e本格復興年

  • 2014.01.10
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年1月10日(金)付



鍵は「住宅」「心」「フクシマ」
「東北再生」へ 正念場の1年 きめ細かな支援に心砕け



東日本大震災と東京電力福島第1原発事故からの復興に向けて、その正念場となる2014年が始まった。

「本格復興の年」との決意も固く、被災者の誰もが東北再生を実感できる1年としなければならない。自公政権2年目の、いや増した責任の重さをまず確認しておきたい。

「仕事始め」となった6日、岩手、宮城、福島の被災3県では、知事や市町村長らが年頭訓示で復興加速への決意を表明した。

いわく、「本格的な創造的復興に向けて、さらにスピードを上げる」(村井嘉浩・宮城県知事)、「形になって現れてきた復興の流れを、より確かなものにする」(佐藤雄平・福島県知事)、「目に見える形で生活再建を本格的に進める時がきた」(小田祐士・岩手県野田村村長)―。

被災地の首長らが口を揃えて「本格復興」を強調する背景には、昨年1年間、復興の前提である復旧事業が大きく前進したことがある。震災がれき処理は、福島県の一部を残して今年度内に完了するのが確実となり、国道や鉄道などの基幹インフラもほぼ復旧を終えている。

福島再生への胎動も感じられる。避難住民への新たな支援策や除染計画の見直し、中間貯蔵施設の建設などの新構想が相次ぎ打ち出され、年末には原子力損害賠償紛争審査会から新しい賠償指針も発表された。

民主党政権時代の"初動のつまずき"は自公政権下で着実に取り返され、本格復興へと進む環境が確実に整ってきたと見ていいだろう。連立政権は、来年度政府予算案の復興特別会計にも3兆6464億円を計上している。

となれば、あとは実行あるのみだ。年頭記者会見での「さらなる加速に全力を尽くす」との言葉通り、首相はリーダーシップを発揮し、復興施策を迅速かつ確実に推し進めていってもらいたい。

とりわけ重要なのは、被災者一人一人の生活再建と安全・安心に直結する「住の確保」と「心のケア」、および「原発事故の収束」への支援だろう。復興の形が見え始めた今こそ、なお27万人もの人々が避難生活を送っている現実を直視し、きめ細かな支援に心を砕いてほしい。

「本格復興年」の出発に当たり、公明党は「めざすは『人間の復興』である」(山口那津男代表)ことをあらためて確認した。この決意のままに、今年も全国の公明党議員一丸となって被災の最前線を駆け巡り、現場の声を行政の場に届け続ける覚悟である。

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