eブラック企業対策が前進

  • 2013.12.16
  • 情勢/社会

公明新聞:2013年12月14日(土)付



大卒求人票に離職率を公表
公明の提案受け来春からハローワークで



厚生労働省は若者に過酷な労働を強いる「ブラック企業」対策として、来年春からハローワークを通じ、大学生(大学院生含む)を採用する企業に対し、離職率の公表を求めることを決めた。

2015年春の卒業生に向けた求人から、過去3年間の離職者数と採用者数の記入欄を設ける。ブラック企業を見分けるには、卒業後、3年以内に会社を辞めた大学生などの割合の把握は重要な指標の一つになる。任意のため空欄でも求人は可能だが、"離職者数を書けない企業"という判断もできる。

これまで高卒向けの求人票には過去3年間の離職状況を記載する欄があったものの、大卒向けにはなかった。近年、ハローワークを利用する大学生が増えており、10年9月に設置された「新卒応援ハローワーク」を利用して就職した学生は、12年度で約9万4000人と、11年度と比べて約2万人増えている。離職者数の公表は、ブラック企業対策として、違法な労働を抑止する効果も期待されている。

今回の離職者数記載については、公明党学生局の中野洋昌局長(衆院議員)が11月6日の国会質問で、「最初に選んだ企業でどれだけ経験を積めるかが、その後の社会人人生にも影響する」と述べた上で、高卒用求人票にある「離職者数」の記載欄を大学新卒用にも載せるように提案した。

これに対し、佐藤茂樹厚労副大臣(公明党)が、「若者が就職活動をする上で必要な就職関連情報の公開を促進することは、雇用のミスマッチを減らす上で重要だ」と、前向きな答弁を行っていた。

公明党はこれまで、石川博崇青年委員長(参院議員)らが、現役大学生から直接意見を聞くなど実態調査を積み重ね、学生の就職支援の強化に取り組んできた。

今回の求人票の離職者数記載についても、学生が直面している厳しい就職の現状を文部科学相に申し入れるなど公明党の地道な活動が実ったものだ。

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