e2014年度予算案 暮らしに安心と活力2014年度予算案 <5>中小企業、農業
- 2014.01.23
- 情勢/経済
公明新聞:2014年1月23日(木)付
公明の主張が反映
黒字企業倍増へ
成長産業のものづくり支援
2014年度予算案では、日本経済の再生へ、中小企業の活性化に向けた新規事業が多く盛り込まれています。
その一つが、ものづくり中小企業への支援策です。環境やエネルギー、医療など成長分野に関わる研究開発から製品の販路開拓までを一貫して促す事業に126億円を計上。
ものづくりの現場を調査する党経済産業部会=昨年10月 静岡・富士市
さらに、中小企業や小規模事業者などが連携した新商品開発などを後押しするほか、1万社以上の新たな海外進出に向け、海外展開の戦略策定から現地進出までを支援します。
これらの施策の実行によって、黒字中小企業・小規模事業者数を2020年までに140万社に倍増させることをめざします。
また、低調な開業率を米英レベルの10%台にまで高めて産業を活性化させるため、全国300カ所で"創業予備軍"の発掘やビジネスプランの策定などを応援します。
資金繰り、事業再生
信用力乏しくても低利融資を受けやすく
14年度予算案の特長の一つは、中小企業活性化に欠かせない事業再生、資金繰り支援や、相談体制が強化されたことです。
具体的には、事業の収益性があるものの、財務上の問題を抱える中小企業・小規模事業者の事業再生を促すため、各都道府県の「中小企業再生支援協議会」が再生計画の策定などを支援します。
また、政府が日本政策金融公庫に利子補給(借り手の利子負担を軽減するため、利子の一部を負担すること)を行うことで、担保力や信用力に乏しい中小企業・小規模事業者に対する低利融資を促進。
さらに、信用保証協会の財務基盤を強化し、中小企業・小規模事業者が債務保証を受けやすくします。
一方、新規事業として、中小企業・小規模事業者の相談にワンストップ(1カ所)で対応する「よろず支援拠点」を全国に配置します。
活力創造の具体策
農地バンクで担い手へ集積
政府は今年から「農林水産業・地域の活力創造プラン」に基づく具体策に着手します。
このうち、農地の有効活用などを目的とした「農地中間管理機構」(農地バンク)を立ち上げるために305億円を計上。同機構は各都道府県に設置され、点在する農地や耕作放棄地を借り受けて集約し、担い手に貸し付ける"仲介役"の役割を担います。
農業水利施設の耐震化などを推進する「農業農村整備事業」には、2689億円を計上。5年後の生産調整(減反)廃止を視野に入れた経営所得安定対策の見直しと、日本型直接支払制度の創設にも取り組みます。生産物の価格が下落した際の収入減を補填する収入保険の導入に向けた調査費も盛り込みました。
農林水産物の輸出促進へ、国際的な衛生管理システム「HACCP」(ハサップ)対応型の漁港整備などを進めます。