t公明党代表質問
2015年 6月 11日
代表質問
議長の許可を得ましたので、ただいまより公明党を代表し質問いたします。責任ある政権与党の一翼を担う我々公明党は、国府との強いネットワークを生かしながら、常に住民目線を大切にし、人口減少社会における地方創生、子育て支援の充実をはじめ、将来を見据えた諸課題の解決に向け、具体的な提案も交えながら、市長はじめ執行機関の皆様と真摯な議論を交わしてまいる所存です。これより幅広い角度から質問いたしますので、的確で熱意あふれる答弁をいただきますよう、お願いいたします。
まず、市政運営方針についてお尋ねします。今回の市政運営方針については、市長の3期目4年間のスタートの年にかける意気込みと積極的な施策や事業が表明されるものと期待しておりました。しかしながら、八尾市が直面する行政課題にどう具体的な形で切り込んだのか、そして市政運営方針に掲げる施策・事業により、今後、どう市民サービスが向上し、八尾市がより住みやすい魅力あるまちになっていくのか、この視点で見させていただくと、物足りなさを感じるわけであります。そこで改めてお尋ねしますが、現在の八尾市が直面する課題について、優先順位も含め、どのように認識されているのか。そして、その課題解決のため、平成27年度において、八尾市はどう全力で取り組んでいくのか、その結果、今年度終了時に目指している成果や八尾市の姿をどう思い描かれているのか、市長の見解をまずお聞かせ下さい。さらに、我々公明党は、今年4月の統一地方選挙において、「生活者支援の充実」「人が生きる地方創生」「支えあい、一人を大切にする社会へ」「安心・安全な地域を」の4項目を重点項目に掲げましたが、とりわけ、生活者支援の充実と地方創生について、改めて市長の認識をお聞かせいただきますとともに、27年度の市政運営でどう前進させようと考えておられるのか、お聞かせ下さい。また、平成27年度は第5次総合計画後期基本計画の策定作業を進める年でもありますので、それに先立ち、前期計画の進捗状況や課題など、現時点で市長ご自身はどう総括されているのか、また後期計画は、人口減少社会や地方創生など、新たな課題への対応も当然盛り込まなければならないと考えますが、現時点の市長の見解をお聞かせ下さい。
次に、中核市への移行について伺います。市長は、3期目の任期中に移行されることを表明されましたが、具体的に中核市に移行することで、八尾市そして市民生活にとってどのようなメリットがあると考えておられるのか。市政運営方針では「必要な権限と財源を確保するため」とありますが、それに伴うリスク等も含め、お聞かせ下さい。また、八尾市単体だけでなく、人口減少社会が進行する中で自治体間の広域連携の一層の推進が必要と考えますが、具体的な取り組みや検討が進められているのか、お聞かせ下さい。さらに、今後の八尾市のあるべき姿について、人口減少社会の将来像を見据えて、市長はどのように思い描かれているのか、移行後の中核市の維持なのか、将来的には他市との合併を視野に入れるべきなのか、広域連携の中で中心的な役割を担う市を目指すのか、市長の率直な見解をお聞かせ下さい。
次に、市政運営方針で市長は、地域分権について、「地域と向き合う行政への変革を進め、現場主義を徹底しながら、地域拠点を基点とする体制づくりを進め、着実に地域での信頼関係を築きながら、きめ細やかな施策を展開してきました」と述べていますが、これまでにどのような「変革」がなされたのか、そして、市長の思い描く最終到達地点を見据え、現在、どの程度まで進んでいると認識されているのか、50%なのか80%なのか、それとも30%なのか、さらに、市長が目指す地域分権が実現された際には、八尾市の行政運営は、具体的にどのように変わるのか、市民がイメージできるようにお示し下さい。さらに、「発展的なパートナシップを築き、相乗効果を生み出す段階へと、次の一歩を踏み出してまいります」と述べられていますが、この「相乗効果」とは、具体的にどのような効果だとお考えになっているなかを、事例もあげながらお聞かせ下さい。次に、市政運営方針に掲げられております地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策についてお尋ねしますが、この対策の一つに我々公明党が訴え、実現しました消費喚起プレミアム商品券発行事業があります。現在プレミアム商品券の発行に向けた手続きが進められていますが、経済対策の趣旨に基づく最大限の効果をもたらす運用がなされるよう、改めて強く求めるものでありますが、市長の見解をお聞かせ下さい。また、今回の緊急経済対策の実施後も、市独自の創意工夫と重点を置いたさらなる取り組みを進めなければ、八尾市における好循環の拡大を実現することは困難です。今後の市独自の積極的な取り組みを進める構想を市長はお持ちなのか、答弁をお願いします。
次に、地方創生についてお尋ねします。国は、地方自治体に対して、人口動態や将来人口推計の分析、中長期の将来展望を示す地方人口ビジョンの策定を行った上で、平成27年度から5カ年の政策目標、施策を定める地方版総合戦略の策定を遅くとも平成27年度中に行うよう求めている中で、八尾市は地方人口ビジョンを早急に策定すべきです。3月議会では、平成27年度において、府とも連携しながら、速やかに策定するとのことでしたが、現時点での進捗状況と具体的策定時期、今後のスケジュールについて、お聞かせ下さい。また、八尾市版総合戦略の策定にあたり、外部有識者等で構成される推進組織のメンバーについて、具体的にお聞かせ下さい。さらに国は、総合計画を見直す際に、見直し後の総合計画などにおいて人口減少克服・地方創生という目的が明確であり、数値目標や重要業績評価指標が設定されるなど、地方版総合戦略としての内容を備えている場合には、総合計画等と総合戦略を一つのものとして策定することは可能であると示していますが、どのように考えておられるのか、市長の見解をお示しください。
次に、若年者に対する就労支援について、お尋ねいたします。 本市の若年者に対する就労支援は、未就労の若者に対する実態把握の状況を見ますと、ワークサポートセンターにおける職業紹介や働く意欲の希薄な若者に対する就労支援等を行い、若年者の安定した雇用を促進しており、若年者向けの会社説明会や就職面接会を府や近隣市と連携しながら開催することで、市内事業所との効果的なマッチングを図っております。さらに、府等と合同で若年者向けの就職活動セミナーを開催するなど、若年者の就職活動を支援していますが、今後さらに、どのよう手法で未就労支援につなげていくのかをお聞かせ下さい。次に、女性が輝き活躍できる社会づくりの一環として、女性の再就職支援についてお尋ねします。女性が自らの意思によって、家庭生活との両立を図りつつ、その個性と能力を十分発揮することにより、職業生活においても活躍できる社会を構築していくことが重要です。そのためには、結婚や子育て等により離職された女性が、再び職業人として活躍することを目的とした、女性の再就職支援に対する取組みが必要と考えますが、本市の見解と今後の対応についてお示し下さい。
次に、子育て支援について、お尋ねします。まず、日本版ネウボラについてお尋ねします。本年5月に総務省が発表した15歳未満の子どもの推計人口は、前年比16万人減の1617万人、34年連続減少、1950年以降最少を更新し、一層の少子化が進行していることが明らかになりました。さらに、今後、人口減少社会が急速に進む見通しの中で、少子化対策、取り分け、安心して子どもを生み育てる環境整備は、最優先で取り組まなければならない重要課題となっています。その対策の一つの柱として、我々、公明党が国に強く求め、全国的に動き出した日本版ネウボラは、フィンランドの先進事例を参考にした、妊娠、出産、就学前まで、総合的に切れ目なく子育てを支援する仕組みであり、すでに、浦安市、習志野市、名張市など積極的な自治体でモデル事業が進められています。子育てしやすい環境整備を一層進めていくためには、早急に八尾市においてもネウボラを導入すべきと考えます。今回の市政運営方針では、切れ目のない妊娠、出産、子育て支援の仕組みの導入と述べられていますが、すでにモデル事業を行っている先進自治体の取り組みや成果の分析を行われているのか、早期導入に向けた市長の見解をお聞かせ下さい。また、我々公明党は、「妊娠から就労」までを視野に入れた子育て支援の一元化も訴え続けてまいりましたが、ネウボラ以外にも就労までの切れ目のない支援も含め、八尾市独自での積極的な子育て支援・自立支援の対策を打ち出す構想はないのか、この点についてもあわせてお聞かせ下さい。
次に、(仮称)子どもセンターについて、お尋ねします。昨年度の市政運営方針で市長は、「子育て・教育の相談機能等を強化し、子どもの育ちを総合的に支援するため、(仮称)子どもセンター整備に向けた構想づくりに着手します」と述べられており、また、今回の補正予算でも子どもセンター機能の検討を行うため増額補正を行うとのことですが、現在、構想づくりはどの程度進んでいるのか、現時点での整備構想の内容も含め、お示し下さい。また、センターの構想づくりを進める上で、施設に対する市民ニーズがどの程度あるのか等も含めた、詳細な調査が必要と考えます。構想づくりの前提にすでに行われているものと思いますので調査結果についても、お示しください。
次に、健康・福祉・介護についてお尋ねします。まず、地域包括ケアシステムについてお尋ねします。高齢者を取り巻く課題が多様化する中、医療、介護、福祉分野などの連携で日常生活を支える地域包括ケアシステムの構築が喫緊の課題です。団塊の世代が75歳になり、高齢化がピークとなる2025年にかけ、医療法や介護保険法を一括して見直す「医療・介護総合確保推進法」が昨年の6月に成立しました。この推進法に基づき、高齢者が住みなれた地域で医療・介護・生活支援のサービスを一体で受けられる地域包括ケアシステムについて、今後、約10年間で、地域の実情に応じた仕組みを構築していくには、地域の課題やニーズを把握する必要があります。そこで、利用者の幅広いニーズに柔軟に応えられるには、本市の課題はどこにあるのか、また、介護保険の運用状況を踏まえたうえで、見解をお答えください。さらに、市町村の介護・医療の特徴や課題を容易に把握できる介護保険総合データベースの活用や国が推奨している介護政策評価支援システムを活用することで、地域包括ケアの「見える化」を推進していくことが必要と考えますが、市長のお考えをお答え下さい。さらに、本市の介護予防の取り組みと成果について、お聞かせください。また、我が党が主張し、昨年より創設された「介護支援ボランティアポイント制度」の実施状況と、今後、更なる充実に向けた取り組みについて、お聞かせ下さい。
次に、本年4月施行の生活困窮者自立支援制度についてお尋ねします。様々な理由で生活に窮する人たちの相談を自治体が幅広く受け入れ、就労など生活保護にいたる前の段階で、早期に自立に必用なサービスにつなげていくのが、生活困窮者自立支援制度です。本当に困っている人ほど社会的に孤立し、窓口を訪れないケースが少なくありません。この支援制度では、総合相談窓口を設置し、生活困窮者ごとの支援計画を策定することが必須事業として自治体に義務付けられています。他に任意事業として、家計に関する相談・指導を独自に行っている自治体やひきこもりの人などを対象に就労訓練の場を地域の民間非営利法人(NPO)等と協力して提供している自治体もあります。また、「貧困の連鎖」を防ぐために生活困窮家庭の子どもへの学習支援なども行える等、きめ細かく対応できる多様な支援メニューの準備が必要です。NPOなども含めた、既存の仕組みや福祉サービスをつなぎ、生活困窮者の支援に関わっている人たちを結びつけるコーディネート機能が制度の核心部分になり、その役割を担う人材の育成がカギになります。この支援制度は、生活保護に陥る手前のセーフティネットとして、本市としても全庁的に推進していく必要があります。そこで、本市の生活困窮者自立支援制度について、相談体制や各課との連携、また市民への周知の取組みについて、お聞かせ下さい。
次に、市立病院事業についてお尋ねします。八尾市立病院は、専門的ながん医療の提供や地域のがん診療の連携協力体制の構築、そしてがん患者に対する相談支援及び情報提供を行う「がん診療連携拠点病院」の指定をこの4月1日付けで、厚生労働省から受けましたが、この指定により、どのような状況の変化があるのか、今後の病院運営に対する決意も含め、まずお聞かせください。さらに「がん診療連携拠点病院」としての指定要件を今後、長期にわたり維持していくためにも、医療従事者の研修の充実や先進的な医療機器の導入を推進していく必要があります。新病院が開院して10年が経過する中で、高額医療機器等の更新時期を迎えていますが、今後の更新計画とその財源確保についてどのように考えているのか、お聞かせ下さい。さらに、病院の基本理念・基本指針の中に、高度で良質な医療の提供や公民協働による健全運営が謳われています。第2期の病院経営計画には、平成27年度以降、経営環境が厳しい状況を迎えると予想されておりますが、どのように目標達成に向け、取り組んでいかれるのか、お聞かせ下さい。
次に、「健康づくりの推進」についてお尋ねします。健康で元気に生活することは、子どもから高齢者まですべての世代の願いであります。我々、公明党としましても、健康づくりの重要性を訴え、これまで、乳幼児医療費助成の拡充、がんドックの実施・5大がん検診の無料化などを実現し、市民の健康づくりをサポートする環境づくりを進めてまいりました。そこで5点に渡り、お尋ねしますが、今回の市政運営方針で市長は、「健康づくりを推進する」そして「みんなの健康をみんなで守るを合言葉に市をあげた住民運動とする」とまで訴えておられますが、いつまでに、どのような住民運動につなげる構想をお持ちなのか、その手法も含めお聞かせ下さい。また、健康寿命の延伸について、大学との連携のもとデータ分析や手法検討をこれから進めるとのことですが、どのような分析をもとに健康寿命の延伸の取り組みを効果的に図るのか、具体的にお聞かせ下さい。さらに、幼少期からの「早寝、早起き、朝ごはん」の習慣づけや食育をはじめライフステージに沿った健康を意識した生活習慣を定着させる施策を展開するとのことですが、これらの内容は、健康づくりを進める上ですでに実践されているべき基本的な内容であり、今回あえて市政運営方針に掲げなければならないほど、進んでいない現状にあるのでしょうか。八尾市の現状とこれまで進んでこなかった理由や課題について、子どもから高齢者まで各世代ごとにどう分析されているのか、教育委員会の見解も含め、お聞かせ下さい。また、健康づくりを進める上で、がん検診、特定検診の受診率の向上は重要な課題でありますが、近年の受診率の推移と受診率向上に向けた今後の取組みについて、お聞かせ下さい。さらに、市長が市政運営の柱と位置づけている地域別のまちづくりにおいても、「健康コミュニティづくりと地域住民一人ひとりの健康づくりの推進」が重要なテーマになるものと考えます。市は、あなたのまちの健康相談を各コミュニティセンター等で実施していますが、さらに大切なことは、地域全体で健康づくりに取り組むことです。そして、各家庭、個人個人が健康づくりを実践する意識づくりに結びつけることが重要と考えますが、この点、平成27年度において積極的な取り組みを地域とともに進める考えはあるのか、お聞かせ下さい。
次に、まちづくりについて、まず、近鉄河内山本駅周辺のまちづくりについて、お尋ねします。河内山本駅は、市内近鉄各駅で2番目に乗降客数の多い駅で、市の副次核として位置づけられている地域です。今後、人口減少社会が進む中で、市内主要駅周辺の魅力づくりは重要な対策となりますので、私どもも財源確保に留意しつつ、積極的に推進されるよう求めるものですが、市長はどのような整備をお考えなのか。市政運営方針では「駅周辺を核にした交通結節点の充実」「市民生活の安全性・利便性を高める」「魅力あるまちづくりの検討」と述べられていますが、それぞれ具体的にどのような整備をいつまでに行う計画なのか、お示し下さい。また、他の駅前周辺再整備について計画がないのか、この点についてもあわせてお聞かせ下さい。
次に、歴史・史跡や文化を一体的に結びつけたまちの魅力づくりについて、お尋ねします。八尾市は、国指定史跡の高安千塚及び心合寺山古墳、さらに久宝寺寺内町、安中新田会所跡の旧植田家住宅をはじめ、豊かな歴史と史跡、そして文化を有するまちです。しかし、魅力あるまちづくりを推進し、観光振興につなげる観点から見た場合、個々の魅力が、八尾市全体の魅力へとつながっていないように見受けられるのです。そこでお尋ねしますが、八尾市内に点在する様々な歴史・史跡・文化等をどのように点から線へ、線から面へ広げ、八尾市全体の魅力づくりと発信につなげていくのか、お聞かせ下さい。さらに、国では、日本遺産(Japan Heritage)の認定を開始しています。第一回となる平成27年度の認定では、全国で83の申請があり、そのうち18箇所が認定され、近畿では飛鳥村・橿原市・高取町による「日本国創生のとき、飛鳥をかけた女性たち」や兵庫県篠山市の「デカンショ節 民謡に乗せて歌い継ぐふるさとの記憶」などが選ばれています。この日本遺産の目的は、「地域の歴史的魅力や特色を通じて、国の文化・伝統を語るストーリーを「日本遺産」に認定するとともに、ストーリーを語る上で不可欠な魅力ある有形・無形の文化財郡を地域が主体となって総合的に整備・活用し、国内外に戦略的に発信することにより、地域の活性化を図る」とされています。このことは、人口減少社会において大きな課題となっている地方創生にむすびつく方向性でもあります。先にも述べましたが、豊かな歴史・史跡・文化を有する八尾市として、今後、日本遺産登録に向けた取り組みも視野に入れるべきと考えますが、市長の見解をお聞かせ下さい。
次に、国の法改正への対応についてお尋ねします。 まず、空き家対策についてお尋ねします。先月5月26日に空き家対策特別措置法が全面施行されました。人口減や超高齢化の進行で空き家は増加し、全国の住宅の約14%にあたる820万戸にのぼっています。今後さらに増加を続ける可能性が高く、空き家を放置すれば、家屋の倒壊の危険性や防災・防犯面での不安、放置された庭木の道路・隣家へのせり出しなど、様々な面で地域環境に問題をもたらす可能性が高く、市町村の積極的な取り組みを求める市民の声も空き家数の増加とともに年々高まっています。八尾市においても、昨年1月より八尾市空き家等の適正管理に関する条例に基づく、対策を強化しておりますが、まだまだ抜本的な対策を打ち出せている状況にはいたっておりません。今回の空き家対策特別措置法では、市が勧告や行政代執行ができる対象となる建物の判断基準が示されるとともに、市の判断で固定資産税の減免措置を打ち切ることができるようになるなど、新たな対策も講じられた中で、市として今後、どのような実効性のある取組みを進めようとされているのか、お聞かせ下さい。また、空き家対策としては、解体する手法だけでなく、利用価値のある空き家の有効活用も進める必要があります。空き家バンク制度を実施する自治体も少なくない中で、八尾市においても積極的に実施すべきと考えますが、見解をお聞かせ下さい。
次に、自転車対策についてお尋ねします。道路交通法の改正により6月1日より、自転車による交通違反対策が強化されました。これは自転車が加害者になる事故を防止することを目的に、携帯電話や傘を使用しながらの運転をはじめとする14項目の危険行為が決められ、刑事罰の対象となる14歳以上の運転者が危険行為を3年以内に2回以上繰り返した場合、自転車運転講習を受けなければならなくなりました。八尾市においても、自転車マナーの向上と事故防止対策は、積極的に取り組むべき課題であり、今回の法改正にあわせた取り組みを実施すべきと考えますが、見解をお聞かせ下さい。また、以前から訴えています自転車保険の加入促進について、これまでの取り組みにより加入率が向上するなどの効果があったのか、今後の更なる推進にどのように取り組んでいくのかも含め、お聞かせ下さい。
次に、教育についてお伺いします。まず、新教育委員会制度についてお尋ねします。約60年ぶりに教育委員会制度を改革する改正地方教育行政法が4月1日に施行されました。まずは、今回の改正の経緯・概要・趣旨についてお答え下さい。また、新教育委員会制度の実施に伴い、八尾市において、どのような認識で臨まれているのか、市長並びに教育長の見解をお聞かせください。また、今回の補正予算で総合教育会議の設置や教育大綱の策定経費が計上されていますが、設置や策定時期、その詳細などお示し下さい。さらに今期定例会で、八尾市いじめ問題対策連絡協議会等条例制定の議案が提案されていますが、その主たる所管は教育委員会となっております。市の関与については、八尾市いじめ再調査委員会による市長の諮問が規定されているものの第一義的には教育委員会主導となるように思えてなりません。また、その一方、八尾市いじめ防止基本方針は市長部局が所管しております。
市政運営方針では、とりわけ、「いじめ問題」に対しては、八尾市いじめ基本方針を踏まえ、市全体で「いじめは絶対に許さない」という強い姿勢のもと、いじめ防止のための対策を総合的かつ効果的に推進する。とありますが、責任の所在がわかりにくくミスマッチを感じ得ませんが、市長の見解をお聞かせください。今回の新教育委員会制度の改正理由が、大津市のいじめ死亡問題で教育委員会だけで、迅速かつ適切な対応ができなかった教訓にあることから鑑みて、この条例に基づく体制で果たして適切な対応がなされるのか、非常に心配するのですが、見解をお聞かせ下さい。また、「いじめのないまち八尾」にするためどのようにしていくのか、具体的な取り組みを市長及び教育長ともにお聞かせ下さい。次に、学校園の環境整備についてお尋ねします。最優先課題となっていました学校園の耐震化が平成27年度で終える目処がついた中で、要望の高い、学校園の教室への空調設備整備について、早急に取り組むべきと考えますが、今後の見通しも含めお聞かせ下さい。あわせて、学校トイレの洋式化についても、ニーズの高い環境整備だと思いますが、今後の見通し等、教育委員会の見解をお聞かせ下さい。
次に、就学前教育について、お尋ねします。まずはじめに、保育所待機児童の解消の状況と今後の見通しについて、お聞かせください。また、幼保一体化について、お伺いいたします。幼保一体化施設整備については、施設整備の全体像が示せず、また、幼保一体化施設のメリットの周知徹底が図れなかったこと等により、市民理解が得られず、市は一旦立ち止まるという判断をし、すでに1年以上が経過しますが、全体計画の策定状況をはじめ、整備作業はどの程度進んでいるのか。これまでから市が訴えてきた幼児期における質の高い教育・保育を一体的に提供するとともに増大する保育ニーズに対応できる施設として、市民理解が得られる状況に至っているのか、詳細にお聞かせ下さい。これで1回目の質問を終わります。ご清聴ありがとうございました。
答弁
ただいまの公明党のご質問にお答えをいたします。まず、現在本市が直面する課題認識についてでありますが、全国的に人口減少や少子高齢化、核家族化など、人との関わりの希薄化やまちの活力の低下などが懸念される中でも、限られた資源を最大限に活かし、持続可能な都市として次代に引き継いで行くことが、本市における当面の課題であると認識しており、地域と行政とが適切な役割分担のもと協力しあい、自らの想いの実現に向けて主体的にまちづくりを進められるよう、私自ら職員の先頭に立ち、「八尾スタイルの地域分権」を掲げ、地域と向き合い、着実に地域での信頼を築きながら、取り組みを進めてまいる所存であります。
また、私はこれまで、「八尾スタイルの地域分権」とともに、「行財政改革の推進」や「未来の八尾づくり」の観点で、厳しい財政状況の中でも選択と集中を行いながら、八尾の未来を担う子どもの育ちを総合的に支援する取り組みを進めてまいりましたが、平成27年度は「健康づくりの推進」を市政運営の柱に新たに加え、市民がともに支えあい、生きがいを感じるまちの実現をめざし、取り組みを進めてまいります。今年度にめざすべき成果についてでありますが、平成27年度は、わがまち推進計画と地域別計画の見直しを予定しており、各地域においては、次期わがまち推進計画の策定に向けて議論される地域課題や地域がめざすまちの姿をあらためて地域全体で共有されるとともに、行政においては地域の動きをしっかりと把握し、後期地域別計画に反映させるプロセスの中で、地域と行政が同じ目標に向かって歩もうとする新たな機運の高まりが生まれることが、今年度のめざすべき成果であると考えています。
次に、生活者支援の充実と地方創生についてでありますが、国においては、少子高齢化の進展に的確に対応し、人口の減少に歯止めをかけるとともに、東京圏への人口の過度な集中の是正を図り、活力ある日本社会を維持するため、平成26年11月、「まち・ひと・しごと創生法」が制定されるとともに、消費税率引き上げ等にともなう個人消費の低下など、景気の状況に対応するため、平成26年12月に「地方への好循環拡大に向けた緊急経済対策」が閣議決定されたところであります。人口減少への対応や地域の活性化については、本市としましては、「八尾スタイルの地域分権の推進」など、国の動きに先駆けて取り組んできているものと認識しておりますが、国のこうした流れを踏まえ、本市においても、平成27年度、この緊急経済対策による「地域住民生活等緊急支援のための交付金」を活用し、地域消費喚起・生活支援型の取り組みとしてプレミアム付き商品券を発行するほか、地方創生先行型の取り組みとして、地方版総合戦略の策定事業をはじめ、地域の活性化に資する様々な取り組みを位置付け、着実に実施してまいります。
次に、総合計画の前期基本計画の総括についてでありますが、平成26年度に市行政における一次評価、基本計画評価委員会における二次評価を行う中では、基本構想における想定人口に沿って推移している点、また、推進方策である「地域分権」の仕組みづくりが進み、各施策も概ね順調に進捗している点を高くご評価頂いたところです。一方で、市民との協働のまちづくりを進める中では、さらに分かりやすい指標や市政の取り組みのPRが必要であるとの課題もご指摘いただいております。また、議員ご指摘の人口減少社会や地方創生への対応は、これまで先行して第5次総合計画で取り組んで来た内容に、国と歩調を合わせた対応も加える必要があるものと考えております。私といたしましても、これらの課題への対応につきましては、後期基本計画の策定内容として盛り込んでまいりたいと考えております。
次に、中核市への移行に伴う市民生活への影響についてでありますが、これまで、住民サービスの向上につながる権限については、積極的に移譲を受けてまいりましたが、市民に最も近い基礎自治体として、さらなる責任を果たしていくためには、単に移譲される事務を滞りなく処理する体制を構築するということではなく、自らの判断で、地域に密着した行政サービスやまちづくりを推進するため、既存事務事業との相乗効果が得られるよう、中核市への移行に向けて取り組んでまいります。さらに、中核市へ移行することによって、市民と行政が「ともに考える、ともに行動する、ともにチャレンジする共創の自治都市づくり」をめざし、八尾スタイルの地域分権を発展させ、特色あるまちづくりの推進を図り、自ら考え、自律できる都市として、きめ細やかな市民サービスの提供、効率的・迅速な市民サービスの提供が可能となります。また、市民の健康を守ることをめざし、保健衛生行政の充実を図り、保健・医療・福祉の連携の拠点としての役割を担っていくことや総合的な環境行政の推進を行うことができるものと考えております。中核市への移行により増大する移譲事務を処理する経費につきましては、普通交付税にて措置されることとなっていますが、職員の増員、特に、専門的な知識や経験を有する職員を確保するため、人員体制の整備等を図り、あわせて人材の育成に努める必要があると考えております。
次に、人口減少社会における自治体間の広域連携の具体的な取り組みについてでありますが、この間、東大阪市、柏原市、本市の3市で広域連携の取り組みについて、様々な議論をさせていただいております。しかし、各市それぞれの事情などもあることから、具体的な取り組みとして進んでいる状況にはありませんが、魅力発信や市民同士の交流を図るため、府とも連携をしながら、「大坂の陣400年天下一祭」のイベントにおいて連携した取り組みを進めております。
次に、今後の本市のあるべき姿についてでありますが、人口減少社会の中で、都市の持続可能性の重要度が指摘される今日にあっても、いつまでも八尾の伝統や特性、河内の気風が次代へ連綿と引き継がれ、また、市民にもっとも近い基礎自治体として、必要な行政サービスを効果的に提供し続けられるよう、行財政運営を行っていく必要があると認識しております。 そのためにも、今般の地方自治法の一部が改正され、都市制度改革が進められる中で、さらなる住民福祉の向上に、必要な権限と財源、体制をもって、行政としての責任を今まで以上に果たせるよう、積極的に中核市への移行をめざすものであります。
次に、地域分権における変革についてでありますが、これまでコミュニティ推進スタッフを配置し地域の実情を把握する中で第5次総合計画に「地域別計画」を策定し、全庁的な地域担当制を導入するなどの人的体制の整備、さらに、出張所等を「地域の拠点施設」へと機能を充実していくなど、地域の実情を踏まえたきめ細やかな施策展開を図る「地域と向き合う行政」への変革を進めてまいりました。さらに、地域でのつながりの希薄化が懸念されるなか、地域コミュニティの醸成と活性化に向け、「八尾市市民参画と協働のまちづくり基本条例」の一部改正を行い、各地域の「校区まちづくり協議会」が「わがまち推進計画」を策定して特色ある取り組みが進むなど、まさに、地域と行政が手を携え、ともにチャレンジする、地域のまちづくりにおける変革を進めて来たものと認識しております。
次に、現在の進捗度についてでありますが、来るべき人口減少社会において持続可能なまちづくりを進めるうえで、「地域分権」は、長きに渡り実践し続けていくべき、必須の取り組みであると考えており、地域実情の変化を機敏に掴みながら、適切に課題への対応を行なう、挑戦を続ける道であると考えております。また、地域分権においてめざす姿は、"それぞれの地域が、行政と地域とが適切な役割分担のもと協力しあい、自らの想いの実現に向けて主体的にまちづくりを進めている"状況、と定義しております。地域のまちづくりの場面に多様な世代・主体が集い、行政が市全体の観点に留まることなく、地域実情を踏まえながら担うべき役割を担う中で、「わがまち推進計画」に基づく活発な地域のまちづくり活動が展開されている状況が望ましいものと考えております。
次に、相乗効果についてでありますが、平成27年度は、各地域において次期「わがまち推進計画」の策定が予定され、行政においても、総合計画後期基本計画として「地域別計画」の策定を予定しています。地域のまちづくりにおける、地域と行政の計画を同時に策定するという初めての機会を活かし、各地域のめざすまちの姿の実現に向けた策定段階からの連携を通じまして、これまで以上に適切な役割分担による取り組みを進めることで、相乗効果を生みだしてまいりたいと考えております。例えば、これまで健康を願いつつも、個人ではなかなか続かないという人も多かった健康づくりが、地域がウォーキング等イベントを行なうことで、きっかけができ、そこに行政が健康学習で専門知識を提供することで、一人ひとりが効果を実感しながら継続できる健康づくりとなり、わがまちでの健康文化の醸成へとつながる事が期待できます。
次に、「やおプレミアム商品券事業」についてでありますが、本事業の目的である市内の消費喚起を促進するため、国の交付金を最大限に活用し、多くの市民が商品券を購入できるよう、取り組みをすすめているところであります。そのため、できるだけ多くの市民にご利用いただけるよう、市民に対する広報活動を積極的に行う一方、商業団体や商業者への参加も呼び掛けてきたところでありますが、今後、この事業を契機として次の商業活性化や将来のまちづくりに活かせるよう、引き続き商業団体等への支援を行ってまいりたいと考えております。また、緊急経済対策後の本市独自の取り組みについてでありますが、「やおプレミアム商品券事業」では、消費喚起だけではなく、市内の商業集積におけるにぎわいづくりのための支援を行うこともあわせて事業実施することとしております。そのため、これを契機としまして、将来の地域商業の活性化につながるよう、今後も、商店主や商業団体等と意見交換を行いながら、人材育成などをはじめとして商業集積におけるにぎわいづくりを、まちの活性化につなげてまいりたいと考えております。
次に、地方人口ビジョンの進捗状況についてでありますが、策定支援等業務の委託事業者を選定し、人口動向分析を行うなど、鋭意、取り組みを進めるとともに、府における人口ビジョン及び総合戦略の策定状況について、協議・調整を進めているところであります。今後のスケジュールにつきましては、人口ビジョンの策定を進めたうえで、各界のご意見をいただきながら総合戦略策定を行い、12月定例会において素案をお示しし、平成28年3月にご報告できればと考えております。また、八尾市版総合戦略の策定メンバーにつきましては、国は、産業界、行政、学界、地元金融機関、労働界、言論界の各分野の意見をいただきながら、地方版総合戦略の策定を行うことが推奨されております。今後、各分野ごとに、有識者や当事者代表とともに懇談会を実施し、意見交換を行いながら、総合戦略に活かせるよう、現在、調整しているところであります。
次に、総合計画と総合戦略策定の関係についてでありますが、本市では、第5次総合計画の将来人口を減少と見込み、住み続けたい、住んでみたいまちづくりに、これまでも取り組んでまいりました。今回は、新たな総合計画ではなく後期基本計画の策定であるため、その計画策定を行う中で、昨年末、国の「地方創生」において示された総合戦略の趣旨に関連する内容の検討を一体的に進め、後期基本計画と八尾市版総合戦略をそれぞれ策定してまいりたいと考えております。
次に、若年者に対する就労支援についてでありますが、現在の雇用状況を見ますと、平成27年3月現在の府の有効求人倍率は1.14倍となっており、また、国の調査での平成27年3月卒業の大学生の就職率は
96.7%と高い水準となっているなど、改善傾向にあると認識しております。このような状況のもと、本市においては、若年者向けの就職支援セミナー等の実施や、八尾市ワークサポートセンター及び八尾市無料職業紹介所での職業紹介や就職面接会等を実施しており、引き続き、若者の就労支援に取り組むとともに、今後は、若者の早期の離職を防ぐため、本市で実施している就職面接会において、求職者と事業所の相互関係が深まる工夫を図ってまいりたいと考えております。
次に、女性の再就職支援についてでありますが、「未来の八尾創り」において「女性の活躍」は重要であり、特に、女性の再就職支援につきましては、様々なライフステージにある女性が、希望する職業に就き、能力を発揮するためには、再就職を希望する女性のニーズと事業所の求める人材を的確に把握し、効果的にマッチングすることが必要となります。本市においては、「地域活性化・地域住民生活等緊急支援交付金」の地方創生先行型事業として、平成27年度に「女性の職業生活における活躍推進事業」に取り組むこととしており、当該事業では様々なライフステージにある女性による意見交換会を開催し、女性の職業生活における活躍推進に向けたニーズを把握するとともに、市内事業所との意見交換を通じて、女性の再就職をはじめとする職業生活における活躍推進に向けた施策の検討に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、日本版ネウボラについてでありますが、全国で29の自治体が平成26年度における妊娠・出産包括支援モデル事業として実施されています。府内では、堺市と枚方市において取り組まれており、堺市では、在宅の子育て支援をより充実させ、支援が必要な方をより早く、もれなく把握する視点から実施され、枚方市では、医療機関との連携をもとに実施されています。本市においては、妊娠・出産・子育ての切れ目のない支援として、これまで、両市との情報交換など、他市の事例も研究し、今回、補正予算をご提案し、取り組みを進めてまいりたいと考えております。具体的には、妊娠がわかった時から、出産し、子どもが成長する過程でそれぞれの状況に応じた支援に重点を置きながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。まず、母子保健の取り組みといたしましては、妊娠・出産という子どもを生み育てる場面で感じる不安を解消するため、助産師による相談等を実施することで、全ての妊産婦に専門職がより積極的に係わり、誰もが気軽に相談できる「寄り添い型の相談環境」を充実するとともに、母子ともに健やかな出産ができる環境整備として、妊婦健康診査の助成を拡充し、受診率の向上を図ってまいります。さらに、ママサポート事業や養育支援事業の対象者を妊婦まで拡大し、出産前の支援の充実を図るとともに、コミュニティセンターなど身近な場所で専門職による相談が受けられる体制づくりを進め、日常の子育ての中の不安や悩みが大きくなる前から、子育て家庭に寄り添い支える仕組みづくりをめざしてまいります。なお、就労までの切れ目のない支援については、今後、精力的に検討を加えてまいりたいと考えております。
次に、(仮称)子どもセンターについてでありますが、平成26年度当初には、子育てと教育の相談機能等を強化し、子どもの育ちを総合的に支援することをめざして、(仮称)子どもセンターの基本構想づくりに着手することとお示ししたところであります。平成26年度は、子どもに関する相談や支援について、本市のこれまでの状況を整理するとともに、市民が参画するワークショップや子どもを対象としたグループインタビューにおける意見等について、とりまとめを行ってきたところであり、相談体制や子育てに関する情報提供、交流の場の提供、居場所づくりに関する対応を求める意見が出されております。また国においても人口減少や少子化への対応を改めて打ち出された中で、本市においては、子どもの育ちに応じた切れ目のない支援を実現するための拠点が必要であると再認識するに至っており、引き続き、(仮称)子どもセンターの基本構想策定に向けて取り組みを進めてまいります。
次に、地域包括ケアシステムについてでありますが、高齢者が人としての尊厳と生きがいを持って、住みなれた地域で住み続けるためには地域包括ケアシステムの推進が重要であります。第6期八尾市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の策定に係る実態調査において、自宅で暮らしたいという高齢者の意向が示されており、在宅介護の限界点を引き上げることは、高齢者の希望である、自宅や地域でいきいきと安心して住み続けられる仕組みづくりにつながるものと認識しております。また、これまで各地域で積み上げられてきた八尾スタイルの地域分権の取り組みと連携しつつ、高齢者が住みなれた地域で住み続けることが出来るよう、取り組みを進めてまいります。
次に、地域包括ケアの見える化についてでありますが、地域包括ケアシステムの構築においては、広く共有、見える化することは重要であり、また、本市の介護保険事業の分析、保険者間等の比較を行うことも必要であると認識しております。現在、国において、見える化システムの構築を行っており、次期計画である第7期八尾市高齢者保健福祉計画及び介護保険事業計画の策定において、検証材料のツールとして活用できるよう見える化システムの情報収集等に努めてまいります。
次に、介護予防の取り組みと成果についてでありますが、介護予防教室の実施については、介護予防教室を開催する際に、高齢者が参加しやすいよう、コミュニティセンターや街かどデイハウス、地域包括支援センター等地域の身近な施設において、運動、認知症予防などの様々なテーマによる教室を開催しているところであります。高齢者自身が要支援・要介護の状態になる前から介護予防を推進し、高齢社会に対応した活力ある地域社会をつくるために、シルバーリーダー養成講座を開催し、高齢者の方の知識・教養の向上を図るとともに地域活動の実践者の養成につなげております。また、平成25年度に作成した「河内音頭健康体操」につきましては、教室の開催等による普及啓発を行うとともに、身近な地域で自主的な介護予防に取り組めるよう、自主グループの育成に努めており、教室等に参加することにより、身体的な効果に加え、閉じこもり予防等にも役立つものと認識しております。
次に、介護支援ボランティア制度の実施状況についてでありますが、現在、ボランティアに登録されている方は83名おられ、本市が主催する介護予防教室でのボランティアに限定して実施しております。この制度につきましては、ボランティアとして高齢者の社会参加、介護予防につながるだけでなく、高齢者自身が福祉の担い手となるきっかけとなりうる制度であると認識しており、平成27年度においては、平成26年度の結果についての効果検証をふまえ、今後さらに取り組みを広げてまいります。
次に、生活困窮者自立支援制度に係る相談体制や庁内各課との連携についてでありますが、平成27年4月1日に、生活困窮者自立支援法に基づく、生活困窮者自立相談支援事業及び住居確保給付金の相談・受付事務の窓口として、市役所本館3階に「八尾市生活支援相談センター」を開設し、事業委託による7名体制にて、生活困窮に係る相談の対応を行うとともに、包括的な生活困窮者支援を行う環境を整備するために、生活困窮者自立支援制度検討会議を設置し、庁内におけるきめ細やかな連携体制の構築に努めております。また、市民への周知の取り組みについてでありますが、「八尾市生活支援相談センター」の開設等について、市政だよりや市ホームページへの掲載はもとより、庁内関係課及び各出張所窓口に生活困窮者自立支援制度の概要等を記載したチラシを配架するとともに、生活困窮に係る課題を抱える市民と接する機会があると思われる地域包括支援センターや就労支援機関など各関係機関、さらには民生委員児童委員や地区福祉委員会など地域福祉の担い手に、生活困窮者自立支援制度について説明するなど、様々な角度からの市民周知に努めているところであります。
次に、市立病院の「地域がん診療連携拠点病院」指定後の状況変化についてでありますが、平成21年4月に、「大阪府がん診療拠点病院」の指定を受け、がん診療の充実に努めてきた結果、本年4月に、国が指定する「地域がん診療連携拠点病院」に指定されたものであります。今後は、指定要件である、専門的ながん医療の提供や、地域のがん診療連携体制の構築、がん患者への相談支援及び情報提供体制を、より一層充実させてまいります。また、医療圏における「がん診療」の拠点として、医師会等の各種団体や行政機関、地域の医療機関との関係を強化するとともに、地域の医療従事者に対する研修の実施や、市民への、がんに関する情報の発信に努めてまいります。今後の病院運営については、市立病院の2つの看板である「地域医療支援病院」と「地域がん診療連携拠点病院」を維持しつつ、本市の地域包括ケアシステムの中で、「がん」をはじめとした高度で良質な医療を提供する急性期医療を担う中核病院として位置づけ、医療ニーズの変化に適切に対応した、市民が誇れる病院をめざしてまいります。
次に、市立病院の高額医療機器等の更新については、第2期経営計画において、平成27年度以降に更新予定の主要な医療機器を示すとともに、これらに要する事業費のうち、平成29年度までの支出額と、その財源となる企業債等の収入、及び、更新に伴う影響を踏まえ収支計画を策定したところであり、放射線治療装置をはじめ、新病院開院時に導入した高額医療機器についても、より高度で安全な医療の提供、診療機能の向上による収益確保をめざし、必要性・採算性などを検討の上、順次更新してまいります。
次に、第2期経営計画についてでありますが、これまでの改革プラン及び経営計画で達成した成果を踏まえ、「医療の質の向上と健全経営」を同時に追求することにより、将来にわたり地域の中核病院として市民の信頼に応え続けることをめざし策定したものであります。計画の目標達成に向けては、地域医療支援病院として、関係機関との連携強化や災害医療センターとしての機能強化を図るとともに、機能拡充事業において整備した施設の効率的な運用やチーム医療の強化等に努めてまいります。さらに医療スタッフの確保等に取り組むなど、これまでと同様に院内の経営健全化推進会議を中心に、病院に勤務する全ての職員が一丸となって着実に取り組むことが必要であると考えております。
次に、健康づくりの推進についてでありますが、健康づくりに関する地域での環境づくりとして、出張所等に配置している保健師や保健センターを通じて、より一層の健康教育等の啓発活動や、住民主体の地域での健康づくり活動を進め、それぞれの地域特性を活かした施策展開を進めてまいることとしております。これら健康づくりの取り組みが地域に定着するまでは、それぞれの地域に対し、どのような手法が効果的であるかについて地域ごとに取り組みを積み重ねていく必要があり、相応の時間が必要であると考えております。今後、各地域での住民健診の実施、健康教室等の開催等に向けた働きかけ等の取り組みを強めながら、市民、地域、事業者、行政がともに協力して、健康コミュニティの醸成に向け、住民運動として健康づくりに取り組んでまいります。
次に、大学との連携で、どのような分析をもとに健康寿命の延伸を効果的に図るのかについてでありますが、大学との連携により、特定健診や各種がん検診のデータや介護保険・国民健康保険のデータ等を分析することにより、市内の地区別の観点からの評価を行うことを想定しているところであります。それにより、分析結果に基づき、例えば地区ごとの住民の健康状態に関する傾向など、健康課題の抽出やその対応策、ひいては健康施策についての提言等をいただくことで、生活習慣病予防と介護予防対策の推進、健康に関する新たな課題への対応等を進め、課題解決について、科学的分析と最新の専門的知見や技術を取り入れ、より効果の高い健康づくりの施策展開を図り、市民の健康寿命の延伸につなげてまいりたいと考えております。
次に、健康を意識した生活習慣の定着に関する施策についてでありますが、現在、「健康日本21八尾第2期計画及び八尾市食育推進計画」において、生活リズムを整え、朝食をはじめ3度の食事をしっかり摂るなどの行動目標について、ライフステージ別の取り組みを進めることとしているところであります。平成27年度に次期計画の策定を行う中で、市民アンケートをはじめ各種データの分析を実施することにより、現行の計画の取り組みや達成状況を評価するとともに、課題を抽出し、次期計画においてその解決に向けた取り組みを推進していくこととしております。
次に、がん検診、特定健診の近年の受診率の推移と受診率向上に向けた今後の取り組みについてでありますが、特定健診の受診率につきましては、平成23年度で25.4%、平成24年度で25.1%、平成25年度で
26.9%となっております。がん検診の受診率につきましては、胃がん検診が平成23年度で
3.1%、平成24年度で2.7%、平成25年度で3.7%、肺がん検診が平成23年度で4.9%、平成24年度で4.8%、平成25年度で5.6%、大腸がん検診が平成23年度で14.5%、平成24年度で13.8%、平成25年度で16.4%、乳がんのマンモグラフィ検診が平成23年度で23.5%、平成24年度で22.1%、平成25年度で22.0%、子宮がん検診が平成23年度で31.5%、平成24年度で29.9%、平成25年度で29.0%となっております。また、受診率向上に向けた今後の取り組みとして、特定健診につきましては、引き続き、未受診者への電話やはがきによる受診勧奨や特定健診の必要性等を周知する広報活動を行うとともに、医療機関をはじめ地域団体等との連携・協力をより一層強化し、地域における活動を通じて受診率の向上に努めてまいります。
がん検診については、胃がん、肺がん、大腸がん、乳がんの4つのがん検診を一度に受けられる「がんドック」や女性スタッフのみで実施するレディース検診のほか、地区検診における4つのがん検診と特定健診との同時実施や休日開催など、受診の機会を増やすよう引き続き取り組むとともに、未受診者への勧奨など、今後も様々な機会や手法を駆使して受診勧奨をすすめて、受診率向上に努めてまいりたいと考えております。
次に、地域全体で健康づくりに取り組むことについてでありますが、「健康日本21八尾第2期計画及び八尾市食育推進計画」の平成28年度からの次期計画策定を平成27年度に行うなかで、「みんなの健康をみんなで守る」という考え方を踏まえ、地域とともに進めてきたまちづくりの活動として、地域ぐるみの健康づくりに市民とともに取り組んでいくという姿勢を強く打ち出すとともに、保健センターと出張所等に配置した保健師を中心にして、各地域で健診や健康講座等の取り組みの充実を図るなど、地域への働きかけを進め、地域ぐるみの健康づくり活動の普及を進めながら、健康コミュニティの醸成につながっていくよう支援に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、近鉄河内山本駅周辺のまちづくりについてでありますが、「第5次総合計画」及び「都市計画マスタープラン」において、近鉄河内山本駅周辺は、地域生活拠点として、市民生活の利便性及び安全性の向上を図る副次核として位置づけている中で、駅前広場が未整備であること、歩行者、自転車、車両が踏切を含めて輻輳していること、五月橋交差点で慢性的な渋滞が発生していることなどが課題となっております。したがいまして、交通結節点機能の充実を図る駅前広場整備をはじめ、市民生活の安全性、利便性の向上を図る踏切改良、玉串川と市道山本第374号線を活用した歩行空間整備、府道八尾茨木線の歩道拡幅整備などを一体的に整備することにより、八尾のシンボルとなる桜の玄関口にふさわしい都市核となるよう魅力あるまちづくりの検討を進めてまいります。今後は、校区まちづくり協議会でのワークショップや近畿日本鉄道、府などの関係者と本市により、具体的な整備方針及び整備スケジュールについて、検討していくものであります。また、その他の駅前周辺整備につきましては、都市核として位置づけのある地区を優先して、整備を進めているところであります。中心核となる近鉄八尾駅周辺、副次核となるJR八尾駅周辺、新都市核となる地下鉄八尾南駅周辺、JR久宝寺駅周辺につきましては、整備を一定終えているため、整備が未着手となっている副次核の近鉄河内山本駅周辺の整備をすすめてまいります。
次に、歴史・史跡・文化等を踏まえた八尾市全体の魅力づくりと発信および日本遺産登録に向けた取り組みについてでありますが、本市には、心合寺山古墳をはじめとした多くの歴史資産や河内音頭をはじめとする郷土文化、高安山の自然など、魅力発信に値する歴史・文化・自然が多くあると認識しております。市といたしましては、これらの地域資源に着目し、第5次総合計画には、「八尾の魅力発見と発信」の施策を位置づけ、「八尾のイメージアップやブランド化を図ることで、八尾に関わる人々の愛着と誇りを高め、転入・定住の促進、市域経済の活性化やまちの賑わいづくりなど、市域の持続的な発展につなげていく」ことを基本方針として、市内の様々な地域資源の掘り起こしや発信に取り組んでいるところです。ご指摘の八尾市全体ということにつきましては、この間、観光協会の設立・連携や、また、多くの市民や団体にご協力いただきながら、八尾市観光振興プランを策定し、「つなげよう八尾の資源」、「広めよう八尾探」、「整えよう、ぶらっとしたい環境」、「届けよう、ええやん八尾」の方針のもと、八尾のまちの楽しみの創出のために計画的に進めているところであります。さらに、この間の具体的な取り組みといたしましては、高安千塚古墳群の国史跡指定や、市民団体の活動成果である「どび流し」が2011年にユネスコ未来遺産登録、2014年に高安能が文化庁平成26年度地域発・文化芸術創造発信イニシアチブの採択を受けるなど、これまでご提言いただいている趣旨に沿った取り組みを進めてきたところであります。また、季刊誌、「Wao!Yao!八尾の入り口」、「るるぶ八尾柏原」、近鉄とのコラボレーションで「てくてくマップ」の発行など様々に取り組んできております。今後におきましても、総合計画に位置付けた施策がめざす暮らしの姿の実現に向け、計画的に取り組んでまいる所存であります。なお、ご提言いただいている日本遺産の登録については、今後、研究してまいりたいと考えております。
次に、空家等対策の推進に関する特別措置法を踏まえた、市としての実効性のある今後の取り組みについてでありますが、これまでも条例に基づき空き家等の所有者等に対して文書指導などを行い、一定の成果が出たものと考えておりますが、特別措置法に、所有者等の調査に加え、特定空家等に対する勧告、過料、行政代執行などの措置などについて明確に定められたこと、また併せて地方税法の改正により、特別措置法に基づく勧告を実施した場合、固定資産税等の住宅用地特例の対象から除外されるよう定められた事により、より実効性のある取り組みが可能になったと考えております。
次に、空き家バンク制度の実施についてでありますが、本市における空き家の利活用の目的と期待する効果を充分に調査・研究のうえ、空き家バンクを含め、先進自治体の取り組みを参考にしつつ、地域の特性やニーズに対応した、特別措置法に基づく「空家等対策計画」を今後策定してまいりたいと考えております。
次に、自転車における道路交通法改正にあわせた取り組みといたしましては、平成26年度から、スケアードストレート方式による交通安全教室や全戸回覧等により啓発に取り組んでおり、今後も継続して、啓発活動に取り組んでまいります。本市における平成26年中の交通事故のうち自転車関連事故の割合は36.2%であり、府内平均の31%を上回っており、自転車関連事故が多い現状であります。そのような中で自転車保険の加入促進については重要な課題であると認識しており、本市においては交通安全教育等を通じて啓発に取り組んでおります。今後は交通安全教育の機会や広報媒体等を活用した啓発や自転車販売店、自転車駐車場の指定管理者、教育機関等との連携により、さらなる加入促進に取り組んでまいりたいと考えております。
次に、新教育委員会制度についてでありますが、今回の法改正により、教育委員会を代表する教育委員長と事務局を統括する教育長を一本化した新たな職である新教育長を置くことで、教育行政の責任体制の明確化が図られるとともに、市長が、直接、新教育長の任命責任を負うことになり、その役割が明確になるものと認識しております。現在、本市におきましては、教育の継続性・安定性を確保する観点から、法に則り、新制度への移行期であると認識しております。
また、同じく今回の法改正におきまして、総合教育会議を市長が設置し、開催すること、及び総合教育会議の中で教育委員会と協議・調整を行い、教育の目標や施策の根本的な方針である教育大綱を市長が策定することが規定されました。本市においては、6月末に第1回総合教育会議を予定しており、その後も会議を重ねて、教育委員会と協議・調整を行い、平成 27年度中に教育大綱を策定する予定をしているところであります。
次に、いじめ防止のための対策を総合的かつ効果的に推進することについてでありますが、本市においては、「いじめ防止対策推進法」の施行を受けまして、平成26年度から、市長部局と教育委員会とが連携を密にしながら、「八尾市いじめ防止基本方針」の策定に取り組んできたところであります。この基本方針に基づきまして、本市は、法の趣旨も踏まえ、いじめを学校だけの問題としてとらえるのではなく、市長部局、教育委員会、学校、家庭、地域などが、それぞれの立場からその役割を十分果たし、一体となっていじめの問題を克服するため、市全体で「いじめは絶対に許さない」という強い姿勢で取り組んでまいりたいと考えております。
次に、「いじめ問題」に対する体制についてでありますが、「いじめ防止対策推進法」に規定されております連絡協議会等につきまして、本市は、「八尾市いじめ問題対策連絡協議会」、「八尾市いじめ調査委員会」、「八尾市いじめ再調査委員会」の設置を規定するため、この度、条例案を提出いたしたものであります。「いじめ問題」に対しましては、条例で規定します連絡協議会等に留まらず、庁内関係所属長で構成しております「八尾市いじめ防止対策検討会議」を活用するなど、市長部局と教育委員会とが連携し、引き続き、取り組んでまいりたいと考えております。次に、「いじめのないまち八尾」にするための具体的な取り組みについてでありますが、本市は、いじめを学校だけの問題として捉えるのではなく、いじめの問題は地域社会全体で取り組まなければならないと考えております。また、これまでの人権尊重の社会づくりに努めてきた本市の実績を踏まえ、地域社会全体が、地域の活動等を通じて、大人同士がつながり、子どもたちと関わることで、いじめを許さないまちづくりにつなげていくことが大切であると考えております。そのため、具体的な取り組みとしまして、「地域の子どもは地域で守り、地域で育てる」との意識を醸成していくことが必要であると考えており、地域住民による声かけ運動や校区パトロール等といった、地域で子どもを守るという取り組みの促進に努めてまいりたいと考えております。
次に、保育所待機児童の解消状況についてでありますが、これまでも保育所の創設や増築、分園の設置等、保育所入所枠の拡大に積極的に取り組み、平成19年の市長就任時と比較いたしますと、入所児童数につきましては、1,213名の増を図り、5,071名の児童に入所いただいている状況であります。しかしながら、保育支給認定を受け、保育を希望された全ての児童が入所できる状況には至っておらず、子ども・子育て支援事業計画に基づき早期解消をめざしてまいります。具体的には平成27年度予算において、認可外保育施設から認可保育所の創設と、既存保育園において新たに分園の設置と増築、また、私立幼稚園2施設の認定こども園への移行に伴う保育の受入枠を確保し、次年度には入所定員で200名の保育枠を拡大する予定であります。今後も引き続き、11月の保育所等の入所申込みに向け、さらなる入所枠の確保に努めてまいります。
次に、幼保一体化施設の全体計画の策定状況、整備作業についてでありますが、平成27年4月1日から施行された、子ども・子育て支援新制度における、市の実施主体としての役割を踏まえるとともに、公と民が連携した体制のもと、全ての子どもが健やかに成長していくこと、また、全ての家庭が喜びを感じながら安心して子育てができることをめざし、就学前施設における、子どもへの教育・保育と子育て家庭への支援の充実が重要であり、その実現のために、公立施設の再編による認定こども園の整備について検討し、行政素案として、とりまとめるまでに至ったものであります。その中で、認定こども園については、中学校区に公民いずれかの施設 1箇所以上の配置をめざし、公立施設としては、現状で平成31年度に5箇所を開園させていきたいと考えておりますが、引き続き、民間施設の動向や市民ニーズに見合った再編を実現できるよう、随時、状況を把握し、必要に応じて検討を加えていくべきと考えております。また、市民理解の状況についてでありますが、リーディング2施設の整備について、平成25年度に、当該施設の保護者や地域住民への説明や意見交換を行ってまいりました。リーディング施設については、一旦立ち止まりましたが、これまでにいただいたご意見を反映させるとともに、今後入園の対象となる世代の保護者への説明や意見交換も行い、できる限り市民理解を図ってきたところであります。このようにして、とりまとめた行政素案につきまして、広く市民の意見を求めるため、7月中旬から、市民意見提出制度を実施したいと考えているところであります。その後におきましても、全体計画を周知するために、市民説明会などを実施してまいりたいと考えております。
なお、教育関係につきましては、教育長から答弁をいたしますので、よろしくお願いいたします。
教育関係についてお答えいたします。
まず、市民の健康づくりを進めるにあたっての教育委員会の見解についてでありますが、子どもの健康づくりを進めるにあたっては、学校教育における健康教育はもとより、「早寝早起き朝ごはん」をはじめとする家庭での規則正しい生活習慣の確立が重要であると考えております。学校園では、保護者懇談をはじめ、保健だより等、さまざまな機会を通じて保護者の理解と協力をいただきながら、子どもの成長発達に不可欠な生活規律の確立や食育に対する意識の向上をめざし、取り組んでいるところであります。一方で、子どもを取り巻く環境の変化や大人の生活スタイルが子どもにも大きく影響を及ぼすことから、今後も市長部局との連携を図りながら、取り組みを進めてまいりたいと考えております。
次に、今般の地方教育行政の組織及び運営に関する法律の改正経緯についてでありますが、大津のいじめ事件が契機となり、教育委員会が合議体の執行機関であることによって生じる「権限と責任の所在が不明確」、「地域住民の意向の反映が不十分」、「迅速性・機動性の欠如」などの指摘を踏まえ、教育再生実行会議の第2次提言、その後の中央教育審議会の議論を経て、制度改正がなされたものと認識しております。
次に、改正法の概要及び趣旨についてでありますが、教育の政治的中立性、継続性・安定性を確保しつつ、「新教育長の設置」による教育行政における責任体制の明確化、「総合教育会議の設置や大綱の策定」による首長と教育委員会との連携の強化、地方に対する国の関与の見直し等制度の改革が行われたものであります。
次に、今般の教育委員会制度の実施に伴う認識についてでありますが、今後開催が予定されている総合教育会議においては、教育委員と市長が公開の場で、それぞれの権限と責任において活発に議論を交わすなかで、より連携して、教育施策を展開する仕組みができたものと認識しております。また、今年度、市長と協議するなかで策定する大綱については、今後の教育施策の方向性を共有し、未来の八尾の子どもたちの健やかな育ちにむけて、市民や保護者の思いを反映した取り組みに繋がるものであると考えております。
次に、「いじめのないまち八尾」にするための教育の取り組みについてでありますが、「いじめは、重大な人権侵害事象であり、絶対に許されない卑怯な行為」であり、「いじめは、しない、させない、許さない」の考え方を基本に「いじめは、未然防止、早期発見、早期対応」が重要であるとの認識のもと、市、教育委員会、学校、家庭、地域住民、その他あらゆる関係者との連携を進め、地域全体でいじめの問題を克服していくため、全力を挙げて取り組むことが必要であると考えております。まず、学校におきましては、「学校いじめ防止基本方針」に基づき取り組みを進めるとともに、必要に応じ、方針の見直しを図るなど、いじめの未然防止や早期発見の取り組みの充実を図っており、特に、定期的なアンケート調査の実施など、児童生徒の状況を継続的に把握する中、仲間とより良い関係を築き、協力し合うことのできる児童生徒の育成や、規範意識を高め、人権を尊重する児童生徒の育成に、さらに努めてまいります。
次に、家庭に対しましては、いじめを許さない心と態度を育てるために、家庭の温かな人間関係の中で、思いやりの心や善悪の判断、正義感等を育んでいただけるよう、保護者との連携を図り、啓発と支援の充実を図ってまいります。また、地域に対しましては、「地域の子どもは地域で守り、地域で育てる」ことを基本に、子どもたちとの「顔」の見える関係の構築に努め、子どもたちの気になる行動を見かけたときは、その場で声をかける等、いじめを見過ごさないという姿勢を示していけるよう、家庭や地域と連携した地域協働の活動の充実を図ってまいりたいと考えております。「いじめのないまち八尾」をめざし、市、教育委員会、学校、家庭、地域が、それぞれの役割を果たし、これまで以上に連携した取り組みの充実を図ってまいりたいと考えております。
次に、学校園の教室へのエアコン設置についてでありますが、児童・生徒等の健康保持や学習環境の向上を図るため、小中学校の普通教室へのエアコン設置は、耐震化終了後の重要課題の一つとして認識しており、設置に向けた検討を進めておりますが、多額の事業費が必要なことから、エアコン設置に向けた財源の確保は大きな課題となっており、国の補助金を最大限に活用できるよう、関係機関と協議を行っております。以上のことから、今後のエアコン設置の時期につきましては、本市の財政状況や国の補助金の状況を見極めながら計画的に事業推進してまいりたいと考えております。
次に、学校トイレの洋式化についてでありますが、学校施設においてトイレの老朽化が課題であることから、現在、洋式化に向けた改修を進めており、今後につきましても引き続き、国の補助金を最大限に活用しながら、進めてまいりたいと考えております。
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