t「大阪市会教育こども委員会」にて質疑②
2023年6月2日
【陳情第49号「大阪市留守家庭児童対策事業の拡充を求める陳情書」について】
Q1(放課後児童クラブ育成支援体制強化事業の制度内容について)
陳情第49号「大阪市留守家庭児童対策事業の拡充を求める陳情書」について質疑する。
今回の陳情書は、国が予算化している「放課後児童クラブ育成支援体制強化事業」を活用して、放課後児童クラブで働く支援員の業務負担の改善を求めるものである。
この「放課後児童クラブ育成支援体制強化事業」は、放課後児童クラブに対して、運営事務等を行う職員の人件費等を補助することを目的に、国が予算化しているようだが、この事業を活用した補助について、まず制度の内容を確認したい。
A1(こども青少年局企画部放課後事業担当課長)
本市の放課後児童施策については、大阪市内の全ての小学生を対象に実施する児童いきいき放課後事業を中心に進めており、「留守家庭児童対策事業」はその補完的役割として、放課後児童クラブに対して、事業運営に要する経費の一部を補助している。
陳情書にある「放課後児童クラブ育成支援体制強化事業」は、専ら運営事務等に従事する職員を雇用した場合に、その人件費等について、運営費とは別に年額1,444,000円を上限に補助するものである。
放課後児童クラブにおける運営事務等を担う職員の人件費については、「大阪市留守家庭対策事業」の運営費補助金の対象経費として既に含まれていることから、現在はこの運営費補助において対応がされている。
本市として、留守家庭児童の放課後の安全・安心な居場所の確保は重要であることから、放課後児童クラブに対しては、これまでも運営費補助の増額を行ったほか、令和4年からは、障がいのある児童及び医療的ケアが必要な児童の受け入れ体制の強化に係る補助や、支援員等の処遇改善にかかる臨時特例事業などを実施し、その支援に努めているところである。
Q2(放課後児童クラブ育成支援体制強化事業の考え方について)
本市では、留守家庭児童に限らない全児童対策として重要な役割を担う児童いきいき放課後事業があり、放課後児童クラブが、その補完的役割であることは、十分承知をしている。
しかしながら、放課後児童クラブを利用する児童も3,300人ほどいると聞いており、この補助によって事務員を追加配置できれば、これまで支援員が行ってきた事務的な業務が軽減され、その結果として、少なからず従事内容に時間的余裕ができることで、利用児童に対する支援や見守りにかかる時間がより多く確保できるようになるのなら、補助する意義があると考える。
これまでも市として障がい児の受け入れのための補助を行うなど、支援している内容もあるようだが、この陳情にある支援体制強化事業については市としてどのように考えているのか。
A2(こども青少年局企画部放課後事業担当課長)
委員ご指摘のとおり、支援員の業務負担が軽減され、児童に対する支援や見守りにかかる時間が多く確保されることは、本市としても、安全・安心に事業を行う上で大切なことであるという観点から、先ほど申し上げた通り、昨年度から障がいのある児童等の受け入れに必要な職員の追加配置にかかる補助を拡充してきたところである。
陳情の「放課後児童クラブ育成支援体制強化事業」は、令和3年度に新設された制度であるが、それ以前は運営費補助による対応がされており、実施にあたっては国の補助を得ても本市の新たな負担が発生する課題があることや、放課後児童クラブは民設民営であり、その運営方法や業務運営体制については個々の事業者ごとに様々であることから、当該事業の実施による具体的な業務改善の効果については十分な研究が必要と考えている。
ついては、現行の運営費補助とは別に、運営事務等を担う職員の追加配置に対する補助を行うことが、留守家庭児童の育成支援に十分資するものであるかについて、昨今の社会情勢の変化等もふまえつつ、今後の国の取り組み等も注視しながら、本市放課後児童施策全体の中で見極める必要があると考えている。
(意見)
現在の放課後児童クラブの運営体制等から、補助の実施による効果について十分な検討が必要との局の考えを聞いたが、補完的役割とはいえ、放課後児童クラブを利用できることで助かっている保護者も多くいることから、放課後事業における児童の健全育成、安全・安心な居場所の確保に繋がるよう、今後も支援策について検討をしていただきたい。
6月2日
西 のりひと
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