e無利子奨学金が拡充
- 2014.01.10
- 情勢/社会
公明新聞:2014年1月10日(金)付
過去最大の45万人に
来年度予算案で公明が推進
延滞利率の半減など返済対策も
留学生向け給付型も増
公明党が長年、制度の充実を進めてきた大学生などへの「奨学金制度」。このうち、「無利子枠の大幅な拡充」が来年度予算案に盛り込まれた。
予算案によると、無利子奨学金の事業費は3068億円(今年度比約156億円増)で、貸与人員は45万2000人(同2万6000人増)と、過去最大の人数になっている。
また、学生など若者が海外留学するための給付型の奨学金も拡充される。学位取得をめざし、海外の大学院へ長期留学する学生などを対象に今年度比50人増の250人に拡大するほか、海外の高等教育機関へ短期留学する学生を対象に同比1万人増の2万人に対して奨学金を給付する。
海外の大学などに留学した日本人学生数は、2004年をピークに減少傾向にあり、奨学金で若者が海外で活躍できる環境づくりを進める。
一方、卒業・中退後に、経済的な問題などで奨学金を返還できない延滞者の増加が社会問題化していることへの対応も講じた。
日本学生支援機構の調査によると、12年度に要返還者322万9000人のうち1割に当たる33万4000人が延滞している。
病気や失業などによって返還困難な事情が生じた場合の延滞者の救済策として、延滞金の利率を今年4月1日以降の分から現行の10%を5%へ引き下げるほか、返還期限猶予制度の制限年数を5年から10年に延長する。また、同制度の適用基準については世帯の扶養人数などによって緩和するように改める。
公明党は、昨夏の参院選の重点政策で無利子奨学金の拡充や奨学金延滞金利の引き下げなどを主張。現役大学生との懇談会も重ねる中、昨年5月には党学生局が学生の調査を基にした提言を下村博文文部科学相に提出し、奨学金制度の拡充を強く求めていた。