e成長戦略の柱「投資減税」
- 2013.09.14
- 情勢/経済
公明新聞:2013年9月14日(土)付
企業の機械購入など促す。生産性向上で賃金増加へ
公明主張中小企業に手厚い施策に
今秋の臨時国会では、新しい工場を建てたり、機械を買うなどの設備投資を行った企業に対し、税負担を軽くする投資減税が焦点になります。
政府は6月に策定した成長戦略に「思い切った投資減税」の実施を盛り込みました。安倍晋三首相は、臨時国会を「成長戦略実行国会」と位置付け、成長戦略の実行に全力を尽くす意向を表明。政府・与党は成長戦略第2弾として、具体的な投資減税策を示す方針です。
長引くデフレ(物価下落が続く状態)に苦しんできた日本経済は、自公政権の経済政策によって明るさを取り戻しつつあります。こうした流れを確実なものとし、景気を本格的な回復軌道に乗せていくには、民間投資を促す成長戦略が欠かせません。この成長戦略のカギを握るのが投資減税です。
設備投資額は2012年度で62.7兆円と、08年のリーマン・ショック前の平均から約1割低下。景気悪化を受け、企業は内部留保を積み上げる一方、設備投資に慎重な姿勢を続けてきました。その結果、生産設備の老朽化が目立ち、従業員1人当たりの生産性が伸び悩んでいます。
減税を機に企業が設備投資に積極的になれば、生産性が向上して雇用の改善や賃金増が期待できるほか、消費も活発化し、景気に好影響を与えます。
政府は今後3年間を「集中投資促進期間」と位置付け、設備投資額を12年度より1割増やし、リーマン・ショック前の水準である年70兆円規模に引き上げる目標を掲げました。
投資減税をめぐっては、与党で議論が本格化しています。例年、与党の税制改正協議は年末に行いますが、今回は投資減税を前倒しで議論し、具体策を取りまとめる方針です。
公明党は「日本企業の99%を占める中小企業が設備投資に前向きにならなければ、日本経済の活性化は難しい」との観点から、中小企業に手厚い投資減税の実現を訴えています。
11日の党税制調査会総会では、中小企業にとって使い勝手のいい「中小企業投資促進税制」の拡充を求める声や、機械など事業に必要な設備(償却資産)にかかる固定資産税の減免を議論していく必要性を指摘する意見などが出されました。