e2014年度予算案 暮らしに安心と活力<4> 復興、防災・減災
- 2014.01.21
- 生活/生活情報
公明新聞:2014年1月21日(火)付
公明の主張が反映
自治体向け交付金を増額
南海トラフ巨大地震や首都直下地震などの大規模災害は、いつ起こるか分かりません。老朽化した橋や道路、公共施設などインフラ(社会資本)の再構築が全国で喫緊の課題です。
14年度予算案では、総合的な防災・減災対策を実施する地方自治体向けの「防災・安全交付金」を、13年度当初予算比3.6%増となる1兆841億円を確保しました。建物の耐震化や密集市街地の防火対策、避難路の整備などに幅広く使われます。
国が実行する施策としては、戦略的なインフラの維持管理・更新に約3200億円を計上。インフラを低コストで長く安全に利用するために、レーザースキャナーを使った点検や最新の建築技術の応用を試みます。
また、高所にあり危険が伴うインフラの維持管理や災害現場の調査を安全かつ効率的に行えるロボットの現場での検証を通じた開発・導入を進めます。
被災情報の伝達
電子地図などシステム強化
大規模災害の被害を最小限に抑えるには、発災後の迅速な情報伝達が必要です。
14年度予算案には、国の災害対応拠点となる「防災センター」の電子地図に刻々と変化する被災情報を反映させて分析・共有できる、電子防災情報システムの整備が盛り込まれました。
現地にいる緊急災害対策派遣隊「TEC―FORCE」などの位置情報をリアルタイムで把握し、指示伝達の迅速化を実現。SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)などの情報「ビッグデータ」の活用も前進します。防災気象情報の高度化に向けては、91億円を計上。気象衛星「ひまわり8号」を打ち上げ、台風や集中豪雨などの監視・予測システムを強化します。
このほか、住民基本台帳を基に被災者支援に必要な情報を一元管理する被災者台帳の整備推進や、防災ボランティアの連携強化も新たに盛り込まれました。
「新しい東北」
民間アイデア66件を事業化
まちづくりや住宅の再建、避難住民の支援、除染......。いまだ課題が山積する東日本大震災からの復興を加速させるため、関連予算3兆6464億円を確保しました。
問題が長期化している福島の再生に関して、避難者の生活支援や早期帰還に向けた施策など、被災者のさまざまな要望に対応できる「福島再生加速化交付金」に、1600億円(13年度補正予算案512億円を含む)を確保しています。
一方、復興が単なる"現状復旧"で終わらないように、東北が少子高齢化や産業の空洞化といった問題の解決策を全国に先駆けて示すことをめざした「『新しい東北』先導モデル事業」に15億円を充てます。
具体的には、民間団体から自発的に提案された、子どもの遊び場作りや、温泉の熱を利用した発電・植物栽培など、66件の取り組みを事業化します。