e生活再建の見通し示せ

  • 2013.11.12
  • 情勢/社会
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公明新聞:2013年11月12日(火)付



原発事故対策 国が前面に
追加除染 公共事業の観点で
与党が首相に提言



廃炉部門分社化など検討
中間貯蔵施設の建設促進
帰還する判断基準を提示
賠償支払いの早期完了も


自民、公明の与党両党は11日、首相官邸で安倍晋三首相に会い、東京電力福島第1原発事故災害からの復興加速化に向けた提言を申し入れた。今年3月と7月に提出した東日本大震災に関する与党提言の第3弾に当たる。

公明党から、党復興加速化本部の井上義久本部長(幹事長)、石田祝稔事務局長(衆院議員)、党東電福島第1原発災害対策本部の斉藤鉄夫本部長(幹事長代行)が出席した。

同提言は「原子力事故災害からの復旧・復興は遅れている」との認識の下、国が前面に出て「オールジャパンで福島の再生を実現していく」決意を表明。

具体的には、除染を「福島の復興にとって最重要かつ急務の課題」と位置付け、帰還可能な区域から作業を優先させるほか、インフラ(社会資本)整備と一体的に行うなど効率化して実施すべきとした。現在計画されている除染が終わった後のさらなる除染については、国が生活環境を整備する公共事業の観点から行う必要があると提案している。

福島第1原発の廃炉・汚染水対策については、国がより前面に出るための法的立場を明らかにした上で、実施体制を明確化するために、東電の廃炉事業部門の社内分社化や独立行政法人化などを検討するよう求めた。福島県内の廃棄物を保管する中間貯蔵施設の建設・管理では、費用の確保を含めて国が万全を期すよう検討し、エネルギー施策の中で財源の確保に努めなければならないと主張した。

このほか、帰還困難区域から避難している人が将来、故郷に帰還するか否かを判断する材料として、放射線量の低減状況や帰還の見通し、町村外拠点「仮の町」のイメージを示す必要があると指摘。また、希望者が一刻も早く新しい生活に移行できるよう、受け取れる賠償総額の見通しを付けて、早期に支払いを完了すべきとした。

井上本部長は「被災者一人一人の生活や住宅再建の見通しをはっきりさせることが極めて重要。そういう観点から提言をした。そこを政府として留意してほしい」と強調。

提言に対して安倍首相は「新しい生活を一歩進めるに当たっての選択肢や判断基準を示したい。政府として廃炉、汚染水処理、中間貯蔵の問題などの課題を与党と取り組んでいきたい」との考えを示した。

 

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