t「大阪市会教育こども委員会」にて質疑②

[画像]メインイメージ

この4月より弁天町にあった教育センターが、総合教育センターとして天王寺区へ新設移転している。

2月の予算市会において、もと教育センターの跡地活用について、質疑をしてきたところであるが、その時点では活用方針は決定していないとのことであった。

もと教育センターの跡地活用は、弁天町周辺エリアにおけるまちの活性化に大いに影響を及ぼすものであることから、まずは幅広く可能性を探ったうえで、最適な活用に向けて、市場動向を踏まえ、市民ニーズを把握しながら、しっかりとしたスケジュール感をもって、着実に検討を進めていただくよう要望してきたところである。

いたずらに時間をかけて放置される状況が続けば、弁天町駅周辺エリア全体の構想の足を引っぱりかねないと懸念するところもあるので、まずは、この間の検討状況について教育委員会事務局にお聞きする。


A2-1(教育委員会事務局 総合教育センター管理担当課長)

委員ご指摘のとおり、もと大阪市教育センター跡地は、これから開発が期待される湾岸エリアの玄関口に位置する弁天町駅前という非常にポテンシャルの高い場所に立地しており、その活用は、弁天町周辺エリアの活性化に大いに影響を及ぼすものでありますことから、「弁天町駅周辺まちづくりビジョン」を踏まえて、検討を進める必要があり、区と連携して進めているところ。
そのため、跡地活用については、建物を解体するか、改修して建物を使い続けるかの可能性を探るため、民間事業者等の活用ニーズを幅広く把握し、地域のにぎわいや活力を高める活用の可能性も含めて、ビジョン策定の検討の一環として港区役所によりニーズ調査を実施した。
また、本市内部での活用については、全庁的に調査を行ったところ、全棟を利用する活用に関しては需要がなく、短期的な利用や一部フロアーの活用に関して将来的な活用に向けて検討するといったレベルでの回答であり、直ちに活用したいとする部署は無かった。


Q2-2(ニーズ調査の結果について)

本年2月の当委員会において、不用なものとして単純に売却するのではなく、区が中心となってまちづくりに資する形での活用を検討し、貸付けなども含めた最適な活用につなげることが重要であるとして、幅広く可能性を探ったうえで、最適な活用に向けて検討を進めていく必要があるとの指摘もさせていただいたところである。
先ほど、民間事業者の視点からみた活用ニーズの把握をするため港区においてニーズ調査を実施したとの答弁であったが、その結果について、港区にお聞きする。


A2-2(港区役所 エリア開発推進担当課長)

弁天町駅周辺は、夢洲に直結する大阪メトロ中央線とJR大阪環状線の結節点として非常に高いポテンシャルを有しており、ポテンシャルを活かした「大阪のニシの玄関口」にふさわしいまちづくりを推進していくことを目的として、当区では、昨年度、弁天町駅周辺まちづくりビジョンの策定に取り組んできた。
このビジョン策定の検討の一環として、教育機関、商業、業務など203事業者を対 象にもと教育センター跡地の活用ニーズ調査を行った結果、51件の回答があった。
そのうち、現建物を解体し土地を取得して活用することに関心を示した事業者は13者、定期借地で活用することに関心を示した事業者は16者いた。
また、現建物をそのまま借り受けて活用することに関心を示す事業者は3者確認できた。
なお、解体して開発することに関心を示した事業者が導入したい機能としては、住宅がもっとも多く、解体せず活用することに関心を示した事業者が導入したい機能は、学校等の教育関係施設であった。


Q2-3(現状勇姿での活用について)

ニーズ調査の結果では、学校等の教育関係施設としての使用を想定して貸付を希望する事業者もあったとのことである。

これまで教育センターとして、大阪市の教育行政の推進に貢献してきた建物が、引き続き教育関係施設として活用されることは、もと教育センター跡の有効活用として最適なものではないかと考える。

ところで、この建物は建築から相当年数が経過していると思うが、機能的に利用することは可能であるのかお聞きする。


A2-3(教育委員会事務局 総合教育センター管理担当課長)

当施設は、建築から40年が経過しており、設備等の機能面での老朽化による内部配管の改修等外観からは判断しがたい改修や、外壁改修や防火ダンパー改修などが必要となっており、引き続き建物を利用するためには、改修に相当の費用が必要と見込まれる。
ただし、建物の耐用年数としては25年程度はあり、耐震も備えているので、(使用用途によるが)改修を行えば、建物としては現状有姿で利用可能となっている。


Q2-4(現状勇姿での貸付けの可能性について)
改修には相当の経費が必要と見込まれるということだが、建物としては十分利用可能とのこと。
建物としての耐用年数が残っているということであれば、まだ使える建物を解体撤去することは望ましいことではないと考える。
大阪市では、不用な未利用地は、原則売却が方針であることは承知しているが、本市財産の有効活用にも繋がることから、建物を貸付けることも十分に選択肢の一つになるものと考える。
もと教育センター跡について、売却ではなく建物の貸付による活用は可能であるのか、本市の管財事務を所掌する契約管財局の見解を伺う。


A2-4(契約管財局 財産活用担当課長)

行政目的の無くなったもと施設の利活用については、これまでも計画的に売却を進める一方で、例えば、施設が担っている地域防災拠点機能を継続する必要がある場合や、施設の歴史的・文化的な財産価値を保全する必要がある場合などにおいて、定期借家による貸付の手法を採用するなど、常に最適な利活用となるよう取り組んできたところである。
もと教育センター跡の活用にあたっては、この4月に港区において「弁天町駅周辺まちづくりビジョン」が策定されていることから、このビジョンに沿ったまちづくりに繋がるように、売却に限らず貸付も含めて最適な手法の採用を検討していく必要があると認識している。


Q2-5(教育関係機関による活用とまちづくりビジョンとの整合性について)

弁天町駅周辺まちづくりビジョンに沿った形で貸付も含めて最適な手法を今後検討するとのことである。
ところで、もと教育センターについては、本市の教職員向け研修施設として供用されていた施設であり、建物内の構成としては、教室や講堂など学校施設と同等のものとなっていることから、やはり学校などの教育関係による利用との親和性が高く合理的であるとも思う。
現建物を活用する貸付となった場合、公募により幅広く活用事業者を募集することになるものと承知しているが、仮に教育関係機関が現建物を活用することとなった場合でも、まちづくりビジョンと整合がとれるのか港区の見解を伺う。


A5(港区役所 エリア開発推進担当課長)

弁天町駅周辺まちづくりビジョンでは、駅周辺のまちづくりコンセプトとして、「場」「環境」「人」の重なりによる大阪のニシの玄関口にふさわしい拠点形成をめざすこととしており、めざすまちの姿として、地域への波及効果にもつながるにぎわいで来街者にも地域にもひらかれたまちや、文化・産業を発展させる人の掘り起こし、育成するまちなどを掲げている。
また、駅周辺の土地利用の方向性として、国際観光拠点の形成をめざすベイエリアとの連携強化や地域交流拠点の形成強化などを掲げ、教育センター跡地については、両方の機能を果たすことを期待している。
これらを踏まえ、もと教育センター跡の活用内容として、区外からも多くの人の流入が見込まれる教育関係施設の立地は、隣接する大型複合施設である大阪ベイタワーとも連携して、地域活性化への貢献も期待できることから、まちづくりビジョンの考え方にも合致すると認識しており、売却に限らず貸付も含めて最適な手法の採用について、関係部局と連携して検討してまいる。


意見

もと教育センター跡の活用は、弁天町駅周辺エリアにおけるまちの活性化に大いに影響を及ぼすものであり、大阪のニシの玄関口にふさわしい高質な駅前空間の形成に加えて、地域のまちづくりへの良好な波及効果やバリアフリー化の促進、防災・減災対策などの社会貢献にも期待するところである。
一方で、繰り返しになるが、いたずらに検討期間などが長期化し、現状のような締め切った状況で放置されているようなことが続けば、弁天町駅周辺エリア全体のポテンシャルやイメージの低下に繋がりかねないと強く懸念する。
現時点では、先ほどの調査結果からみても売却と貸付双方の可能性があることは認識しているが、教育センター跡の活用にふさわしい教育関係施設が立地する可能性も確認できたとのことであり、売却に限らず貸付も含めて最適な手法の採用について、機を逃すことなく速やかに検討を進めていただくよう要望する。



5月29日
西 のりひと

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ