e景気に自律回復の動き
- 2013.07.25
- 情勢/経済
公明新聞:2013年7月25日(木)付
自公政権の経済政策でデフレ反転の兆しも
月例報告などで政府が分析
日本経済に自律回復の動き―。政府が23日に発表した各種報告で、その傾向が明らかになった。
地方、中小企業への波及急ぐ
現状
7月の月例経済報告は、景気の基調判断を「着実に持ち直しており、自律的回復に向けた動きもみられる」として、3カ月連続で判断を引き上げた。「回復」の表現を盛り込んだのは2012年9月以来10カ月ぶり。
基調判断が上方修正されたのは、生産や個人消費の伸びに加え、伸び悩んでいた設備投資が上向いてきたことが大きい。設備投資は、国内総生産(GDP)の10%超を占める重要な指標。ここにきて、オフィスビル建設などが活発化し、前月の「下げ止まりつつある」から「おおむね下げ止まっており、一部に持ち直しの動きもみられる」と4カ月ぶりに上方修正された。
政策効果
2013年度の年次経済財政報告(経済財政白書)は、自公政権の経済政策の効果を分析。この中で「景気は13年に入って持ち直している」とした上で、自公政権の経済政策への期待など家計や企業の心理が改善し、消費の増加が生産や所得の増加をもたらす「経済の好循環に向けた動きが見られる」とした。
また、「従来の景気持ち直し局面とはメカニズムが大きく異なる」と指摘。これまでの輸出主導型ではなく、個人消費が全体を押し上げる自律型の経済構造に転じつつあるとの見方を示した。自公政権の大胆な金融緩和などに伴う株高が、個人消費を刺激していることが背景にある。
日本経済を低迷させてきたデフレ(物価下落が続く状態)からの脱却に向けても明るい見方を提示。家計の「平均購入単価」の上昇に触れ、消費者の低価格志向が緩和されつつあるとし、「長引くデフレから反転する兆しが現れている」との認識を示した。
課題
経済全体は回復基調にあるとはいえ、地方や中小企業、庶民にその実感は乏しい。「実感できる景気回復」の実現は、これからの経済運営にかかっている。
甘利明・経済財政担当相は、23日の記者会見で「景気回復には順番がある。大企業も中小企業も都心も地方も一斉に(回復する)というのは理想だが、好循環は一斉に始まるのではない。この時間差を縮めるために全力を投じたい」と述べた。実感できる景気回復には給与アップが欠かせない。公明党は、まずデフレ下で10%減少した平均給与を取り戻した上で、さらなる世帯収入の増加へ総力を挙げていく方針だ。