t民生保健委員会(予算委員会)にて質疑②
2015年 3月 11日
【発達障害者支援について(福祉局関係)】
Q3-1(「専門療育機関」の申し込みや利用状況について)
次に、「発達障がい者支援」についてお伺いする。
これまでわが会派は、「発達障がい」のある方の支援の充実を継続して求めてきた。
その結果、乳幼児期に始まる「早期発見」、「早期支援」のシステムは次第に整いつつあるように思う。
特に、平成25年度から新たに設置されました「専門療育機関」は、お子さん一人ひとりの特性に応じた個別の「療育プログラム」と、親御さんの研修を通じて、ご家庭でどのようにお子さんを支援していけばよいのかを具体的に学ぶことができることから、
大変好評を得ているとお聞きしている。
この、「専門療育機関」につきましては、わが会派としても、必要な方にきちんと支援が行き渡るよう求めてきたところであり、本年度には、定員を160名から200名に増やし、来年度予算案では、さらに80名増の定員280名に拡充することとなっている。
そこで、現在の「専門療育機関」の申し込みや利用状況はどういった状況にあるのか、つまり、この280名で、利用者のニーズへの十分な受け皿となるのかお尋ねする。
A3-1(福祉局障がい者施策部相談課長兼発達障がい者支援担当課長)
発達障がい児専門療育機関は、1クール1年間で運営しており、平成25年度には、実施初年度ということもあり482名の方の利用登録があり、十分な受け入れができない状況がございました。
現在の利用登録の状況を見ますと、毎月平均24名、年間で約290名の方の登録がございます。利用登録はされても実際には利用を辞退される方などもあることから、来年度80名増の280名の定員枠で、概ね利用者のニーズには対応できるものと考えております。
ただ、既に利用登録をされて待機されている方もおられますので、新規に登録された方がすぐに利用開始できないケースはございます。
利用登録をされた方には、療育開始までの間、発達障がい者支援センター「エルムおおさか」が保護者を対象に実施する基礎講座やペアレント・トレーニング講座などをご紹介し、発達障がいの正しい理解や適切な支援の基礎を学んでいただくなど、適切な支援に努めてまいります。
【要望3-1】
お子さんが、「発達障がい」と診断された親御さんは、お子さんとの関わり方や、将来の自立に向けて何をしたらよいかなど、様々な不安を抱えておられる。
具体的にお子さんの特性を理解し、支援の方法を学ぶことにより、こうした不安を和らげ、子育てに自信や見通しを持つことにもつながるということから、「専門療育機関」の設置を、ぜひ着実に進めていただくようお願いしておく。
Q3-2(増設される「専門療育機関」の設置場所について)
次に、その設置場所についてお伺いする。
これまで4か所の「療育機関」が設置されておりますが、今後増設される場所についてはどのように考えているのかお聞きします。
A3-2(福祉局障がい者施策部相談課長兼発達障がい者支援担当課長)
利用登録をされる保護者からは、できるだけ近い場所で療育を受けたいとのご希望を多くうかがっております。
特に、学齢のお子さんは、学校が終わってから療育に通う負担も考慮する必要がございます。
現在、4か所の療育機関を設置しておりますが、市域の南西部、北東部に療育機関がない状況にございます。
こうした地域に増設を行うことにより、身近な地域で専門的な支援を受けていただく早期支援体制を一層強化できると考えております。
【要望3-2】
発達障がいのお子さんは、多動傾向がある場合や、人ごみなどの刺激が多い環境が苦手な場合もあり、バスや電車を乗り継いで親子で通うこと自体が大きな負担となる方もおられる。
そういったことからも、ぜひ地域的なバランスも考えて、「専門療育機関」の確保をして頂くようお願いしておく。
【重度障がい者日常生活用具の充実について】
Q4(重度障がい者日常生活用具の充実について)
続いて、障がい者の支援に関しまして、「日常生活用具の給付事業」についてお尋ねする。
私は、かねてより、「障がい者支援」の施策においては、「ホームヘルプ」や「デイサービス」などの「福祉サービス」とともに、「義肢装具」などの「補装具」や日常生活を支援する「福祉用具」の提供等も欠かすことのできない事業であると感じている。
「日常生活用具」には、「移動用リフト」や「入浴補助用具」等の機器をはじめとして、「たん吸引器」、「点字ディスプレイ」、「携帯用の会話補助装置」、「ストマ用装具」など、実に71品目に及ぶ用具があり、様々な「障がい」の状況に応じた、きめ細やかな支援が実施されているところである。
実際、こうした「福祉用具」を活用することにより、社会復帰につながっている方々はたくさんおられる。
例えば、元財務大臣の与謝野馨さんは、「咽頭がん手術」の影響で声を失い、政治家を引退されましたが、「気管食道シャント法」という手術を受けて声を取り戻し、テレビの対談番組や講演などの活動を再開されている。
この「気管食道シャント法」という手術は、喉に埋込型の「人工喉頭」を造設するものであり、交換式のカセットなどを装着することによって、比較的容易に発声が可能となるそうである。
しかしながら、日常的にカセットなどの消耗品の交換が必要ということで、本人の経費負担が大きいため、政令指定都市では横浜市、その他30を超える市町村が日常生活用具として給付対象としている。
失われた声を取り戻せる「埋込型人工喉頭」について、本市においても給付対象とすべきと考えますが如何か。
A4(福祉局障がい者施策部障がい支援課長)
本市では、喉頭摘出手術等によって音声言語機能障がいのある方に対しては、喉元にあててお使いになる電動式人工喉頭と笛式人工喉頭を給付対象としているが、お尋ねいただいている埋込型人工喉頭については、現在給付対象としていない。
日本では気管食道シャント手術についてはまだ広く普及していないため、調査したところ、近畿圏では対象としている市町村はないが、委員からコミュニケーション支援の観点に立った有益性についてご指摘いただいたところであり、今後、状況把握に努め、取扱いについて検討して参りたい。
【要望4】
少しの訓練で、より自然な会話ができるようになる、このシャント法は、欧米では主流ということである。
失われた声を取り戻せる埋込型人工喉頭について、本市においても是非とも、給付対象として頂きたいと強く要望しておく。
西 のりひと
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