t生きづらさ抱えた若い女性に寄り添う

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2020年5月27日


生きづらさ抱えた若い女性に寄り添う
「BONDプロジェクト」代表 橘ジュンさんに聞く 2020/05/26 6面 公明新聞

 学校や家で生きづらさを感じ、悩みを一人で抱え込んでしまう若い女性が、行き場を失っています。心に傷を負った女性たちを支援するNPO法人「BONDプロジェクト」の橘ジュン代表に、実態や対策などを語ってもらいました。

■弁護士と連携しながら同行支援
 私たちは10代、20代の生きづらさを抱えている若い女性たちを支援するため、2009年に「BONDプロジェクト」を立ち上げ、東京・渋谷を拠点に活動しています。
 活動内容は「聴く・伝える・つなげる」こと。全国から相談を受け、LINEやメール、電話、面談などを通し、必要に応じて弁護士と連携しながら同行支援や一時的な保護、自立準備のための中長期保護などを行い、「動く相談窓口」としての役割を担っています。

 06年より『VOICESマガジン』というフリーペーパーを発行し、若い女性たちのリアルな声を伝えています。夜の街には、深刻な問題を抱えている若い女性たちとの出会いがあります。家出している、お金がない、お腹が空いている、泊まるところがない、頼れる大人がいないなど、途方に暮れる女性たちです。

 街だけではなく、SNS(会員制交流サイト)上にも若い女性たちのSOSがあふれています。「#泊めて」「#家出」など、今夜、過ごせる場所を探してさまよっています。このような書き込みに「話を聞くよ」と、即反応する大人たちがいます。「泊めてあげるよ」などと返信して実際に会い、自宅へと誘い込む誘拐事件も後を絶ちません。

 そのため「BONDプロジェクト」では、若い女性たちが犯罪に巻き込まれず、性被害や性搾取などの被害に遭わないためにSOSを見つけて、相談機関へとつなげられるよう声掛けをしています。

■顔の見える関係が重要
 新型コロナウイルス感染拡大の影響により、私たちは現在、ネット上でのパトロールを強化しています。ですが、SNSや電話による相談では、相談者との信頼関係を築いていく難しさを痛感しました。同時に、顔の見える直接支援の重要性を改めて感じています。
 困難な問題を抱えている若い女性の中には、行政のシェルターなどへの入所をためらうケースが多くあります。制限・規則が実態に合っていない、学校に通えない、携帯が使えないなど、理由はさまざまです。

 さらに、相談窓口に連れて行っても、相談員が居所のない若い女性の対応経験がないなどの理由から支援を断られることがあります。特に親族間からのDV被害で18歳以上の女性の場合、婚姻関係者からのDV、交際者からのDV被害の相談しか受け付けていない窓口もあります。児童福祉法や配偶者暴力防止法、生活困窮者自立支援法など、制度はありますが、そこから漏れてしまうような問題を抱える若い女性への支援は厳しいのが現状です。

■公明は親身になって対応
そんな中、公明党は親身になって取り組んでくれます。新型コロナで最初に声を掛けてくれたのは山本香苗参院議員でした。また、松葉多美子、栗林のり子の両都議も現状を聞いてくれました。

 3月上旬、山本さんに、新型コロナによる休業要請でネットカフェに寝泊まりする人たちが居場所を失う恐れがあると伝えたところ、国や東京都に一時住宅の確保などに関する要望をしてくれました。その結果、都では家出をしている未成年者や女性たちにも、一時的な宿泊施設が無料で提供されることになりました。

 生きづらさを抱えている若い女性に、私は「街で声を掛けてきた人やSNSでつながっただけの人とは過ごさないで。会わないで。身の危険を感じているなら、居場所について一緒に考えたいよ。SOSを出してね。よかったら声を伝えてね、聞かせてね」と伝えたいです。今後は、リモート機能を整えるとともに、困難な問題を抱える若い女性支援のネットワーク強化を図りたいと思います。

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