e特定秘密保護法案Q&A<上>

  • 2013.11.29
  • 情勢/解説
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公明新聞:2013年11月29日(金)付



国の安全と、国民の生命・身体・財産を守るために必要な情報だけを特定秘密として指定し、それを政府内で管理・保護、活用するための特定秘密保護法案についてQ&Aで紹介する。



Q.なぜ、特定秘密保護法をつくる必要があるのか?

国と国民の安全確保のため

A.日本を取り巻く安全保障環境は厳しさを増しており、大量破壊兵器や国際テロ活動に適切に対処するためには、安全保障に関する重要な情報を入手し、その漏えいを防止し、国民の安全や国益を守ることは喫緊の課題です。

アルジェリアでは邦人が犠牲となりましたが、二度とあのような悲劇を起こしてはなりません。

現在、「国家公務員法」や「自衛隊法」「MDA秘密保護法」にも秘密を漏えいした公務員等を処罰する規定はありますが、量刑が軽すぎたり、情報の対象が限定されており、わが国の安全保障に関する重要な情報の漏えいを防ぐ法整備は万全とは言えません。

兵器の性能や外交の暗号等が漏えいし、インターネット上に流れでもしたら取り返しのつかない事態になります。また、情報管理が万全でなければ外国は重要な情報をわが国と共有しようとはしません。特定秘密を守るための法整備は、もはや国際標準となっているからです。

成立を急いでいるとの批判がありますが、「急いでいる」との批判は当たりません。衆院特委では日本版NSC設置法案の倍に当たる45時間以上の審議を行い、2回の参考人質疑、地方公聴会を開催し、「日本維新の会」や「みんなの党」とも丁寧な修正協議を行いました。

Q.どのような情報が特定秘密として指定されるのか?

防衛、外交など4分野に限定

A.原発事故の情報や放射能汚染情報(SPEEDI)が秘匿されるといった誤解がありますが、安倍首相は特定秘密には当たらないと明確に答弁しています。

特定秘密に指定されるのは、安全保障に関する情報のうち、(1)防衛(2)外交(3)特定有害活動(スパイ)防止(4)テロ防止―の4分野に限定されています。さらに別表を設け【別掲参照】、上記の四つの分野の中で特定秘密にできる事項が限定列挙されており、国家公務員法が禁じる情報漏えいの範囲よりもはるかに狭い範囲となります。



Q.国民の「知る権利」は本当に守られるか?

取材活動は処罰の対象外

A.報道機関が公務員から特定秘密を聞き出すと処罰される。そうなると国民の知る権利が侵害されるのでは、との声があります。そこで、公明党の主張で当初の政府案にはなかった国民の「知る権利」「報道の自由」を条文に明記させました。さらに報道機関の取材行為は「法令違反」や取材対象者の人格をじゅうりんするような「著しく不当な方法」に当たらない限り「正当業務行為」として処罰の対象とはならない旨も条文化しました。

加えて、修正協議の中で、特定秘密を「取得」する行為は、外国の利益を図るなどの目的(スパイ等の目的)がなければ処罰されないように修正し、通常の取材活動は処罰の対象とならないことが、一層、明確になりました。

一般の国民については、何が特定秘密であるかを知らず、また、スパイ等の目的を持つこともないので、知ろうとした情報が偶然、特定秘密に該当するものであったとしても処罰されることはありません。通常の生活を送っている国民が処罰されるようなことはあり得ません。

Q.現在も42万件の秘密があるそうだが、内訳は?特定秘密の範囲が際限なく広がらないか?

行政は勝手に指定できない

A.現在、特別管理秘密として指定されている約42万件のうち、約9割が情報収集衛星から撮影した写真であり、次に多いのが外交・防衛等で用いられる暗号です。

特定秘密を行政機関の長が勝手に指定することはできません。

公明党の主張で、行政機関の長は、有識者会議の意見を聴いて首相が決定した統一基準に則り特定秘密を指定することにしました。

修正協議においては、「別表」の中にあった「その他の重要な情報」という文言は特定秘密の範囲を拡大させる恐れがあるため、これを削除させ、恣意的な指定がなされないようにしました。

行政機関の長が実際に統一基準に従って指定・解除を行っているかを首相が確認し、改善の指示を出せるようにもしました。これにより、事前・事後のチェックを通じ、特定秘密の範囲が広がらないようにしました。

さらに法案の附則には、独立した第三者機関を設置し、運用状況をチェックすることも検討することが明記されました。

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