eコメ政策の方針決定

  • 2013.11.27
  • 情勢/経済
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公明新聞:2013年11月27日(水)付



5年後めどに"減反"廃止
飼料用米への助成拡充 直接支払で新制度



政府の農林水産業・地域の活力創造本部(本部長=安倍晋三首相)は26日、農家の経営所得安定対策(旧戸別所得補償制度)や、コメの生産調整(減反)の見直し方針を正式決定した。公明党は同日の農林水産部会(石田祝稔部会長=衆院議員)と政調全体会議で政府から報告を受けた。

今回の方針は、経営所得安定対策を見直した上で、定着状況を見ながら5年後をめどに減反を廃止する内容。政府が主食用米の生産数量を決め、都道府県に配分する減反の廃止で「(生産者)自らの経営判断で作物をつくれる農業を実現していく」(安倍首相)との狙いがある。

コメの直接支払交付金については、現行で水田10アール当たり1万5000円の単価を14年産米から7500円に半減し、18年産米から廃止する。米価急落時に支給される米価変動補填交付金は14年度から廃止。中期的にコメ以外の作物も含め、国と農家が拠出する収入保険の導入をめざす。

また、農業が持つ多面的機能の維持に着目した新たな助成制度として、農地の維持・管理を支援する「農地維持支払い」と、農村環境の質的向上を図る活動を支援する「資源向上支払い」からなる「日本型直接支払制度」を創設。田、畑、草地を対象に10アール当たりの支給単価を設け、田の場合、都府県で合計5400円、北海道で合計4220円が交付される。

飼料用米と米粉用米への助成に関しては、収穫量に応じて交付金を支払う数量払いを導入。助成額は最大で10アール当たり10万5000円に増額し、14年度から実施する。

公明党はコメ政策の見直しに際し、「生産現場の十分な理解を得ること」(井上義久幹事長)を前提として慎重に議論を展開。コメの直接支払交付金の削減幅を、農家に与える影響を踏まえ、半減にとどめさせた。また、生産誘導が必要な飼料用米の助成単価を引き上げたり、収入保険の導入に見通しを付けるなどの修正を実現した。

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