e地域包括ケア住民と協働で構築
- 2014.01.21
- 生活/生活情報
公明新聞:2014年1月21日(火)付
中山間地で医療・介護が連携
党推進本部 岩手・一関市を視察
住み慣れた地域で医療や介護などのサービスを一体的に受けられる「地域包括ケアシステム」の構築に向け、公明党地域包括ケアシステム推進本部(桝屋敬悟本部長=衆院議員)の古屋範子副本部長(同)、輿水恵一事務局長(同)は20日、岩手県一関市の旧藤沢町地域を訪れ、医療と介護が連携して取り組む現場を視察した。公明党の地元市議らが同行した。
岩手県南部の中山間地域である旧藤沢町の人口は約8800人。高齢化率は約35%に上る。同地域では、1982年の福祉医療センター誕生により、保健・医療・福祉の連携がスタート。現在は同市国保藤沢病院(ベッド数54床)を中核として、老人保健施設や訪問看護ステーション、高齢者総合相談センターなどが一体となり、住民を支援する体制を構築している。
毎週火曜日には、関係事業所の担当者が連絡会議を行い、利用者の情報を共有。患者の退院後の受け入れ先なども含め、サービスを切れ目なく提供できるよう関係機関が密に連携を取っている。
また、同病院では、地域住民と医療従事者が話し合う「ナイトスクール」を約20年前から続けており、地域医療に対する住民の意識が高いのも特徴となっている。
この日、一行は、約30年前に医療と介護の連携に取り組んだ佐藤守・元藤沢町長と懇談。佐藤元町長は「長生きするということは全ての人が弱者になることだ。それを家庭だけで支えるのは難しい。生活の現場を持つ地方自治体が責任を持って、医療・介護を守ることが共生社会の原点だ」と強調した。
次いで一行は、藤沢病院や併設された「老健ふじさわ」などを視察し、病院事業管理者の佐藤元美氏をはじめ関係者と意見を交換した。佐藤氏は、病気などになっても住民が地域で生活できるようにするには、「患者を生活者として捉える視点が大事だ」として、住民との対話を重視してきた経緯を語った。
視察後、古屋さんは「旧藤沢町の理念と歴史に学ぶ点は多い。これを全国で実現できるよう取り組みたい」と語っていた。