e災害時支援で指針公表
- 2013.08.20
- 情勢/社会
公明新聞:2013年8月20日(火)付
名簿作成、避難所改善など 国が自治体に通知
公明推進
内閣府は19日、災害時要援護者の避難支援と避難所の整備・運営に関して市町村が取り組むべき具体策を示した指針を公表し、全都道府県に通知した。災害対策基本法の改正によって新たに規定された、避難行動要支援者名簿の作成や避難所の生活環境改善の考え方などを示したもの。
避難支援に関する指針では、要支援者名簿の対象要件を要介護状態区分などで例示。要件から漏れた人に対しても、本人の希望で名簿への掲載を柔軟に対応するよう提案した。
東日本大震災で個人情報保護の観点から名簿情報の外部提供が進まず、効率的な支援ができなかった経験を踏まえた措置としては、情報漏えい防止に留意した上で災害時の名簿提供を可能とした。
要支援者名簿に基づいた個別計画策定も推奨。NPO、障がい者団体などが連携した防災訓練や避難所運営のシミュレーションを実施すべきとしたほか、避難情報の伝達では、緊急速報メールやSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)の活用を提示した。
一方、避難所の整備・運営に関する指針は、避難所生活の改善へ普段から準備しておくべき対策と発災後の対応を記した。
事前の備えでは、市町村による「避難所運営準備会議」設置や、高齢者、障がい者らに配慮した福祉避難所の整備を奨励。備蓄品としては、アレルギーに留意した非常食や、紙おむつ、生理用品などを検討すべきとした。
また、誰でも避難所を立ち上げられる簡易な避難所運営手引の作成や、地域住民に指定避難所の周知徹底をする際は、障がい者らにも分かりやすい配慮をするよう指摘した。
発災後の対応では、在宅被災者に対する情報、食料、物資の提供や、多様な被災者ニーズに応える相談窓口の設置を明記。保健師や看護師を巡回させ、被災者の健康管理を行うほか、感染症予防のために避難所の衛生管理の必要性にも触れた。
公明党は、要援護者支援のガイドラインや備蓄物資の見直しなどを求める提言を国に対して提出していた。