e取組み指針近く公表 要援護者支援、避難所の整備・運営

  • 2013.08.05
  • エンターテイメント/情報

公明新聞:2013年8月5日(月)付

市町村に具体策提示
災害弱者への配慮求める
公明が提言

 

災害時要援護者の支援と避難所の整備・運営に関して、市町村が取り組むべき具体策を示した指針が、近く内閣府から公表される。災害時要援護者の名簿作成や避難所の生活環境改善の考え方などを示すもので、担当部局は詰めの作業を進めている。

有識者検討会の主な指摘


名簿作り外部提供を奨励
福祉サービスの早期再開
避難所運営の手引を作成
相談窓口設置し意見反映
アレルギー対応の非常食


公表される指針は、東日本大震災の教訓を踏まえて発足した二つの有識者検討会が3月にまとめた報告書を基にして現在、取りまとめられている。

高齢者や障がい者など、災害時に自力で避難するのが難しい災害時要援護者の支援に関する検討会の報告書では、6月に改正された災害対策基本法で市町村に義務付けられた要援護者名簿の作成などについて記載。

名簿の対象となる人の要件を要介護度や障害程度区分などの具体例で示したほか、要件から漏れた人に関しても、自治会の判断や本人の希望で名簿への掲載を柔軟に対応できるよう提案している。

個人情報保護の観点から、東日本大震災の際に名簿情報の外部提供が進まず、効率的な支援ができなかった経験を踏まえ、災害時の名簿情報提供を奨励(災害対策基本法の改正で、災害時には当事者の同意なしに外部へ名簿情報の提供が可能になった)している。

また、平常時からの取り組みとして、要援護者の個別支援計画を作成した上で、市町村とNPO、障がい者団体などが連携した防災訓練や避難所運営のシミュレーションを実施すべきと指摘。震災発生後の福祉サービス継続・早期再開の支援も求めた。

一方、避難所の整備や運営に関する検討会の報告書では、災害対策基本法で市町村の努力義務とされた避難所の生活環境改善の例を明示した。

具体的には、事前に決めていた避難所運営の責任者が被災すると想定し、誰でも避難所を立ち上げられる簡易な避難所運営の手引を作成すべきとし、どの避難所であっても一定水準の生活環境が実現できるような準備が必要と強調。

避難所を地域支援の拠点と位置付け、避難所で生活しない在宅被災者に対しても情報や食料、物資を提供する役割を担うべきとした。また、要援護者らのニーズに応えるため、施設をバリアフリー化するだけでなく、相談窓口の設置などで多様な意見を避難所運営に反映することも要請した。

備蓄物では、味や栄養バランス、食物アレルギーに留意した非常食や感染症予防のマスクの用意を推奨。高齢者や女性、乳幼児に配慮して、紙おむつや生理用品の準備も必要としている。

避難生活が長期化した場合は、優先順位を考慮した上で男女別のトイレや更衣室、洗濯干し場、授乳室を順次設けるよう提案した。

公明党は、災害時要援護者支援と避難所の生活環境改善を一貫して推進。2011年11月、13年4月の2回にわたって提出した「女性の視点を生かした防災対策についての提言」では、要援護者支援のガイドラインや備蓄物資の見直しなどを求めていた。

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