e廃炉の道筋透明に
- 2013.09.05
- 情勢/社会
公明新聞:2013年9月5日(木)付
国民、国際社会が注視
近隣外交 対話重ね関係改善へ
山口代表が講演
公明党の山口那津男代表は4日午前、都内で開かれた「日本アカデメイア」(事務局=日本生産性本部)主催の会合で講演し、東日本大震災の復興加速のためには東京電力福島第1原子力発電所事故の安全かつ確実な処理が望まれていると述べ、「大事なことは国民にも、国際社会にも乗り越えていく姿を示すことだ」と強調した。
この中で山口代表は、シンガポールのゴー・チョクトン名誉上級相と会談した際、原発事故を検証し国際社会に日本の経験を伝えてもらいたいと要請されたことに触れ、「(世界の原発が)廃炉に向かうプロセスは今後も続くのだから、透明性を持って確実に実行されていく姿を示すことが重要だ」との考えを示し、連立政権で認識を共有しながら対応していくと力説した。
また、政府が汚染水漏れ問題で、東電任せにせず、470億円の国費投入を盛り込んだ基本方針を決めたことについては、「私自身は(政府が)もっと責任を持って関与を強めていく必要がある(と思う)。東電の経営状態などを考えると、その枠組みでは一定の限界がある」と指摘した。
社会保障制度改革については、「今後、大きな方向性を付けて確実に実行していくことが必要だ」と強調。秋の臨時国会で制度改革の工程を示したプログラム法案を成立させ、「(医療や介護など)具体的な分野について実施する中身を定め、実行していかねばならない」と述べた。
消費税率引き上げの判断をめぐっては「安倍晋三首相の判断を尊重したい」との考えをあらためて表明。その上で、税率の引き上げが景気の腰折れを招くとの懸念が示されていることには、「いろいろと補う政策は、あの手この手で可能だ」との考えを示した。
一方、中国、韓国との外交に関しては、日中韓ともこの1年が政治基盤を固める過程であったことを指摘し、「一定の基盤ができたので、これからが本格的な改善への正念場だ。一つ一つ障害になるものを取り除きながら、対話を重ね関係改善に努めていきたい」との認識を表明。
党青年訪中団の派遣にも触れ、「公明党のみならず、対話を重ねて、いずれ首脳会談のタイミングを模索する試みを進めていきたい」と述べた。