e認定こども園

  • 2014.01.22
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年1月22日(水)付



幼保連携の進展に期待
十分な情報提供などが不可欠



2015年度に再スタートする「幼保連携型認定こども園」の保育要領の考え方について、政府の検討会は先週、報告書をとりまとめた。

報告書は、幼稚園と保育所の機能を併せ持つ認定こども園が0歳~5歳児までの幅広い年齢の子どもを受け入れ、利用時間にもばらつきがあることから、一人一人の子どもの生活リズムに配慮した指導計画を作成することなどを求めている。

先月下旬には、新たな認定こども園の認可基準の概要がまとめられた。保育要領や認可基準が整備されることで、導入に向けた自治体の計画作りが加速することを期待したい。

現行の認定こども園は06年度から設置が始まり、都市部での待機児童対策や、地方での幼稚園の定員割れ対策として効果を挙げている。13年4月現在で全国に1099施設まで広がっている。

タイプは4種類(幼保連携型、幼稚園型、保育所型、地方裁量型)あり、そのうち幼稚園と保育所のそれぞれの認可を受けた「幼保連携型」(594カ所)が半数以上を占める。

しかし、現行の幼保連携型認定こども園では、幼稚園機能は文部科学省、保育所機能は厚生労働省が管轄するため、事務手続きが煩雑になりがちだ。"二重行政"の弊害が指摘され、普及を遅らせる要因になってきた。

こうした問題を克服するため、15年度から認定こども園を単一の施設として内閣府の管轄のもとで認可・指導監督することになっている。

期待される新しい幼保連携型認定こども園だが、導入に向けての課題がないわけではない。

例えば、新たな認可基準では、運動場や屋外遊戯場の役割を果たす「園庭」の設置が盛り込まれたが、都市部などの既存の幼稚園や保育所では、用地の確保が難しいのが現状だ。

教育と保育の高い質を維持しながらも、円滑な移行を進めるため、知恵を絞る必要がある。

国や自治体をはじめとする行政側の十分な情報提供も欠かせない。

長年にわたり、幼稚園と保育所は縦割り行政の"厚い壁"で隔てられながら運営されてきた歴史がある。

各地の幼稚園や保育所で認定こども園へ移行をめざす動きが見られるが、行政手続きなどで不慣れなことが多いのが実情だという。

現場の不安に応えるためにも丁寧な対応を求めたい。

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