t「大阪市会建設港湾委員会」にて質疑②

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2021年12月4日



【淀川左岸線(2期)事業について】

Q2-1(土壌汚染に関する経過)

本日までに、本件に係る過去の当委員会や特別委員会での議事録について参照させて頂いた。

高山委員から、今回の契約変更案件について、変更要因の一つである土壌汚染への対応に関する質疑があったところである。

私からは、汚染土の調査ならびに処分に関するこれまでの取り組みと今後の方針について、コスト縮減の観点から掘り下げて確認していきたい。

まず、事業全体として、土壌汚染に関して、いつ、どの様な調査を実施したのか、また、どの程度の汚染土量と金額を見込んでいたのか、これまでの経過について確認したい。

A2-1(建設局淀川左岸線2期建設事務所設計課長)
土壌汚染に関する経過としては、はじめに文献調査等の結果から、トンネルを築造する全線3.9kmの内、1.3kmにおいて汚染の可能性があることが想定された。
そこで、この1.3km区間について、実際に土壌汚染が存在するかを把握するため、900mメッシュでの現地調査を平成27・28年度に行ったところ、実際に自然由来の汚染が存在することが判明し、汚染土の量として最大で約20万m3が見込まれたことから、運搬・処分などの経費として67億円を事業費に計上していた。

また、平成28・29年度には、残りの区間においても、実際の汚染の有無を確認するため、900mメッシュでの現地調査を行った。
その結果、先の調査と同様に自然由来の汚染が確認され、全線3.9kmで汚染土の量として最大で約72万m3が見込まれたことから、既に計上済みの20万m3を除いた52万m3に相当する運搬・処分などの経費として、事業費を184億円増額させていただいた。

Q2-2(今回の契約変更における汚染土数量および今後の取り組みについて)
事業全体で最大72万m3の汚染土を見込んでいるとのことであるが、その内、今回の契約変更で汚染土の処分費を追加した、トンネル整備工事-1ならびにトンネル整備工事-2について伺いたい。
この2件の工事では、これまでにどのような調査を実施して、どのような結果が得られ、契約変更するに至ったのか。
また、契約変更後はどのように取り組んでいくのか伺う。

A2-2(建設局淀川左岸線2期建設事務所建設課長)
昨年度の段階では、事業全体として汚染の有無を把握するために行った900mメッシュでの調査から最大72万m3の汚染土を想定していたが、工事単位で契約変更を行うためには、もう少し細かく調査を行う必要がありました。
そのため、トンネル整備工事-1ならびにトンネル整備工事-2の2件の工事について、各工事における汚染土量の概数を把握するために、今年度、30mメッシュでの現地調査を実施した。
概数調査の結果、トンネル整備工事-1ならびにトンネル整備工事-2での、汚染土は約15万m3と見込まれたことから、今回は、この結果に基づく契約変更を行うもの。
今後は、工事進捗にあわせ、土壌が汚染されている範囲とそうでない範囲を明確にして、汚染されていない土を普通土として処分できるよう、現地での工事を行う中において、10mメッシュで、土壌汚染範囲の認定を行う詳細な調査を実施してまいる。

Q2-3(大規模公共事業に係る正確な積算について)

汚染土の処分費は普通土に比べて高いと聞いており、詳細に調査を実施して汚染土と普通土をしっかりと分別することが、処分費の抑制につながるものと考える。

今後は、他の工事区間も含めて、より詳細な10mメッシュでの調査を実施し、しっかりとコスト縮減に努めてもらいたい。

一方で、このような大規模事業を実施することは、市民の方々に多大な影響を及ぼすものであるので、事業に起こり得るリスクもあらかじめ把握し、市民の理解を得ながら進めていくことが重要であると考える。

多くの大規模公共事業を所管する建設局長の見解を伺う。

A2-3(渡瀬建設局長)

建設局は、道路、公園、下水道などのインフラ施設の建設、維持管理を所管しており、様々な大規模事業を実施している。

委員ご指摘の通り、大規模事業には多くの事業費と長期間の工期を要することから、事業全体を適切に管理していくことが重要であると認識している。

昨年度の左岸線2期事業における事業費の増嵩を教訓に、建設局では各事業に潜在するリスクやリスクが事業に与える影響の把握について、組織的に取り組むための新たな体制を今年度構築し、事業ごとのリスクを一元的に管理しているところ。

まずは、事業ごとに、工事費及び事業工期に影響するようなリスクを洗い出し、リスクが事業に与える影響について把握しているところであるが、リスクによっては、例えば、発生する確率が高く事業費の増加リスクを具体に見込むべきものや、リスクが発生する確率がかなり低く、事業費の増加リスクとして見込むとリスク管理が過大となってしまうものがある。

大規模事業は市民の方々に多大な影響を及ぼすものであり、事業を所管する建設局としては、引き続き所管事業のリスクを把握した上で、市民や議会の皆様に丁寧な説明を行い、理解を得るよう、取り組んでまいる。



12月4日

西 のりひと

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