e今月から年金救済制度
- 2013.07.29
- 生活/生活情報
公明新聞:2013年7月29日(月)付
専業主婦の無年金や低年金をなくす取り組みは?
未納期間を加入期間として算入できる仕組みや、追納を可能にする救済制度が始まっています
Q 新しい制度の目的は?
加入している年金の切り替え手続きをしていなかったため、将来、無年金や低年金になる恐れがある専業主婦を救済するためです。7月1日から法改正による新制度が始まりました。
Q そもそも年金制度って?
年金は大きく3つに分類されます。
自営業者やその妻など、国民年金の加入者は「第1号被保険者」となり、自分で保険料を納めなければいけません。
会社員や公務員などは「第2号被保険者」で、保険料は給与から自動的に天引きされます。
一方、会社員や公務員の妻が専業主婦の場合は、「第3号被保険者」となります。所得がないため、保険料は納めなくてよいことになっています。
Q 制度の中身は?
会社員や公務員に扶養されている専業主婦は、夫の職種が変わると、国民年金に切り替え、保険料を納付しなければならない場合が出てきます。
例えば、会社員だった夫が脱サラして自営業者に転職すると、年金の分類は第2号被保険者から第1号に変わります。
同時に妻も、第3号被保険者から第1号に変わるため、第1号への切り替え届けを年金事務所に提出して、国民年金の保険料を納めるようにしなければいけません。
本人が切り替え手続きをして保険料を納めないと、受け取れる年金額が減ったり、年金加入期間が足りないために無年金になってしまいます。
厚生労働省によると、年金の切り替え忘れで将来、無年金や低年金になる専業主婦は全国で約47万5000人に上るとみられています。
今月から、こうした専業主婦を救済する制度が始まり、年金事務所に届け出れば、保険料を納めていなかった期間も年金の受給資格を満たすための加入期間として新たに算入されます。
ただ、このままでは将来、受け取れる年金額そのものは増えないため、特例で、2015年4月から3年間に限って未納期間の保険料を過去10年分までさかのぼって納めることができるようになっています。