t12月18日:一般質問 市の介護予防の現状と今後について
2013年 12月 20日
一般質問:市の介護予防の原状と今後について
おはようございます。公明党の吉田ただのりです。私の一般質問は、「市の介護予防の現状と今後について」お聞きします。現在、国で議論が進められている、介護保険制度改正の問題と、本市の老人福祉センターでの新しい事業について、その関連性などお聞きしていきたいと思っております。社会保障制度改革の工程を定めたプログラム法案が12月5日の参議院本会議で可決、成立しました。この法案は、社会保障4分野(子育て、医療、介護、年金)の改革項目や個別法案の提出時期などを定めています。検討の背景には、社会保障制度改革国民会議等の審議の結果等を踏まえ、人口の高齢化が急速に進展する中で、持続可能な社会保障制度の確立を図るためであります。厚生労働省は本年11月21日、介護保険制度の改正内容を説明するため、都道府県や指定都市などを対象にした「全国介護保険担当部(局)長会議」を開催しました。例年では、来年度予算案の説明のため1月に行われる会議ですが、市町村の役割が重要ということで、介護保険制度部分に特化して実施されました。主な検討事項としては、必要な介護サービスを確保する観点から、6つの項目が検討されています。1点目は、地域包括ケアシステムの構築に向けた地域支援事業の充実として、在宅医療・介護の連携推進、生活支援・介護予防の充実、認知症施策の推進等であります。2点目は、地域支援事業の充実に併せた要支援者への訪問介護・通所介護の介護予防給付の見直しであります。3点目から6点目については、一定以上所得者の介護保険給付に係る利用者負担の見直し、特定入所者介護サービスに関して、支給要件に資産を勘案する等の見直し、特別養護老人ホームの入所対象者の入所要件の見直し、介護保険第一号保険料の低所得者の負担の軽減であります。本日の質問は、主に、1点目と2点目からお聞きしたいと思っております。今後の介護保険をとりまく状況については、65歳以上の高齢者人口の割合は、2012年8月現在で24%ですが、2025年には、30.3%、2042年にはピークを迎え、2060年には2.5人に1人が65 歳以上、4 人に1人が75歳以上となる見込みです。一方、出生数は減少を続け、2010年時点で、現役世代2.6人で1人の高齢者を支えていますが、2060年には、現役世代1.2人で1人の高齢者を支える社会が到来します。
【1問目】
<1-1>
そこで、6点お伺いします。
1点目は、本市の介護保険をとりまく状況についてお聞きします。(要介護別の認定者の推移、介護給付費の推移、保険料基準額の推移)
<1-2>
国で検討されている具体の内容として、新しい介護予防、日常生活支援総合事業、いわゆる新しい総合事業について、簡潔にお聞かせください。
<1-3>
介護保険制度化改正と平成26年度からの老人福祉センターでの新事業との係わりについてお聞かせください。
<1-4>
本議会で先ほど可決しました、老人福祉センターの指定管理者は、高槻市社会福祉事業団に決定を致しました。すでに議論がつくされたものですが、確認の意味も含めまして、公募ではなく特定での指定管理とした理由、高槻市社会福祉事業団を候補とした理由について、またこれまでの公募で指定管理を行ってきた総括についてお聞かせください。
<1-5>
老人福祉センターで実施される介護予防事業の目的と概要、メリットとデメリットついてお聞かせください。
<1-6>
本市の二次予防事業の現状として、対象者数と参加者の推移、実施内容についてお聞かせください。
以上、6点を1問目とします。
<答
弁>
本市の介護予防の現状にかかる数点のご質問にお答えいたします。
<1-1>
1点目の介護保険を取巻く状況についてですが、要介護度別の認定者数につきましては、平成25年末3月現在で、要支援者は5,248人、要介護者は8,796人で合計は、14,044人となっております。次に介護給付費の推移ですが、平成12年度からの第1期の3年間は約250億7千万円で、現在の第5期の見込みである約627億7千万円と比べ、約2.5倍となっております。最後に、保険料基準額の推移については、平成12年度からの第1期は年額35,669円で、現在の第5期の年額53,300円と比べ、約1.5倍となっております。
<1-2>
2点目の現在検討されております、介護予防、日常生活総合支援事業についてですが、「介護予防・生活支援サービス事業」と「一般介護予防事業」から構成され、これまでの全国一律の予防給付であった訪問介護及び通所介護は、介護予防・生活支援サービスとして位置づけらます。当該事業は、既存の事業所によるサービスに加え、多様な主体による訪問型サービス、通所型サービス、生活支援サービスとして、多様なサービスの提供が可能とされております。また、事業の開始時期は、平成27年度、平成28年度は市町村の選択によって行うことができるものの、平成29年4月までにすべての保険者で、要支援者に対する事業を開始し、従来の訪問介護、通所介護の予防給付は平成29年度末をもって終了とされるものとなっております。
<1-3>
3点目の介護保険制度改正と老人福祉センターで実施する介護予防事業との係わりについてですが、国により、新しい介護予防事業の一定の方向性は示されておりますが、ガイドライン等、詳細な部分は示されていないことから、今後、国の動向を注視してまいりますが、老人福祉センターでは、平成26年度につきましては、現行の二次予防事業の充実に努めてまいります。
<1-4>
4点目の指定管理者を特定とした理由等についてですが、本市の高齢化が急速に進行する中、それに伴う要支援・要介護認定者数も増加してきておりますことから、介護予防等への取り組みを、一層、充実・強化していく必要があると考えております。そのため、老人福祉センターについては、従来の運営に加え、介護予防等の取り組みを、市との密接な連携のもとに一体的に実施していき、新たな機能と役割を担う施設としていく必要があると考えております。そのような背景のもと、今回の選定方針については、「指定管理者選定ガイドラインの運用に係る基本的な考え方」を踏まえる中で、施設の管理運営方針の考え方をまとめ、指定管理者の選定方針を特定としたものでございます。また、指定管理者として指定いたします、高槻市社会福祉事業団につきましては、本市の高齢者福祉・介護保険事業にかかる実績を十分に有しており、市と一体性を持ちながら、より継続性・安定性のある介護予防事業を実施していくことが可能な事業者であると考えております。最後に、公募にかかるお尋ねですが、現在の事業者の管理運営については、適切に運営されていると認識しております。今回の指定管理者の指定につきましては、先ほど申し上げましたとおり、施設の管理運営方針の考え方をまとめる中で、総合的に判断したものでございます。
<1-5>
5点目の老人福祉センターで実施する介護予防事業の目的・概要、メリット・デメリットについてですが、介護予防事業は、生活機能低下のおそれのある高齢者を対象にした二次予防事業と、65歳以上の全ての高齢者を対象に自立した生活を送れるよう支援する一次予防事業で構成されております。老人福祉センターでは、二次予防事業として、専門職による運動プログラム等を実施する通所型介護予防教室、一次予防事業として、健康相談や介護予防体操を取り入れた地域介護予防活動支援事業を実施してまいります。次に、メリットについてですが、老人福祉センターが、介護予防事業を実施する拠点施設として周知されることで、センター利用者やその地域に住んでいる高齢者も参加しやすくなるものと考えております。デメリットとしましては、効率的な事業運営に向けて、実施会場を集中させる等、一定の整理を行うため、参加者の中には、一部、遠方となる方も出てくると想定されますが、参加者の状況を把握しながら、必要な対応を講じてまいりたいと考えております。
<1-6>
6点目の本市の二次予防事業の現状についてですが、要支援・要介護認定を受けていない高齢者に介護予防基本チェックリストを送付し、返送結果を元に判定を行い、生活機能低下のおそれがある人には通所型介護予防教室の参加案内をしております。対象者数ですが、平成23年度は1万5957人、平成24年度は1万3271人となっており、実参加者数は、平成23年度は474人、平成24年度は618人となっております。
【2問目】
まず、1点目に介護保険を取巻く状況についての答弁をいただき、新しい総合事業の内容を簡潔に答弁をいただきました。これまでの予防給付サービスの中で、「訪問介護と通所介護」を「介護予防・生活支援サービス事業」として、全国一律のサービス内容から市町村独自で実施していくというものです。スケジュールとして、平成27年、28年度までを経過措置期間として、平成29年4月までに、すべての保険者で要支援者に対する新しい総合事業を開始するとのことでした。今、検討されている内容は、12月20日明後日になりますが、とりまとめに入ることになっていますので、ほぼ、スケジュール的には、決まっていると言っても過言ではありません。本市としての対応がこれから求められていきます。平成27年または28年度の経過措置期間での開始は、どう考えても無理です。たとえ平成29年度開始としても、わずか3年間しかありません。来年度から早急な検討に入るとしても、現在実施されている介護事業所によるサービス提供をしながらの同時進行になります。市の職員体制についても、当然検討チームなるものが必要です。
<2-1>
そこで1点目にお聞きしますが、新たな総合事業の導入に当たって、市の現場で適切に事業を実施できるよう手引書の作成、説明会や研修会を通じた丁寧な説明については、どのようにされるのか?特に、介護給付と合わせて事業実施を行っている事業者などに対して、円滑な事業移行ができるよう適切な取組みが必要です。市の取組みスケジュールについてお聞かせください。次に介護保険制度化改正と平成26年度からの老人福祉センターでの新事業との係わりについての答弁をいただきました。新しい総合事業のポイントとして、一次予防事業と二次予防事業を区別せずに、地域の実情に応じた効果的・効率的な介護予防の取組みを推進する観点から見直しを行っていることです。特に、住民運営の集いの場を充実させ、人と人とのつながりを通じて参加者や通いの場が継続的に拡大していくような地域づくりを推進することを目的にしています。また、新たな取組みとして、地域リハビリテーション活動支援事業として、介護予防を機能強化する観点から新たな事業を追加することにもなっています。
<2-2>
本市が二次予防事業の通所型介護予防教室を先進的に実施することを評価するところですが、現在、15か所30教室で実施されているところを、26年度から調整中のところも含めて10か所30教室で実施するとお聞きしております。本来であれば通いの場を継続的に拡大していくことが望まれますが、どのような経過のもとでこのようになったのかお聞きします。
<2-3>
先ほどの答弁では、二次予防事業の対象者数は、24年度では、1万3271人で、実参加は618人とのお答えでした。厚生労働省が定めた、介護予防のチェックリストを送付されて、対象者数が明確になるわけですが、実際のところ、もし対象の1万人の方、介護予防教室に来られたことを想定していないと思われます。これから新しい総合事業を検討するにあたっては、その課題についても精査する必要があると思います。例えば、対象者の絞込みを行うための対応を検討されたらどうでしょうか?現在は、厚生労働省が定めたものを利用されていますが、利用しているチェックリストの項目に市独自基準を追加されることで、介護予防教室への参加の充実が図られると思いますが、その必要性についての市の見解をお聞きします。
<2-4>
利用者が福祉センターに移動する手段としてタクシーの利用をされいる方がおられます。その現状と、利用者が見込まれれば、専用バスの復活も考えられますが、どのようにお考えかお聞きします。
<2-5>
先日、高槻市社会福祉事業団が指定管理する、山手老人福祉センターに施設見学させていただきました。利用されている方の笑顔、デイサービスを利用されている方とお話をしている中で、何度も何度も、職員と施設に感謝されている言葉を聞かせていただき、すばらしい管理運営がされていることを確信いたしました。私までも誇らしく思ったわけであります。これまで指定管理者としてご努力いただいた民間事業者の方々にも感謝するところであります。来年度から、本市の外郭団体である高槻市社会福祉事業団に一括して管理運営することになりました。高槻市社会福祉事業団は、平成5年3月に設立され、当初は、養護老人ホームや療育園、阿武山老人デーサービスセンター等の運営を、市職員を中心に運営されて来られ、市の老人福祉センターの受託などされてきました。職員体制は、設立当初、正規職員比率76%でしたが、市の行革により年々比率が低くなっており、平成18年度の指定管理者制度導入以降、職員全体数は、横ばいでしが、正規職員比率は、一揆に低くなり、平成25年度で6.98%という状況です。現在の職員体制から見て、よく頑張っておられると評価するものの、来年度以降、5つの老人福祉センターを管理運営されるには、専門職の増員は当然のこととして、市の派遣社員のプローパーの採用など充実した体制整備を行う必要があると思います。
そこでお聞きしますが、福祉センターでの介護予防事業実施にあたり、職員体制は、事業団の体制も含めどのようになるのか?また、事業団の今後の役割として、介護保険制度の改正に合わせて、一定の見直しが必要と思うが見解をお聞きします。
<2-6>
本市は、社会福祉協議会から委託されて、各地区福祉委員会で、独居高齢者に対して、見守りサービスをはじめ、食事サービスや生き生きサロン、ふれあい喫茶など、地域の主体性の中で実施されています。只、地域格差や人材不足といった課題があることも事実で、継続性を考えた場合、今回の介護保険制度改正と連動して、介護保険課と長寿生きがい課に加え、健康福祉政策課との連携で、市の福祉の外郭団体である、社会福祉事業団と社会福祉協議会を発展的な構築も視野にいれた取組みをすることも考えられますが、本市の見解をお聞きします。
<答
弁>
2問目の数点のご質問にお答えいたします。
<2-1>
1点目の制度改正にかかる市の取組みスケジュール等についてですが、要支援を対象とする新たな地域支援事業の導入については、既存の介護事業所によるサービス提供に加え、多様な主体によるサービス提供体制の検討が必要となるなど、新たなシステムを構築する必要がございます。
そのため、事業実施に向けて必要となる業務については、十分な準備が必要であることから、今後については、国の法令やガイドライン等で決められた内容に基づき、介護サービス提供事業者等と円滑に事業移行ができるよう、事業実施に向けた十分な調整を行いながら、市民の方やサービス提供事業者等へ丁寧に説明するなど、適切な対応に努めてまいりたいと考えております。
<2-2>
1問目の答弁で申し上げましたとおり、老人福祉センターについては、従来の運営に加え、介護予防等の取り組みを一体的に実施していき、新たな機能と役割を担う施設としていく必要があると考えております。
そのため、これからの介護予防事業を地域に根ざした効率的・継続的な事業としていくために、老人福祉センターを拠点として実施会場を集中させる等、一定の整理を行うものでございます。
<2-3>
3点目の介護予防基本チェックリストにかかる市独自基準についてですが、現行使用しているものは、厚生労働省が定めた医学的な根拠に基づく質問票で、最も効率的に高齢者の生活機能低下の有無を確認できる内容となっております。今後については、市独自の質問項目として、例えば、現に介護予防につながる取組みを実施しているか等の項目を設け、より必要性の高い方を抽出し、参加率の向上につなげるような手法を検討してまいりたいと考えております。
<2-4>
4点目のタクシー利用の現状と送迎にかかるお尋ねですが、タクシーの利用については、他市の状況も参考にした上で、条件を設定しており、公共交通機関の利用が困難であり、かつ家族等による送迎の協力が得られない人や、身体及び精神状況等の理由で送迎が必要と認められる人など、限定的な利用としておりまして、12月1日現在の利用者は7名でございます。
次に、老人福祉センターの送迎については、利用者の中には、市バス無料乗車証をお持ちの方も多数おられますことから、できる限り市バスをご利用していただきたいと考えております。
議員ご指摘の点につきましては、今後、介護予防事業を実施していく中で、状況を踏まえながら研究課題としてまいりたいと考えております。
<2-5>
5点目の事業団の今後の役割等にかかるお尋ねですが、老人福祉センターの職員体制については、施設運営として、新たな機能となる介護予防事業を実施していくため、専門職員等の配置を充実させてまいります。また、事業団の体制等を含めた役割についてですが、現在、国において、介護保険制度の持続可能性の確保のための充実と重点化・効率化が言われております中で、今後は、介護サービス事業を実施する事業者の方々にも主体的な連携、協力を促し、介護サービスの質の向上を図っていくことが必要であると考えております。
現在、市内の介護サービス事業者間による主体的な運営組織の設立に向けて必要な調整を図っており、その中において、市の外郭団体である高槻市社会福祉事業団は、中心的な役割を担っていく立場にあるものと考えております。
<2-6>
6点目の社会福祉協議会の活動等、地域の主体性の中で実施している支援活動にかかるお尋ねですが、国におきましても、医療・介護・住まい・生活支援等が一体的に提供される地域包括ケアシステムの構築と介護保険制度の持続可能性の確保のための制度改正が検討されております。
本市におきましても、国の制度改正の状況を見据えながら、高齢者がいつまでも住み慣れた地域で安心して生活できるよう、介護・生活支援等のサービスを一体的に提供できる包括的な支援体制の構築に向けて、関係機関・団体等との連携を強めていく必要があると考えております。
【3問目・要望】
制度改正にかかる市の対応と老人福祉センターの新たな事業についてお聞きしてまいりましたが、
はっきりしていることは、既存の業務サービスを行いながら、あらたな体制づくりが必要ということであります。どの自治体も同様の課題をもちながら新しい総合事業への移行を平成29年度4月まで開始することになりますので、自治体によっては大きな格差を生じるおそれがあります。
そんな中で、本市は、5つの老人福祉センターで、新たな介護予防事業を来年度からスタートをされようしています。その受け皿も、社会福祉事業団が担っていくことも決定されました。課題は多いことをあえてわかった上で、先進的に取組む姿勢については、高く評価できるところと思っております。
その上で、要望をさせていただきます。
1、庁内の体制づくりが必要であり、その為の人事、予算をしっかり確保することであります。
2、高槻市社会福祉事業団を事務局とする、民間事業者と有識者で構成する検討委員会を立ち上げることであります。
3、本市と外郭団体については、すでに問題や課題を共有されているわけですが、今後、民間事業者や利用者の皆さんへの周知をていねいに分かりやすく実施していただく必要があります。
4、新しい総合事業の構想には、専門家だけに頼らない、コーディネーターを置くにしています。誰がその役割を担うのか。どう考えても、今の現役世代の方々で、あと3年、5年で、退職をされる方々だと思います。今地域でボランティ等をされている方は、今の役割で精いっぱいですし、すでに兼任しておられます。
その意味から、現役世代に対しての呼びかけ、周知をしっかり行っていくことが重要と考えております。
以上、4点を具体の要望とさせていただきます。
濱田市長が誕生して、子育て世代に光をあてて来られ、今年度は、教育にも多くの新規事業を実施
されました。
来年度は、高齢者の皆様へのさらなる取組みを実施することを強く要望して質問をおわります。
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