e独法の「見える化」前進へ
- 2014.01.23
- 情勢/社会
公明新聞:2014年1月23日(木)付
党独法・特会改革委員会 竹谷とし子事務局長(参院議員)に聞く
独立行政法人改革政府が方針
資金の流れ 国民に明示
法人を100から87に統廃合
世界水準の研究開発を支援
―独法改革の方針が決まりました。
竹谷とし子事務局長 独立行政法人制度は2001年に、民間の経営手法を活用して国の政策を効率的・効果的に実施することを目的に創設された制度です。
しかし、つくられてから10年余りがたち、「独法を十分に国が監督できていない」「制度運用が硬直的で効率的な運営ができていない」「独法が何をしているのか国民に分かりづらい」などの指摘がされてきました。こうした声を受け、今回の改革方針が取りまとめられました。
公明党は、既に10年に独法制度を抜本的に見直す法案を提出しています(審議未了で廃案)。今回は、その趣旨を踏まえ、独法・特会改革委員会で大口善徳委員長(衆院議員)を中心に14回にわたり検討し、取りまとめた提言を昨年12月に政府へ申し入れました。
―改革方針に反映された公明党の主張は。
竹谷 改革方針に反映された公明党の主張は大きく三つあります。
第1に、目標・評価の仕組みを再構築します。各大臣が独法に目標を与え、その結果を評価し、改善するPDCA(Plan―Do―Check―Action)サイクルが機能するよう大臣の責任を強化します。そしてその評価が「お手盛り」にならないよう、第三者委員会がチェックするようにしました。
第2に、政策実施機能を最大化するために、100法人を87法人にしますが、公明党は、単なる数合わせのための統合や削減ではなく、国民のために必要な政策を確実に実施できるメリハリのある統廃合を要望してきました。
第3に、研究開発を行う独法の中でも、世界トップレベルの成果が期待される法人については、国家戦略に基づいて法人の研究・開発力を強化するため、別の法律により特例が創設されます。
さらに、これらの大前提としての、資金の流れの透明化「見える化」が、盛り込まれました。
ここまで改革の具体的な中身に踏み込んだ提言をしたのは公明党だけです。
―「見える化」とは。
竹谷 独法が何に(政策)、いくら(コスト)使って、どのような成果が出たのか、明らかにすることです。そのための一つのツールが会計制度です。既に、独法会計は複式簿記・発生主義の民間企業に準じたものになっています。しかし、その活用が不十分でした。これを業務改善に活用すると同時に、国民に分かりやすく開示するよう取り組みを進めます。国民の皆さまの税金が何にいくら使われているか、具体的な政策を実施する独法から「見える化」を進めていきたいと思います。
―今後の取り組みについて。
竹谷 改革に終わりはありません。ようやくスタート地点に立ったばかりともいえます。24日から始まる通常国会に今回の方針を具体化する法案が提出されます。法案が成立した後には、細かい部分を定めた政令・省令が出されます。これらの規定をチェックし、施行後も実施状況を監視して、改革案が真に国民の役に立ったと言えるものになるよう、引き続き不断の取り組みを進めていきたいと思います。