e巨大地震対策が前進
- 2013.11.25
- 情勢/気象
公明新聞:2013年11月23日(土)付
南海トラフ 高台移転に財政支援
首都直下 国の中枢機能を維持
自公提出の2法が成立
南海トラフ巨大地震で被害を受ける恐れがある地域の防災対策を強化する「南海トラフ地震対策特別措置法」が、22日の参院本会議で全会一致で可決、成立した。
「首都直下地震対策特別措置法」も与党などの賛成多数で可決、成立した。
南海トラフ地震特措法では、津波で浸水が予想される東海から九州地方の太平洋沿岸部を国が「津波避難対策特別強化地域」に指定。市町村が津波避難タワーや避難通路・階段を整備する場合、事業費の3分の2を補助する。
また、浸水の危険性が高い地域の住民が集団で高台に移転する場合は、農地を住宅に転用しやすくするほか、学校や高齢者施設、病院などの移転には国が財政支援する。
一方、首都直下地震特措法では、国会や裁判所など首都の中枢機能を維持するため、東京・霞が関や永田町を「基盤整備地区」に指定。
東京都などがライフラインの耐震化や避難場所となる公園の整備、地区内に滞在する人の安全確保に向けた計画を策定する。
埼玉、千葉、東京、神奈川などの各都県が、木造住宅密集地域の不燃化対策や、石油コンビナートの耐震化、帰宅困難者対策の実施計画を策定することも明記した。
公明党は、東日本大震災の教訓を踏まえ、大規模災害から国民の命を守る「防災・減災ニューディール」の取り組みを強力に推進。防災・減災対策の骨格となる「防災・減災等に資する国土強靭化基本法案」とともに、特に甚大な被害が想定される南海トラフ巨大地震と首都直下地震に備えるため、両法案を個別法として自民党と共同提出していた。
防災・減災を国策に
公明リード 強靱化基本法案が可決
衆院特委で石田氏討論
衆院災害対策特別委員会は22日、「防災・減災等に資する国土強靭化基本法」の原案と一部修正案を与党などの賛成多数で可決した。一部修正案は、事前の修正協議で法律名の変更などを求める民主党の主張を大幅に盛り込んだものの、採決で同党は反対した。
与党提出の原案は、公明党の「防災・減災ニューディール」の考え方を反映。道路や建造物に加え、行政機関やエネルギーなど幅広い分野で「脆弱性評価」(総点検)を実施した上で指針となる基本計画を定め、優先度の高い順に防災・減災対策を展開する内容で、費用縮減や民間資金の活用も推進していく。
賛成討論に立った公明党の石田祝稔氏は、原案の意義を「防災の範囲を超え、国土政策や産業政策も含めた総合的な対応を国家百年の大計として立てるものだ」と強調。政府に対し「わが国では初めての試みとなる脆弱性評価をしっかり行い、民間資金の積極的活用などで効率的な施策の推進を」と求めた。