e市販薬のネット販売
- 2013.11.18
- 情勢/社会
公明新聞:2013年11月18日(月)付
新ルールに基づく取り組みは?
劇薬5品目除き来春、原則解禁。医療用から切り替えた23品目も市販後3年でネット販売可能に
Q 国の方針は?
A 政府は市販薬のインターネット販売について、約1万1400品目のうち、エフゲン(殺菌消毒薬)など劇薬の5品目以外を来春から原則解禁する方針を決定しました。薬事法改正案が12日に国会へ提出され、法案成立をめざしています。
市販薬のうち、医師の処方箋が必要な医療用から転用されて間もないロキソニンS(解熱鎮痛薬)など23品目は3年以内に解禁される見込みです。市販開始後、4年間かけていた副作用などの安全性の評価期間を3年に短縮し、安全が確認されればネット販売が認められます。
1月の最高裁判決を受け、現在は「全面解禁」の状態が続いていますが、来春には新ルールでのネット販売が始まる見通しです。
Q 新ルールとは?
A 来春から解禁されるネット販売では、販売方法に一定の制限を加える新ルールが導入されます。
購入者は業者のホームページから購入したい薬を選び、指定された薬剤師ら専門家にメールで性別や年齢、症状、副作用歴の有無、持病などを申告する必要があります。
これに対し、副作用リスクの高い1類医薬品は、薬剤師らが服用方法や服用後の注意点などを説明し、購入者から「提供された情報を理解した」旨の連絡が再び届いた段階で、商品を発送します。
購入者に副作用症状が出た場合、問い合わせに応じられるよう、販売業者に薬の販売記録の保存が義務付けられます。
Q 安全性への取り組みは?
A ネット販売できる市販薬は全体の99.8%になります。
ただ、市販後に新たな副作用が見つかる医薬品も珍しくありません。市販薬による副作用被害はこれまで、アナフィラキシーショックや肝機能障害など重篤な症例も含め、毎年約250件に上っています。
薬局や薬店がない離島やへき地など過疎地に住む人にとっては、市販薬をいつでも自由に買える利便性の向上は重要です。
安心して服用できるようにするためには、副作用など健康被害の防止や偽造薬対策、悪質業者の監視体制の強化をはじめ、安全対策の仕組みの確立が求められています。