e改正中国残留邦人支援法 漆原党PT座長に聞く
- 2014.01.06
- 情勢/国際
公明新聞:2013年12月28日(土)付
安心の暮らし実現へ
残された配偶者に月約4万3000円支給
日本に永住帰国した中国残留邦人(孤児)の配偶者に対する支援策を盛り込んだ、改正中国残留邦人支援法が先の臨時国会で成立した。そのポイントや意義について公明党中国残留孤児支援に関するプロジェクトチーム(PT)の漆原良夫座長(衆院議員)に聞いた。
――中国残留邦人とは。
漆原座長 終戦(1945年)の混乱時、中国の東北地方(旧満州地区)などで多くの日本人が親や兄弟と離別するなどして取り残されました。筆舌に尽くせない苦労を経験し、ようやく日本に帰国した際には、高齢で日本語の習得や自立した生活が困難な状況にありました。
――公明党の取り組みは。
漆原 私たちは中国残留邦人の帰国事業が本格化した1980年代から、社会的に弱い立場にある皆さんの窮状に耳を傾け、支援の充実を国会で訴え続けてきました。
そして着実に支援が進む中、2007年には(1)残留邦人に老齢基礎年金を満額支給(2)本人と配偶者に生活支援金を給付――が実現。この結果、年金と支援金を合わせ、夫婦に最大で月約18万円が支給されるようになりました。
――なぜ法改正したのか。
漆原 残された課題があったからです。それは残留邦人本人が先に亡くなると年金支給がなくなり、配偶者に対する支援金は約8万円に下がってしまいます。配偶者の大半は高齢で日本語が不自由な上、日本の生活習慣にも不慣れなため、支援金だけでは暮らしが困難でした。
このため公明党は、自民党との与党中国残留邦人支援に関するPTの中で、残された配偶者への支援策を求めてきました。今年6月には、田村憲久厚生労働相に対し、残留邦人の配偶者の処遇改善を要望。さらに野党にも協力を呼び掛け、12月6日に成立したのが「改正中国残留邦人支援法」です。
――実現する支援策は。
漆原 残留邦人が日本に永住帰国する前から婚姻関係にあった人を対象に、「配偶者支援金」を創設。月額約6万5000円の老齢基礎年金の3分の2に当たる、約4万3000円が給付されます。この支援金が加わることで月約12万円の支給に増えます。
配偶者の多くは、何十年にもわたり残留邦人と苦労を共にした方々です。少しでも安心して暮らしていただければと思います。