e山口代表の参院代表質問(要旨)
- 2014.01.31
- 情勢/解説
公明新聞:2014年1月31日(金)付
「やれば、できる。」―との総理の決意あふれる施政方針を伺いました。東日本大震災の発生から3年になろうとしていますが、大震災からの復興、福島の再生は政治の責任であり、公明党はこれまで以上に力を入れて取り組む決意です。
震災復興とともに、最優先で取り組んだのが経済の再生です。政権発足から1年、景気回復の足取りは確実に高まってきたと思われます。しかしながら、中小企業や一般家庭には、景気回復の効果が、まだ十分に及んでいないというのが実感ではないでしょうか。
4月には消費税が8%に引き上げられます。言うまでもなく、消費税の増収分はすべて社会保障の拡充強化のために充てられます。
安倍政権は、国民が望んでいる震災復興と経済再生を最優先に、社会保障の安定・強化を含め全力を傾注すべきと考えます。
大切な隣国である中国、韓国との関係改善も重要な課題です。胸襟を開いた対話と交流を進め、一日も早く首脳会談を実現できるよう、総理を先頭に政府も与党も努力しなくてはなりません。
景気・経済
回復の成果、家計にまで
連立政権発足から1年を経て、日本経済はデフレからの脱却に向かい、株価はこの1年で2倍近い上昇になりました。雇用も所得も伸びる兆しを見せております。自公連立政権が優先順位を明確にしてひた向きに経済対策に取り組んだ結果と考えます。
しかし、日本経済の本格的な成長への軌道は緒に就いたばかりです。景気回復の勢いと実感を家計、地域経済、全国の中小・小規模企業へと浸透させていくことが、今年の最重要課題であります。
賃金上昇への努力
景気回復の成果を「家計」に浸透させるためには、日本経済の好転によってもたらされた企業収益の拡大を賃金上昇につなげることが必要不可欠です。国民一人一人に「可処分所得が増えた」と実感を持っていただくことが何よりも重要です。そのためには、民間企業の方々に努力していただくことも大切であり、後押しをするために、経済対策や税制措置を決定しました。政府は今後、賃上げの状況と政策の効果をフォローアップすることで、成果を確実にすることが求められると考えます。
税制改正
2014年度税制改正に際しては、昨年、秋と年末の2回にわたって与党税制改正大綱を策定し、「デフレ脱却・日本経済再生」「税制抜本改革の着実な実施」「復興支援」という三つのテーマを柱に掲げ、税制措置を決定しました。特に、デフレ脱却という観点からは、設備投資を促進する税制や、民間企業によるベンチャー投資促進、給与を拡大した企業に減税する所得拡大促進税制の拡充を決定し、経済の好循環を後押しする環境を整えました。
今後、経済の好循環を起動させていくためには、名目賃金上昇がなるべく速やかに物価上昇に追いつき、実質所得を減少させないことが重要であり、政府にはその環境づくりが期待されています。
4月から、消費税率が引き上げられますが、消費税が適切に転嫁されるよう、政府としてしっかりと監視を強化することが必要と考えます。
補正予算、当初予算
13年度補正予算は、14年度当初予算と直結する「15カ月予算」と位置付けられ、消費税率の引き上げによって生じる影響を抑制するだけでなく、回復基調にある景気・経済の再生を本格軌道に乗せるための予算であります。補正予算には、競争力強化のための投資整備、イノベーション創出のためのメニューなど経済を安定的に成長させていくための施策が、多岐にわたり盛り込まれています。
女性・若者・高齢者支援
多様な働き方、選択可能に
少子高齢化が進み、労働力人口が減少する日本では、女性、若者、元気な高齢者や障がい者など、働きたいと希望する人たちが十分に能力を発揮して働ける「全員参加型社会」への移行が不可欠です。そのためには、多様な働き方を選択できることが重要であり、ワーク・ライフ・バランスの実現に向けた施策の充実が求められます。
女性支援、男性の育休
女性の社会進出が増えていく中で、依然として会社役員や管理職は男性が大半を占める傾向にあり、女性も男性も働きやすい環境の整備が必要です。
ポジティブ・アクションや仕事と子育ての両立支援に取り組む企業に対し助成措置を拡充するなど、企業における女性の活躍を推進すべきです。また、男性の育児休業取得率は依然として低く、育児休業給付の拡充や、育児休業を取得しやすい職場づくりをさらに進めなければなりません。
若年支援、学び直し
若者の雇用については、不本意に非正規雇用で働く人々への支援や、若者の「使い捨て」が疑われる企業への対策を強化するとともに、良質な雇用の創出が重要です。特に非正規労働者に対しては、助成金等を活用し正規雇用化や処遇改善を促進するとともに、雇用保険法改正による教育訓練給付の拡充により、資格取得など自発的な学び直しを支援することで、キャリア・アップ、キャリア・チェンジを力強く応援していくことが大切です。
高齢者・障がい者支援
高齢化率の上昇が予想される中、働く意欲をもつ高齢者が、それまで培った能力や経験を生かし、「生涯現役」で活躍できる環境の整備が不可欠です。
また、障がい者や難病患者に対しては、社会参加や就労への支援を充実させ、活躍の機会を拡大する必要があると考えます。
雇用制度の在り方
現在、政府において雇用制度の在り方が検討されていますが、産業競争力を強化するだけでなく、労働者の目線からワーク・ライフ・バランスの実現に資する内容とすることが重要です。労働時間法制の見直しについては、過重労働防止を前提とすることはもちろん、有期雇用を無期雇用に転換する制度の特例に関し、対象となる労働者の範囲などについても慎重な検討を要します。労働者派遣制度については、臨時、一時的な働き方であるとの位置付けを原則に、常用雇用の代替を防止する観点を維持しつつ、労働者の処遇改善やキャリア・アップを推進すべきです。
被災地の復興加速
住宅、まちづくりが急務
東日本大震災と東京電力福島第1原発事故災害から、間もなく3年を迎えます。安倍政権発足以来、政府与党が一丸となって、被災地の復興を最優先課題として掲げ、さまざまな施策を講じてきました。災害廃棄物処理が91%終了し、また、直轄国道の99%が復旧、鉄道の運行が89%再開されるなど、多くの基幹公共インフラの本格復旧が進んできています。
一方で、災害公営住宅等の復興住宅や防災集団移転等の復興まちづくりについては、ようやく進み始めた状況です。5年間の集中復興期間の折り返し点は既に過ぎており、今年は、復興加速においても正念場です。被災者の方々が心から復興を実感するためには、住宅・まちづくりについても、地方の要望や被災者の多様なニーズを十分踏まえて、目に見える形で本格的な復興の加速が極めて重要です。
福島の地元では、ここでの苦しい実態が忘れ去られてしまうのではないかとの懸念の声が上がる中で、昨年11月に、福島の復興加速を図るため、公明・自民の両党で第3次提言を取りまとめました。昨年12月に策定された政府の新指針と13年度補正予算案および14年度予算案は、この提言に沿った内容となっており、評価したいと思います。
今回の指針では、放射線の健康不安に対する対策、賠償の追加、そして1600億円を計上した新たな「福島再生加速化交付金」などの措置で、福島の被災者の方々をしっかり支えていける基盤が、ある程度整ってきていると思います。
この点からも、13年度補正予算案および14年度予算案の一刻も早い成立と円滑な執行が求められます。
また、福島県では、同じ市町村内で異なる避難指示区域が存在しているために、賠償格差が生じていることが課題となっています。さらに、福島再生のためには、廃炉・汚染水問題、風評被害への対策の充実と加速が不可欠です。
昨年12月に政府が発表した廃炉・汚染水問題に関する予防的・重層的な追加対策をどのように進めていくのか、見解を伺います。
防災・減災
老朽マンション対策推進を
一昨年、中央自動車道笹子トンネルで発生した事故を契機として、インフラ老朽化対策の具体化が急務となっております。太田国土交通大臣は昨年を「メンテナンス元年」と位置付け、インフラ老朽化対策の着実な推進を優先課題に据えてこられましたが、インフラ長寿命化計画の策定に当たって、小規模な自治体から、費用だけでなく技術的なバックアップを求める声が上がっております。地方自治体が管轄するインフラも少なくないことから、国だけでなく地方自治体の取り組みも重要です。そこで、小さな自治体に対するインフラ老朽化対策に関する支援を求めるとともに、具体的な取り組みについて太田大臣の見解を求めます。
公明党は老朽化したインフラへの対策と同時に、インフラの防災・減災対策を推し進める防災・減災ニューディールを主張してまいりました。昨年の臨時国会で、この考え方を反映した「防災・減災等に資する国土強靱化基本法」が成立し、いよいよ災害に強い国土づくりが本格化します。
特に強靱化推進の根拠となる「脆弱性評価」がスタートします。脆弱性評価は事業の必要性などを客観的に示すために欠かせないものですが、インフラ老朽化対策と同様に、地方自治体では、技術力や人材不足などで、脆弱性評価の実施に不安を覚えるとの声が高まっております。防災・減災に資するインフラの長寿命化・老朽化対策等を迅速かつ着実に実施するためには、国だけでなく、地方自治体の取り組みも非常に重要であります。基本法を踏まえた強靱な国土形成の観点に立って、予算措置や制度設計、推進体制をどう図るか、自治体に対しどのような支援を行うのか見解を求めます。
マンション建て替え
首都直下や南海トラフ等の巨大地震が発生する恐れがある中で、耐震性が不足しているマンションの建て替え等が喫緊の課題となっています。マンションは全国で590万戸あるといわれていますが、このうち1981年以前に建てられた古い耐震基準のマンションは、106万戸を超え、その多くは、耐震性などに問題があるとみられています。東日本大震災において、発災時のマンション特有の問題も明らかになってきたと思われます。今後、発生が予測される災害に備えるためにも、マンションに特化した防災・減災対策や災害発生時の備えについて取りまとめ、広く周知すべきだと訴えます。
耐震改修については昨年、「建築物の耐震改修の促進に関する法律」の改正が行われ、決議要件が4分の3以上から過半数に緩和されました。改修の進展が期待されるところですが、建て替えについては、やはりマンション特有の区分所有という性質から、合意形成はなかなか進まないのが実態です。公明党は老朽化したマンションの建て替えを行う場合の容積率緩和などを盛り込んだ再生促進方策に関する提言を出しているところですが、建て替え促進について、太田国土交通大臣の見解を求めます。
外交・安全保障
アジア諸国と協力深めよ
私は、インド政府の招聘で、1月5日から12日にかけてインドの3都市を訪問しました。政府要人をはじめ、政党、経済、学術関係者らと幅広い分野で意見交換ができたことは、日印関係をより一層深める契機になったと確信しています。特に、シン首相との会談では、日印両国が戦略的グローバルパートナーシップを深化させてきたことを踏まえ、二国間協力関係のさらなる強化とともに、経済成長を支える日本企業の貢献や円借款への評価について確認することができました。
安倍総理も先日、インドを訪問され、シン首相との会談では、経済や安全保障分野での関係強化を盛り込んで、共同声明に署名されました。インドの持続的な成長を維持するためには、カギを握る製造業の発展が不可欠であり、そのための我が国の支援が重要となります。日本の協力がインドの発展を支え、ひいてはアジアの安定と繁栄に貢献していることをあらためて認識し、今後も引き続き対話を通じて、アジア諸国との協力関係の強化に積極的な役割を果たしていくべきだと思います。
武器輸出三原則見直し
昨年末に策定された国家安全保障戦略において新たな原則の方向性が示され、これに基づき、現在、政府における検討作業が進められています。
これまで我が国は、武器輸出三原則の基本理念を堅持し、平和国家としての歩みを着実に進めてきました。新たな原則を策定するに当たっては、平和国家としての理念を堅持しつつ、輸出を認める場合の厳格審査や目的外使用および第三国移転に係る適正管理などについて明確な歯止めが必要です。武器輸出三原則が果たしてきた役割をどのように評価し、今後の原則の策定作業を進めようとしておられるのか伺います。
平和外交
今春、核兵器を持たない12カ国でつくる「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」の外相会合が広島で開催される運びとなりました。広島、長崎への原爆投下、そして終戦から70年の節目を迎える2015年に向け、同会合が被爆地で開催される意義は極めて大きいものがあります。唯一の被爆国である我が国には、同会合で世界をリードする提案を行い、核兵器のない世界の構築に向けた取り組みを加速化させる権利と責任があると考えます。
また、核廃絶の取り組みとともに、平和外交の柱として我が国が推進してきたのが、「人間の安全保障」分野における貢献です。これまで公明党も、政府開発援助の積極的活用と国連「ミレニアム開発目標」の達成に向けた取り組みを推進するとともに、地雷除去および探知技術の提供やクラスター弾禁止条約の批准などにも尽力してきました。
今国会では、通常兵器の国際取引を規制する武器貿易条約(ATT)の提出が予定されています。公明党は、紛争地で多大な犠牲者を出している小型武器等を規制する必要性についていち早く取り上げ、武器貿易条約の早期実現を訴えてきました。今後は、課題となっている武器輸出国の条約参加を含め、我が国が国際社会と協調して条約の実効性を高める取り組みを主導していくべきだと考えます。
教 育
教育委員会制度改革
教育委員会制度については、いじめや体罰などの学校の事件をきっかけに形骸化が指摘されており、公明党としても見直しを検討する必要があると考えています。
しかし、先月、中央教育審議会が答申で示した改革案では、教育行政の権限を合議制の教育委員会から政治家である首長に移行することとしており、この案で教育の政治的中立性が保てるのか、疑問を禁じ得ません。教育委員会制度の改革については、さらに検討を重ね、教育の政治的中立性や継続性、安定性を制度的に担保した上で、教育委員会が緊急に児童・生徒等の生命や身体の保護を要する時にも迅速に意思決定し、十分な責任を果たせる体制に改めるべきだと考えます。
道徳教育
総理は施政方針演説の中で、道徳を「特別の教科として位置付ける」との方針を表明されました。先月取りまとめられた「道徳教育の充実に関する懇談会」の報告書で、一定の方向性が示されたところです。
道徳教育の主眼は、学校教育全体の責任のもと、教師が子どもの視点に立ちながら、他者と共に生きる大切さや社会的規範意識など、生きる上での基盤となる価値観を自ら培えるよう教え育むことにあると考えます。
しかし、懇談会の報告書に沿い、検定教科書や教員養成課程の認定などを導入することには、「国が特定の価値観を押し付けることにつながるのではないか」と懸念する声が根強くあります。
道徳教育を特別の教科と位置付けるに当たっては、こうした意見に十分耳を傾け、教育現場の実情も踏まえて慎重に検討する必要があると考えます。
エネルギー政策
現在、中長期的なエネルギー政策の方針となるエネルギー基本計画策定に向けた議論がなされております。
エネルギー基本計画策定に当たっては、我が国を取り巻くエネルギーをめぐる数々の課題を直視し、東日本大震災以降混乱したエネルギー政策を立て直す必要があると考えます。
一方で、自公連立政権で合意しているとおり、原発の依存度を下げるべく、省エネ・再エネの導入を最大限加速し、具体的な成果を挙げるとともに、火力発電所の高効率化など技術革新について政府として全力を挙げるという方向性を明確に示すべきだと考えます。
原発の再稼働、輸出については福島事故の知見や教訓を生かすなど、安全確保に万全を期した政策の遂行が重要であると考えます。
核燃料サイクル政策についても、直接処分を含めた検討を行うとともに、高速増殖炉「もんじゅ」については、研究成果を取りまとめた後、研究を終了させるべきだと考えます。
これら我が党の主張を踏まえたエネルギー基本計画の策定を求めます。
環 境
COP19を目前にした昨年11月、政府は2020年に向けた新目標として、温室効果ガスの「05年度比3・8%削減」を決定しました。数字を掲げたことは評価しますが、今後、原発の活用の在り方を含めたエネルギー政策等の検討の進展を踏まえて見直し、確定的な目標設定が必要です。
折しも今年3月にはIPCC(国連の気候変動に関する政府間パネル)の総会が日本で初めて開催されます。より積極的な取り組みを示さなければ姿勢が問われます。国益の観点からも、温暖化対策における日本の発言力が低下することのないよう、政府として、どのような具体策を打ち出そうとしているのか、答弁を求めます。
2020年東京五輪
20年の東京オリンピック・パラリンピックの成功に向けて今年は本格的な助走開始となります。国民の支持と理解の下に招致できた五輪は、東京だけの五輪ではなく、オールジャパンで取り組み、その効果もオールジャパンで享受できるようにすべきだと考えます。
しかし五輪によって、東京一極集中がさらに加速するのではないかとの懸念の声もあります。下村五輪担当相は、道府県ごとに国や競技を割り振り、各地で合宿の受け入れや予選を実施するとの考えを示されました。地方に確実に効果を波及させるために、観光資源の活用も含めて具体的にどのように取り組まれるのか、明確な答弁を求めます。
選挙制度改革
参議院選挙の1票の格差をめぐっては、「違憲状態」「違憲」など15件の高裁判決が下されました。さらに最高裁の判決が出ると予想される中、立法府として司法の判断を踏まえ、投票価値の平等の実現に向けて結論を出していく責務を負っていることを忘れてはなりません。
公職選挙法の付則には、「平成28年に行われる参議院議員の通常選挙に向けて」「選挙制度の抜本的な見直しについて引き続き検討を行い、結論を得るものとする」と明記されています。
国民への周知期間なども考慮すれば、もはや猶予はありません。参議院は、より民意を反映できる選挙制度の実現に全力で取り組んでまいります。
◇
公明党は今年、結党50周年という節目を迎えます。「大衆とともに」との立党精神に立脚し、国民の幸福を願い、国の安泰、世界の平和を実現していくという公明党の基本的な目標は今後も変わりません。この間、ご理解とご支援を頂いた国民の皆さま、切磋琢磨と協力の機会を頂いた各政党・各会派ならびに先輩・同僚の議員諸兄の皆さまに深く感謝申し上げます。節目に当たり、50年の歴史を振り返りながら、結党の意義とその後の日本の政治史に果たした役割を再確認し、国民の期待に応えていく決意を新たにしております。
その上で安倍総理には、この連立政権の風雪に耐えた経験と与党それぞれの持ち味を生かして、政治課題の優先順位を整え、幅広い合意形成に努め、国民の期待に応えていかれることを切に願いまして、私の質問といたします。
山口代表に対する安倍首相らの答弁(要旨)
【安倍晋三首相】
一、(女性、若者、高齢者支援について)全員参加型社会に向けて、仕事と育児の両立支援、非正規から正規へのキャリア・アップ支援、高齢者への就業機会の提供をはじめ、取り組むべき課題は多岐にわたる。山口議員から頂いた提言をしっかり踏まえ、今後とも政府与党一体となって一つ一つ政策を前に進めていく。
一、(東日本大震災の復興について)これまで公明党から3次にわたり、貴重なご意見を頂くなど、政府与党一丸となって復興の加速化に取り組んできた。1年半前、見通しすらなかった高台移転や災害公営住宅の建設は6割を超える事業が開始した。がれき処理は3月末までに宮城、岩手で完了する見込みだ。復興は着実に進展している。
一、(武器輸出三原則の見直しについて)国連憲章を順守するとの平和国家としての基本理念は維持していく。
一、(核兵器のない世界の構築について)「軍縮・不拡散イニシアチブ」外相会合で、政府としては核兵器のない世界の構築に向けた取り組みを加速化させるための有益な提案を積極的に行っていく。
一、(教育委員会制度改革について)与党のご意見も頂きながら、教育委員会制度を抜本的に改革していく。
一、(道徳の教科化について)道徳教育の現状を踏まえ、道徳教育に関わる方々の意見も伺いながら、その具体的な在り方について適切に検討していく。
【太田昭宏国土交通相】
一、(インフラ老朽化対策について)計画的な長寿命化を進めるため、本年春ごろまでに国土交通省のインフラ長寿命化計画を取りまとめて示す予定で、各地方自治体で老朽化対策が進むよう支援していきたいと考えている。
一、(老朽化マンションの建て替え促進について)容積率の緩和や区分所有者の5分の4以上の賛成で、マンションと敷地を売却できる制度の創設などを内容とするマンション建て替え円滑化法改正案を今国会に提出する予定だ。