e委員会質疑から
- 2013.11.27
- 情勢/解説
公明新聞:2013年11月27日(水)付
矢倉、杉、秋野の各氏
公私間格差 是正せよ
高校無償化改正案が可決
参院文科委で矢倉氏
参院文科委参院文教科学委員会は26日、高校授業料無償化法改正案の採決を行い、与野党の賛成多数で可決した。同法案は、高校授業料の無償化に所得制限を設け、生み出された財源を低・中所得者層支援や、公立と私立の教育費負担の格差是正などに充てるためのもの。
採決に先立つ質疑で公明党の矢倉克夫氏は「私立は高所得者層が通うので格差是正は必要ない」との意見があると指摘。その上で、私立高校生の約1割が年収400万円未満の家庭だとして、格差是正の必要性を強調した。
西川京子文部科学副大臣は、私立高校生について「地方では、公立の生徒より所得が低い家庭が結構あるのが現実だ。しっかり支援しなければならない」と答えた。
また矢倉氏は、所得制限に関して、親の失職などで収入が急に減った場合の対応策をただした。文科省側は、現行制度では国が補助を行い、各都道府県が私立高校生向けに家計急変への対応策を講じていると述べ、「新制度では公立も含めて対応する」と答弁した。
税額控除 繰り越し提案
生産性向上へ 設備投資をしやすく
杉氏
26日の参院経済産業委員会で公明党の杉久武氏は、民間企業の生産性向上に向け、産業競争力強化法案に盛り込まれた設備投資促進税制について、減税規模と経済効果をただした。
西山圭太経産省審議官は、年間の減税額が約4400億円に達するとの見通しを示すとともに、減税で民間設備投資総額を約2兆円押し上げる効果を見込んでいると答えた。
また、杉氏は生産性向上に向けた投資促進税制を活用すれば、先端設備などの取得額の一定割合を法人税額から差し引くこと(税額控除)ができるものの、「課税所得が発生していないと利用しづらい」と指摘。このため、杉氏は、一定期間の税額控除の繰り越しを認め、使い勝手を良くするよう訴えた。
海外の医療発展に貢献
秋野氏 医師の受け入れ強化主張
参院内閣委参院内閣委員会は26日、政府の成長戦略の柱の一つで、大都市を中心に地域を限定して医療、教育、農業などの規制緩和を実施する「国家戦略特区法案」について質疑を行い、公明党の秋野公造氏が質問に立った。
この中で秋野氏は、日本が持つがん治療の技術に言及しながら、国立がん研究センターに毎年多数の外国人医師が研修に訪れている事例を紹介。「海外の医療の発展に貢献する意味でも、特区として、こうした外国人医師の受け入れ強化に取り組むべき」と主張した。
これに対し、新藤義孝・地域活性化(国家戦略特区)担当相は、「日本が世界に先んじて持っている技術を実用化して貢献することが国家戦略特区のコンセプト。具体的に進めたい」と述べた。