e密保護法4党修正案

  • 2013.11.27
  • 情勢/解説
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公明新聞:2013年11月27日(水)付



国民守る情報を保全
公明の主張で 取得行為の罰則が縮小
大口善徳党プロジェクトチーム座長に聞く



特定秘密保護法案が衆院を通過したことを受け、同法案の必要性や自民、公明、日本維新の会、みんなによる4党修正合意のポイントに関して、公明党の大口善徳プロジェクトチーム座長(衆院議員)に話を聞いた。

あらためて、今なぜ秘密保護法案が必要なのか。


国民の安全や国益を守るための情報が絶対に漏れないようにするとともに、国内外から情報を入手し政府の安全保障・外交政策に役立てるのが目的です。

近年のIT(情報通信)技術の進歩によって、一度漏れてしまった情報はインターネットなどを通じてあっという間に広がり、取り返しがつかない状況になります。それを防ぐには、機密の保護を厳格にするしか方法がありません。

また、日本を取り巻く安全保障環境が厳しくなる中で、大量破壊兵器や国際テロリズムなどに対処する重要情報を入手するのは喫緊の課題です。しかし、わが国の行政機関の情報保護能力は、西欧先進国と比べて遅れており、外国政府や国際機関から情報提供を受けるまでの信頼が築けていないのが現状です。

4党修正案のポイントは。


まず、政府案をそのまま衆院通過させるのではなく、国会審議や修正協議で示された野党の幅広い意見を反映したという点が重要です。例えば政府案では、目的を問わず暴力や脅迫などにより特定秘密を取得した人に対して10年以下の懲役などを科すとしていました。

しかし修正協議の中で維新の会から「スパイ目的の場合には手段が違法でなくても罰するべき」との意見が出され、条文の修正作業を実施。議論を重ねた上で公明党の主張通り、罰則の対象を外国の利益を図ったり国民の安全侵害を目的として、暴力などの違法行為で特定秘密を取得した「目的犯」に限定するとの内容で決着しました。結果、政府案よりも罰則の対象範囲は縮小。報道を目的とした取得活動は特定秘密の取得罪で罰せられないと、明確に規定したのです。

官僚に都合の悪い情報が隠され続けるという懸念に関しては。



首相が特定秘密の指定・解除や適性評価に関する運用の統一基準案を作成し、有識者会議の意見を聞いた上で閣議決定する必要があるとしました。首相には行政機関が運用基準に従っているかをチェックし、問題があれば改善を指示できる指揮監督権があることも明確にしています。

「半永久的に指定され続ける」との懸念があった特定秘密の指定期間は、30年を超えて延長する場合に内閣の承認を必要とした政府案をさらに厳格化。秘密指定は「60年を超えることができない」とし、それでも公開できない情報は武器や暗号、人的情報源など特に秘匿性の高い例外7項目に限定しました。

なお、30年以上にわたって特定秘密だった情報は指定解除後、全て国立公文書館に移管し、国民に原則開示。政府に対しては年に一度、特定秘密の指定・解除などの実施状況を有識者会議の意見を付して国会に報告し、国民に公表する義務規定を設けました。

秘密保護より情報公開をすべきという意見もある。


それは十分に承知しています。本当に保護すべき情報は厳密に管理する一方で、それ以外の文書は国民に開示すべきとの観点から公明党は、情報公開の整備促進や公文書管理法の改正に関するプロジェクトチームを発足させ、活発に議論しています。

今後、国会法や議院規則の改正によって保護措置を定め、これまで政府が国会に出せなかった情報の提供を可能にするなど、国会によるチェック機能向上へ力を注ぎます。


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