e当面する重要政治課題

  • 2013.07.02
  • 情勢/解説

公明新聞:2013年7月2日(火)付

公明党の考え
領土問題
佐藤茂樹 党外交安保調査会長

毅然とした態度を貫く
国際世論の形成強化が重要


―近隣諸国との領土問題に関する基本的な考え方は。

佐藤茂樹・党外交安保調査会長 公明党は、領土と主権をめぐっては毅然とした対応を貫くべきと考えます。

具体的な対応策として、日本の立場が正当であることを主張するため、国際社会の世論を形成する効果的な情報発信の強化が必要です。各国での講演会開催、オピニオンリーダーへの働き掛け、広報誌や映像資料の製作、メディアやIT(情報技術)の活用などにしっかり取り組んでいきます。

しかし、不安定要因を抱える北東アジア地域の安定と平和に果たすべき日本の役割が、これまで以上に重要となっており、領土問題に対して感情的になり、各国との関係に悪影響を及ぼすことは避けねばなりません。冷静な対話を通じた戦略的外交を進め、平和的な解決をめざします。

―尖閣諸島をめぐる対応は。

佐藤 尖閣諸島は、日本が今日まで有効に支配を続けています。日中間に領土問題は存在しません。従って、領海・領空侵犯をさせないよう、同海域保全のための海上保安庁の人員増や、装備の強化・充実などを進め、尖閣諸島に対する有効な支配を強化します。

―竹島は韓国が実効支配しています。

戦略的外交進め、平和的な解決めざす

佐藤 竹島は、歴史的にも国際法上も日本固有の領土であり、この事をあらゆる手段を講じて強く国際世論に訴えていきます。ただ、日韓関係は非常に大切です。個別の問題で両国間に隔たりがあったとしても、未来志向で粘り強く冷静な外交努力を行い、国際法にのっとって、平和的解決をめざします。

―北方領土については、4月に日露首脳会談が行われるなど、動きがありました。

佐藤 1993年、当時の細川護煕首相とエリツィン大統領が会談し、両国間の関係を完全に正常化するために、北方四島の帰属に関する問題を歴史的・法的事実に基づいて解決し、平和条約を早期に締結するための交渉継続を約束しました(東京宣言)。ここ数年の日露交渉は停滞していましたが、4月の首脳会談で、交渉の再開が合意されました。これまでの方針を維持し、合意に向けて交渉を加速化します。

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