eフィリピンの台風被害 官民挙げ強力な支援を
- 2013.11.20
- 情勢/解説
公明新聞:2013年11月20日(水)付
公明、各地で市民の募金活動に協力
今月8日、台風30号の直撃によって、フィリピン中部のレイテ、サマール両島を中心にした地域は甚大な被害を受けた。
フィリピン国家災害対策本部の発表(18日午後6時)によれば、死者3976人、行方不明者は1602人にのぼっている。また、被災者は1000万人を超え、400万人以上が家を失っている。
被災地では、日本の国際緊急援助隊など、各国の救援活動が始まっているが、救援や支援の態勢はまだまだ不十分だ。
「東日本大震災の復旧・復興に対するフィリピンの支援は忘れない」(山口代表)という気持ちは、多くの日本人が共有している。フィリピンにとって日本は最大の貿易相手国であり、経済や安全保障で、両国は緊密な関係にある。一日も早い復旧・復興に向けて支援していきたい。
今回、日本政府は、3000万ドル(約30億円)の緊急無償資金協力やアジア開発銀行に日本が設置している基金から2000万ドル(約20億円)の緊急支援を表明し、国際緊急援助隊として自衛隊の派遣を決定、先週末から、医療チームがレイテ島の中心都市、タクロバンで診療活動を開始した。民間団体も次々に現地入りしており、官民挙げた支援活動が始まっている。
防衛省は、今回の国際緊急援助活動に対して、医療・防疫活動、救援物資などの輸送のため、海外派遣としては04年に発生したスマトラ沖地震を上回る過去最大規模の1000人を超す自衛隊員を派遣する。救援物資などを乗せた補給艦「とわだ」に続いて護衛艦「いせ」、輸送艦「おおすみ」も出発した。今後の活動が期待されている。
今回の台風被害で、自然災害に対する支援や協力態勢の重要性が、改めて浮き彫りになった。台風による水害や洪水、地震や津波など、近年、東南アジアで自然災害が続発している。世界で報告されている災害の40%がアジア・太平洋地域で発生しているという報告もある。同地域での防災協力の一層の強化が求められている。
公明党は山口代表が都内のフィリピン大使館を訪れ、アンジェリカ・エスカローナ代理大使に義援金を手渡し、お見舞いの言葉を述べた。16、17日には、同代表、井上幹事長ら、公明党の議員が市民による街頭での救援募金活動に積極的に協力している。
現地での本格的な救援活動は始まったばかりである。被災者への支援をさらに強めていきたい。