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t大阪市会平成28年度決算特別委員会(公営・準公営事業会計)」【第4日目】にて質疑④

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2017年 10月 8日



【港湾施設提供事業の経営計画について】

Q4-1(上屋・荷さばき地の状況について)

港湾施設提供事業の経営計画についてお聞きする。
先日の委員会も、この件に関する質疑があった。私は、それに関連して「老朽化する上屋の更新投資」についての考え方を中心に質疑したい。
施設提供事業が所管している上屋については、平成28年度の監査の中で、老朽化する上屋への対策が求められている。

また、昨年9月の「港湾施設提供事業経営計画策定に向けた基本方針について」の中でも上屋の老朽化や施設の稼働率などが課題としてあげられている。
低稼働の施設や老朽化した上屋を今後どうしていくのかということについては港湾局としてもきちんと考えていくべき重要な課題だと思う。
そこで、初めに現在の上屋、荷さばき地の状況についてお聞きする。現在の上屋、荷さばき地の稼働率や上屋の建設年数についてはどのような状況か。

A4-1(港湾局防災・施設担当部海務課長)

本市が港湾施設提供事業で所管している上屋は雑貨上屋や青果物上屋など全部で81棟あり、平成28年度の上屋の稼働率については平均80.5%である。また、荷さばき地については平均63.7%で上屋、荷さばき地を合わせた上屋倉庫の施設全体では平均67.0%となっている。

上屋の整備年次については、全体数81棟に対して、耐用年数31年を経過しているものが69棟で、うち整備後60年以上を経過しているものが4棟となっている。

Q4-2(上屋の地震対策について)

まだまだ稼働率を上げていく方策を考えていく必要があるのではないかと思う。
一方、上屋の稼働率は平均80.5%ということであるが、上屋の建設年数をみると、およそ8割の上屋が耐用年数である31年を超えているということなので、かなり老朽化が進んでいると思われる。
現在、大阪市をはじめ関西地方には、内陸活断層による上町断層帯地震や海溝型の南海トラフ地震など、近い将来、市域に大きな影響を及ぼすと考えられる地震の発生が具体的なリスクとして想定されている。
そこで気になるのは、地震などにより古い上屋が崩壊し、利用者などの生命や財産に危害を及ぼすことが起こりうるのではないかということである。
上屋では地震などへの対策がされているのかお聞きする。

A4-2(港湾局防災・施設担当部海務課長)

平成20年3月に策定された「市設建築物改修計画」の整備プログラムでは、災害対策上重要な建築物などについて、平成20年度から平成27年度までの8カ年で耐震改修を実施することとなっているが、これに基づき上屋の耐震改修工事については、平成27年度で対象施設の工事を完了している。

Q4-3(上屋の更新投資について)

上屋の耐震工事については、対策済であるとのことである。

しかし、それとは関係なく、いつか建て替えが必要になってくる。
港湾施設提供事業の長期収支見込みを拝見させていただいたが、内部留保資金が平成28年度末で23億円あると聞いている。しかし、この留保資金は、経営の安定化や波動性の対策のために必要なもので、これを利用することで充分な更新投資ができるというものではない。
やはり更新投資をするのであれば、それなりのしっかりした考え方が必要だ。

そこで更新投資に関してどのように考えているのかお聞きしたい。

A4-3(港湾局防災・施設担当部海務課長)

上屋についてはその多くが昭和の年代に整備されたもので、老朽化も激しいことから、今後、建物の躯体そのものや受電設備など設備の更新時期を迎えた場合、大規模改修等が必要となってくる。

また、上屋の利用者からは建設年度が古い施設では現在の物流形態に対応していない、施設の機能が陳腐化しているなどといった指摘も受けている。

上屋の更新にあたっては、企業債を財源とするため、イニシャルコストとランニングコストを使用料収益で賄わなければならないことから、更新投資に着手する際には、将来にわたっての需要を見極めることや現実的な稼働率を踏まえ、収支採算がとれることが重要であると考えている。

Q4-4(更新投資の考え方の経営計画への反映について)

上屋の更新投資については、施設の需要を十分に検証し、個々の収支がしっかりと均衡するかを見極めて行う必要がある。
確実に個々の施設の収支を確保していかないと、事業全体が放漫な経営になりかねない。
また、将来の物流動向やユーザー視点を踏まえたうえで、施設提供事業を今後どのように経営していこうとするのか、不採算の施設を処分し規模を縮小していくのか、あるいは事業の規模を拡大していこうとするのか、そうした考え方も含め、現在策定中の経営計画にどのように取り入れていくのか、港湾局の方向性と意気込みを伺う。

A4-4(港湾局 高橋理事)

今年度策定予定の「経営計画」の方向性であるが、事業における全体的な課題とともに、収益性の低い地区や施設といった個別課題を抽出して、具体の経営改善策を折り込み、施設の規模の見直しなども検討していく考えである。

一方で、現状では稼働率が低い施設であっても市民生活と企業活動を支える施設や、取扱貨物量の増大が見込まれる施設については、経営改善等を講じながら維持していく必要がある。

上屋の更新投資に関しては、個々の収支が合い償うことの前提が不可欠であり、不採算施設を発生させない取り組みも重要である。

そのような考え方のもと「経営計画」を策定し、具体の経営改善策を着実に実施するとともに進捗状況の確認、適宜修正も行い、利用者にとって利便性の高いものとし、ひいては大阪経済の活性化と市民生活の安定により一層貢献する港湾施設提供事業としていく所存である。

Q4-5(記念行事を振り返っての将来の展望)

ユーザーへのサービス向上や市民生活の安定のために、今後も港湾施設提供事業の経営の効率化、大阪港の競争力強化に努めてほしい。
今年は大阪港開港150年ということで、夏から秋にかけて、私の地元の港区をはじめ、臨海部の各地で様々なイベントが繰り広げられている。この10月には「日本丸」「海王丸」「みらいへ」などの帆船が天保山に集まり、天保山まつりと合わせて盛大に開催されると聞いている。
一方で、昨年の一般決算特別委員会でも指摘したが、こうしたイベントは一過性のもので終わらせるのではなく、将来の大阪港の発展につながる起爆剤にならなければならないと考えている。
そういう観点から現在、実施されている記念行事を振り返り、将来の港の発展にどう活かしていくのか、局長の思いと展望を聞かせて頂きたい。

A4-5(藪内港湾局長)

大阪港は、慶応4年(1868年)に諸外国に対し開港してから、今年で150年という記念すべき年を迎えることができた。

7月15日の開港記念日を中心に、開港記念式典やアジア国際港湾会議を開催し、関係者の皆さまともども盛大にお祝いした。

その後も、大阪湾クルーズや大阪港見学会により、子どもからお年寄りまで多くの方々に大阪港を見ていただく機会を数多く作るとともに、大阪港の歴史をより深く知ってもらったり、ベイエリアで楽しんでいただけるよう、様々なイベントやシンポジウムを開催してきた。

これら記念事業にあたっては、港湾局全体としてバックアップ体制をつくりながら、今までなかなかできなかったような港の活性化につながる新たな事業にも取り組んできた。

委員からも提案していただいた、街と港をつなぐ舟運事業についても、150年記念事業として関係者と協力し、イベントとして試行しながら、その課題や事業性についても検討していきたいと考えている。

将来は、夢洲や築港と中之島、大阪城などの主要な観光スポットが船で結ばれ、ベイエリアの活性化につながれば素晴らしいと思う。

この10月には「帆船EXPO」や「Sports Fans Festival in Maishima」を開催するなど、年度末に向けて様々な記念事業に取り組む。これら記念事業を通じて、大阪港について市民の理解を得ながら、多くの関係者との連携強化を図ることが、将来の大阪港の発展に寄与すると考えている。

要望4

只今局長から、現時点で記念事業を通じての大阪港発展に向けた多角的な取り組みについて答弁頂いた。

特に戦後は、市民に開かれた大阪の海の玄関口として発展するなど、大阪の産業や経済になくてはならない港である。

こうした大阪港の役割を鑑みて、今後も大阪市港湾局が、局長を先頭にその使命を全うして頂きたいとの思いを込めて質問を終わる。

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