e中小賃上げへ環境整備
- 2013.12.03
- 情勢/経済
公明新聞:2013年12月3日(火)付
復興特別法人税の前倒し廃止を了承
与党税制協
自民、公明の与党両党は2日、衆院第2議員会館で税制協議会を開き、東日本大震災の復興財源に充てる復興特別法人税を当初予定から1年前倒しして、今年度末に廃止することを了承した。
10月に与党がまとめた税制改正大綱で示した、同税前倒し廃止の3条件である(1)同税に代わる復興財源の確保(2)国民、被災者の十分な理解(3)同税の廃止が確実に賃金上昇につながる方策と見通しの確認―が一定程度確保されたと判断したため。
復興特別法人税は、復興財源への充当を目的として法人税額を10%上乗せ徴収するもの。当初は、2012年度から14年度末まで実施する予定だったが、政府の成長戦略の一環として前倒し廃止が検討されていた。
これに先立ち開かれた公明党の税制調査会で斉藤鉄夫税調会長らは、公明党が政府に強く求めていた、同税廃止の恩恵が受けられない中小企業でも賃金上昇ができる環境を整えるための方策が確保されたことを確認。
具体的には、商工会議所と協力した中小企業の賃金動向調査や"下請けいじめ"がなされていないかを調べるアンケート調査などを行い、分析を加えた上で公表することを政府が受け入れたと説明した。地域の中核企業については、賃上げ動向や収益状況の調査・公表を大企業と同様のレベルで行うとした。
一方、復興特別法人税の廃止による減収分の確保に関して、12年度の決算剰余金の一部を充当する予定であることや、東北6県にある企業の約63%が法人税を「引き下げるべき」とし、同29%が減税分を人的投資に使うとしている調査結果などを踏まえ、復興が一層加速することを前提に党として同税の前倒し廃止を了承した。