e党訪米団 潘国連事務総長と会談
- 2013.09.11
- 情勢/国際
公明新聞:2013年9月11日(水)付
シリア問題
人道支援で国連と連携 山口代表
平和的解決の道に期待 事務総長
公明党の山口那津男代表は9日午後(日本時間10日早朝)、ニューヨーク市内の国連本部で、国連の潘基文事務総長と約20分間、会談した。党訪米団の上田勇副団長(衆院議員)、遠山清彦秘書長(同)が同席した。
冒頭、訪米団の来訪を歓迎した潘事務総長は流暢な日本語で、2020年に東京での五輪開催が決定したことに祝意を述べるとともに、2018年に開催される韓国・平昌での冬季五輪と合わせ、「2年間のうちに東アジアで、世界的なスポーツの祭典が連続で行われることは誇りであり、素晴らしいニュースだ」と力説した。
さらに、安倍晋三首相に対しても「首相が日本のために世界を飛び回っていることは素晴らしい。よろしくお伝えください」との伝言を山口代表に託した。
山口代表は、日本が対国連で世界第2位の財政支援国であることを念頭に、幹部職も含めた日本人職員の増員を要望。「事務総長のリーダーシップでより良い国連事務局をつくってもらいたい」と期待した。
これに対し、潘事務総長は、日本の財政支援に謝意を表明した上で、国連平和維持活動(PKO)での日本の貢献にも言及。
2010年のハイチ大地震での緊急援助隊の迅速な派遣や、南スーダンへの施設部隊派遣に触れ、「日本は国力に値する支援を、人道分野、平和と安定の分野、開発の分野で行ってきており、高い評価をしている」と述べた。
緊迫するシリア情勢に関して、山口代表は「化学兵器の使用はいかなる状況でも許されない」と強調した上で、「日本はシリアの人道状況の改善のために、あらゆる支援を行う意思がある」と述べ、国連とも連携していく考えを示した。
潘事務総長は「状況は毎日、率直に言えば毎分変わっている」との認識を表明。さらに「シリアの化学兵器に対して国際的な監視の下に置き、廃棄するのがいいのではないかという構想が出てきた」と述べ、「その構想について、ケリー米国務長官、ロシアのラブロフ外相、シリア政府関係者の3者の支援が取り付けられれば、危機の平和的解決ができるのではないかと期待している。軍事的解決は望んでいない」との考えを示した。
一方、山口代表は、潘事務総長が8月にソウルで歴史認識に関して発言したことが日本の国内外で波紋を広げたことに触れ、「事務総長の発言は大変な影響力がある。そのことをしっかり理解していただき賢明な判断をしてもらいたい」と指摘。その上で、「発言の真意は自ら説明され、理解している。公明党は今後も、日韓関係の改善に努力していく。事務総長も、その点を認識いただきたい」と述べた。