e結党50周年へ勇躍前進

  • 2013.08.11
  • 情勢/解説
[画像]メインイメージ

公明新聞:2013年8月11日(日)付

 

全国県代表協議会から

 

公明党は8日に全国県代表協議会を開催し、明年の結党50周年へ向け、党の基盤をさらに揺るぎないものとすることを誓い合い、新たな前進を開始しました。同協議会での山口那津男代表のあいさつ要旨のほか、下半期の取り組みや重要政策課題の対応などについて、井上義久幹事長と石井啓一政務調査会長の話を紹介します。

下半期の取り組み 井上幹事長

強固な基盤築くチャンス
ネットワークの力を強化 国民生活の安心に役割

井上幹事長は、昨年末の衆院選、今回の参院選を通して政党の在り方が問われたと強調しました。具体的には、政党の離合集散が頻繁に行われ、政党を渡り歩く政治家が後を絶たない中で、「一定の期間存続し、内外の諸課題に応えていく本来の政党の役割が問われた選挙だった」と指摘。政党が果たすべき役割として、(1)一定の幅で理念や価値観、政策を共有し、日常活動を通じて実現していく(2)民意を吸い上げる日常活動の積み重ねとネットワークの力(3)政治家を育成する力―が必要だと語りました。

その上で、公明党が結党50周年に向け、さらに強じんな党を構築していくためにも「公明党の持ち味であるネットワークの力を強化していくことが重要だ」と強調。公明党が今回の比例選の得票数において結党以来初めて第2党に躍進したことにも触れ、「これまでの積み重ね、50年の歴史は重い。誇りと自信を持ってより強固な基盤を築くチャンス」との認識を示しました。

一方、重要な政治・政策課題に対する党の姿勢について、井上幹事長は「自民、公明の連立政権は、政党が違う以上、考え方が全て一致しているわけではない」とし、「国民が心配する、懸念していることについて国民的合意をつくっていくのが公明党の大きな役割」と訴えました。

また、結党50周年に向けた活動については、公明党が東日本大震災の復興を通じて、地方議員と国会議員のネットワークの力を縦横無尽に発揮したことを踏まえ、「このネットワークは社会、生活の安全・安心の一つの大きな力だ。公明党の存在は社会、生活の安全・安心の大きな基盤だ」と指摘。「党の基盤をさらに揺るぎないものにして50周年を迎え、次の世代に公明党の旗をバトンタッチしていこう」と述べました。

最後に井上幹事長は、党勢拡大に向けた下半期の取り組みについて、(1)訪問対話運動(2)街頭演説運動(3)地域の実績づくり(4)公明新聞の購読拡大運動の推進―をあらためて確認しました。この四つの基本活動のうち、特に公明新聞の購読推進に関しては、「当面は議員の実配目標を確実に達成していきたい。まず、われわれ議員から取り組んでいこう」と訴え掛けました。

重要政策課題への対応 石井政調会長

軽減税率導入の議論加速
社会保障制度改革 「全世代の支え合い」は評価

当面する重要政治課題は、中期財政計画や2014年度予算概算要求基準、消費税率の引き上げ判断と軽減税率の導入、社会保障制度改革、環太平洋連携協定(TPP)交渉などめじろ押しです。

このうち来年4月に予定される消費税率の引き上げ判断については、社会保障と税の一体改革関連法で「経済状況の好転について、名目および実質の経済成長率や物価動向、種々の経済指標を総合的に勘案した上で判断する」とされています。石井政調会長は「4月から6月までの経済成長率の第2次速報値が9月9日に発表になるので、政府はそれを受けて判断する」と述べました。

また、消費税には所得の低い人ほど負担感が重い「逆進性」の問題があり、税率引き上げ時には低所得者対策の実施が欠かせません。石井政調会長は消費税率10%段階での軽減税率の導入に向けた与党内の議論について(1)適用範囲と税率の設定(2)税務にかかる事務負担増―などの論点があるとし、「今後は、地方6団体等からのヒアリングを終えた段階で中間とりまとめを作成し、年末の税制改正大綱で結論を得る」との認識を示しました。

一方、社会保障制度改革に関しては、政府の社会保障制度改革国民会議の報告書が、今の制度ができた1970年代当時では考えられなかった「超高齢化」などの課題に対応するために、高齢化のピークを迎える2025年を見据えた全世代型の「21世紀日本モデル」への転換が必要だと指摘したことに言及。「全ての世代を給付とサービスの対象とし、年齢で区分するのではなく、全ての世代が負担能力に応じて負担し、なるべく広く支え合う仕組みに変えていくもの」と改革の方向性を評価しました。

政府は報告書を踏まえ、各テーマの改革の方向性や、いつまでに法案を国会提出するかという「プログラム法案」を閣議決定し、秋の臨時国会に提出する予定で、それに基づいて具体的な改革の姿が明らかになります。

また、今回の報告書は、有識者が「あるべき論」を述べたもので、直接の利害関係者との調整はできていません。個別の負担増の問題なども含まれるため、公明党は政府の検討状況を見ながら、意見を述べていきます。

山口代表あいさつ要旨

公明は合意形成の要に
「小さな声」に敏感、きめ細かく手を打つ

参院選の結果は「政治の安定」を求める民意の表れであり、公明党が政権与党の中で果たす役割への評価と期待でもあります。国政の舵取りを託された責任を深く自覚し、「決められる政治」「結果を出す政治」の実現に向けて党の総力を挙げていきます。

公明党への期待とは、自民党と力を合わせて政治を前に進めることであり、「公明党の国民目線に立った判断力」の発揮にあります。われわれは、国民の願いや苦しみを五体で感じ、きめ細かく手を打ち、希望の火を灯していく存在でなければなりません。「小さな声」にも敏感に反応し、迅速に対応することで「国民の利益」を追求していく。それこそが国民が公明党に期待するところです。

政治課題に対して連立与党内、与野党間の議論を重ね、多くの国民が理解し納得できるコンセンサス(合意)を丁寧につくり出していく。こうした国民に開かれた合意形成の役割を果たしていきます。

経済は、各種指標が好転しているとはいえ、地方や中小企業、国民の生活現場を取り巻く環境は依然厳しい。政府・与党一体で「誰もが実感できる景気回復」を成し遂げなければなりません。参院選で約束した所得の上昇を実現するために、まず賃金配分のルール作りを進める政労使による協議の場をできるだけ早く設置できるよう取り組みます。また、成長戦略の実行へ、秋の臨時国会で投資減税を含む法整備を実現する必要があります。

被災地の復興加速に向けては、「一日も早く普通の生活を取り戻したい」との被災者の切実な思いを具体的な形にしていくのが、公明党の重大な役割です。最後の一人が日常生活を取り戻す時まで復興が加速するよう取り組んでいきます。

社会保障制度の改革も急務です。医療の高額療養費の負担軽減など改革の優先度を示すとともに、介護、医療については改革の方向付けを急がなければなりません。

明年11月17日に結党50周年の佳節を迎えます。夏季議員研修会などを通じて、「大衆とともに」の立党精神の真髄、今日的意義を再確認し、一人一人の議員が力量をアップして、党の政策力と実現力を高めていきます。さらに一致結束し、国民生活を守り、希望あふれる日本を構築していくために前進を開始しようではありませんか。

 

 

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ