e14年度予算案 石井啓一政調会長に聞く
- 2013.12.26
- 政治/国会
公明新聞:2013年12月26日(木)付
社会保障の厚み増す
子育て支援に重点配分
「交付金」拡充など 防災・減災対策を加速
家計に景気回復の実感を
補正予算と合わせ 切れ目ない経済対策で
一般会計総額が過去最大の95兆8823億円となった2014年度予算案が24日に閣議決定されました。予算案のポイントや公明党の主張が反映された点などについて、公明党の石井啓一政務調査会長に聞きました。
―予算案のポイントは。
石井啓一政調会長 主に三つのメッセージを明確に打ち出した内容になっています。一つ目は、経済再生と財政健全化の両立です。企業の競争力強化へ向けた投資を集中的に進める一方で、新規国債発行額を2013年度予算と比べて1兆6000億円減らしました。
二つ目は、社会保障の充実です。14年度は、消費税率引き上げに伴って、社会保障と税の一体改革の実質的なスタートとなります。消費税の増収分を全て年金・医療・介護・子育て支援など、社会保障の安定と充実に充てます。
三つ目は、国民の安心・安全です。東日本大震災からの復興のさらなる加速や、老朽化したインフラ(社会資本)の長寿命化などを進める防災・減災対策が盛り込まれました。
―総額が過去最大となりましたが。
石井 景気の下振れを抑えるために予算額は増えましたが、財政健全化は進んでいます。自公連立政権による経済政策の効果と消費増税によって、税収は7年ぶりの高水準となる約50兆円を見込んでいます。
基礎的財政収支(政策経費を借金に頼らずに賄えるかを示す指標)の赤字額は13年度の23兆2000億円から18兆円へと5兆2000億円も改善し、「4兆円を上回る収支改善を図る」とした政府の財政健全化の目標を上回りました。
―公明党の主張が反映された点は。
石井 公明党の訴えによって、社会保障の厚みが増します。消費税率引き上げによる税収増のうち、国と地方を合わせた4962億円が「社会保障の充実」に確保されました。
子育て支援では、待機児童の解消に向けた小規模保育の整備や保育士の確保を推進。14年度末までに保育所などの受け入れ児童数を12年度末比で20万人増やします。また、休日・夜間保育や延長保育など、保護者の実情に応じた多様な保育サービスの提供も進めます。
医療・介護分野では、難病や小児慢性特定疾患の対象疾患を拡充することを盛り込んだ医療費助成制度を構築。国民健康保険などの低所得者保険料の軽減措置を拡充し、住み慣れた地域で医療・介護サービスを一体的に受けられる「地域包括ケア」に向けた取り組みも始まります。
―防災・減災対策も喫緊の課題です。
石井 地方自治体による対策を総合的に進める「防災・安全交付金」を13年度比3.6%増の1兆841億円確保しました。国民の安心・安全のため、密集市街地の防火対策を強化したり、豪雨に耐える下水道を整備するなど、公明党が強く訴えてきた防災・減災ニューディールが着実に進みます。
東日本大震災の復興支援としては、復興特別会計に3兆6464億円を計上。被災地の道路整備や集団移転の促進、除染の加速化などを強力に進めます。
―今後の取り組みは。
石井 来年1月に予定される通常国会で、13年度補正予算案と14年度予算案を早期に成立させたいと思います。両予算案による切れ目ない経済対策で、雇用の拡大や賃金の上昇を図り、景気回復の効果を全国津々浦々に波及させていきます。
大都市や大企業のみならず、地方や中小企業、とりわけ家計に景気回復を実感していただくため、「経済再生の正念場」との決意で、予算の速やかな成立と執行に全力を挙げていきます。