時間だった。
帰り際には、記念撮影まで
していただいた。
*
万葉集もすべての詩歌も、
人間山脈のうつろいを
心で詠むものだと思う。
中西進先生の一言一句は、人を想う
大きなこころから溢れ出る詩だ。......
*
中西進先生のご健康と
ご長寿を祈りたい。――
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