e実感持てる景気回復へ
- 2013.07.01
- エンターテイメント/メディア
公明新聞:2013年7月1日(月)付
企業収益を賃金に反映
原発再稼働 規制基準、住民理解で判断
テレビ番組で石井政調会長
公明党の石井啓一政務調査会長は30日午前、フジテレビ系の番組「新報道2001」とNHK番組「日曜討論」に与野党の代表者と共に出演し、経済政策や原発政策、憲法問題などについて見解を述べた。
【参院選の争点】石井政調会長は「この半年間の自公連立政権の経済政策の是非が問われる」と述べ、「(経済政策を)これからもしっかりと進めて経済成長を本格的に軌道に乗せていきたい」と訴えた。
さらに、与党で参院の過半数を獲得して国会の"ねじれ"状態を解消し、政治の安定を取り戻せるかどうかも争点と主張。先の通常国会の最終盤で野党が提出した安倍晋三首相の問責決議案の影響を受けて、電気事業法改正案など国民生活に重要な4法案が廃案になったことを挙げ、「"ねじれ"があるから、こういう事態になっている。与党で安定した政治勢力を持たないといけない」と述べた。
【経済政策】「さまざまな経済データを見ても安倍政権になってから、GDP(国内総生産)成長率や輸出、個人消費など確実に日本経済は回復している」。石井政調会長はこう強調し、景気回復をなるべく早く地方や中小企業に波及させ、国民一人一人が実感を持てるようにすることが重要だと述べた。
また、デフレ下の10年間で、民間の平均給与が約10%減少していることに言及。生産性向上による企業の収益を確実に賃金上昇に反映させるため、政労使による「賃金引き上げに関するルール」づくりの協議を提案していることを訴えた。
【原発政策】石井政調会長は、公明党が徐々に原発依存度を引き下げていって将来的に原発ゼロをめざす立場であるとした上で、原発の新規着工を認めず、40年運転制限を厳格に適用すると述べた。当面の原発再稼働については「原子力規制委員会の新しい規制基準に合致することを大前提に、国民、住民の理解が得られれば、それで判断する」とした。
原発の輸出については、将来的に原発ゼロをめざす立場から「日本から積極的に輸出することについては違和感がある」との考えを示した上で、外国が日本の原発技術が安全だとして導入を希望するのであれば、輸出を否定するものではないと述べた。
TPP 皆保険、食品の安全守る
【環太平洋連携協定(TPP)、日中関係、憲法問題】TPPについて石井政調会長は、コメ、麦、牛肉・豚肉、乳製品、甘味資源作物の重要5品目を関税撤廃から除外することや、国民皆保険制度、食品の安全基準を守っていく考えを強調。政府が7月下旬にも正式に交渉参加することから、交渉に当たって、政府は積極的に情報開示を行い、国民的な議論をして国民のコンセンサス(合意)を得ることが必要だと力説した。
日中関係については「日中間の外交関係の悪化はお互いにマイナスだ」として、尖閣諸島をめぐる外交問題が両国関係に悪影響を及ぼさないような知恵が求められていると主張した。
一方、憲法については現行の「基本的人権の尊重」「国民主権」「恒久平和主義」の3原則を堅持しつつ、新たに必要とされる理念、条文を現行憲法に加える「加憲」という立場が「憲法改正の最も現実的で妥当なやり方だ」と主張。憲法96条の改正手続き規定については「具体的な改正の内容と一緒に議論していくのがふさわしい」とし、「憲法は最高法規。通常の法律の制定や改正よりも厳しい条件は維持すべきだ」との考えを示した。