e両院総会での党幹部あいさつ(要旨)
- 2013.10.16
- 情勢/社会
公明新聞:2013年10月16日(水)付
山口代表・井上幹事長
重要法案の成立期す
将来に"種"植える議論を
山口代表
第185臨時国会が召集された。12月6日までの53日間の会期だ。夏の参院選で"ねじれ"が解消し、本格的な論戦に挑む国会となる。
われわれは昨年の(衆院)総選挙を経て連立政権を確立し、経済の再生と被災地の復興加速を最優先課題として取り組んできた。そして(昨年夏の自民、公明、民主の)3党合意に基づく法律で、消費税率を8%に引き上げるかどうかの判断を運命づけられていた。
判断に当たっては、経済の好転と社会保障の全体像を示すことが大きな前提だった。政権が経済再生を最優先する道をめざしたのは当然だ。デフレ脱却の道筋を描きながら、金融と財政で矢を放ち、それが功を奏して年率で経済成長率3.8%(4―6月期)と大きな上昇の勢いを作り出した。そのほかの経済指標でも、経済の好転は把握できた。
一方、社会保障の行く末については「国民会議」で議論し、報告書が提出されて(改革の)全体像の道筋が示された。この点も確認した上で、安倍晋三首相の消費税率引き上げの判断を是認した。
しかし、消費税率引き上げとなれば、経済成長を抑制する効果が出るのは当然だ。それを克服して、デフレ脱却の道筋を描けるよう、経済対策をやらなければならない。パッケージとしておよその目標を決めたが、これを具体的に確定していくのはこれからだ。そうしたことも含め、この臨時国会では大きな展望の下に論戦を展開しなければならない。
今度の国会は「成長戦略実行国会」と名付けられており、それに関わる重要法案として産業競争力強化法案や、国家戦略特区関連法案などがある。また、前国会で廃案になった電気事業法改正案や、海賊海域警備特別措置法案などもある。そして政権として意欲を持っている日本版NSC(国家安全保障会議)を創設する法案や、今、議論中の特定秘密保護法案も提出される可能性が大きい。
こうした重要法案を審議するとともに、議員立法として提出するものもある。そうした法案の成立を期し、与党として論戦をしていきたい。また、先々の課題に"種"を植える意味も臨時国会にはある。そうした意義を踏まえ、短期決戦であるので果敢に挑んでもらいたい。
国会改革のテーマも持ち上がっている。野党から提起されたが、与党としてどういう改革の在り方が望ましいのか、しっかり議論していきたい。短い国会だが、国民の期待に応えられるよう団結して頑張ろう。
現場の思い訴え復興加速
社保改革 野党にも協力呼び掛け
井上幹事長
今後の社会保障制度改革、特に医療・介護について、具体的にどういうスケジュール、内容で改革を進めていくかという(社会保障制度改革に関するプログラム)法案が今回、提出される。
社会保障と税の一体改革に関する(自民、公明、民主の)3党合意は、日本の社会保障の歴史で初めて、与党と野党が合意し、改革を進める決意をした画期的な合意だった。今後の重要な道筋になるので、民主党にも責任を分かち合ってもらいたい。また、他の野党の賛成を得て成立を期したい。民主党にも、あらためて協力、協議を呼び掛けていきたい。
国会での与党の役割について、2点申し上げたい。その一つは閣法(政府提出法案)であれ、与党提出の議員立法であれ、国民生活、国益を守るために必要な法案として国会に出しているので、この国会で成立を期していくことだ。
併せて、国会の論戦を通じ、政府・与党として国民への説明責任を果たしていくという重要な役割がある。そういう意味で、丁寧な議論、濃密な議論が必要だ。こうした基本姿勢で国会に臨んでいく。国会審議の活性化に向けて、野党の協力もお願いしたい。
東日本大震災の発災から2年7カ月になる。いまだ29万人近い方が避難生活を余儀なくされており、一日も早く生活を再建し、当たり前の日常生活に戻っていただくために、復興加速をしなければならない。
震災(復興)については、風化と風評の"二つの風"との闘いと言ってきた。新人議員を含め、被災地に赴いて被災者の声を直接聞き、また被災地の状況を直接見て、さまざまな思いや提案を持っていると思う。国会論戦を通じて、被災者の思いを訴え、どう(復興を)加速できるかという観点で論陣を張っていきたい。それが風化を防ぎ、風評被害からの脱却を促進することになる。
これに加え、年末の来年度予算編成、税制改正の取りまとめをしっかり行い、公明党らしい成果を出していきたい。