e中小企業の賃上げ促せ

  • 2014.02.03
  • 情勢/経済
[画像]メインイメージ

公明新聞:2014年2月1日(土)付



社会保障改革(地域包括ケアなど)着実に
中韓と首脳会談へ努力を
衆院予算委で石井政調会長



普天間移設 沖縄の負担軽減進めよ

衆院予算委員会は31日、安倍晋三首相と全閣僚が出席して2013年度補正予算案の基本的質疑を行い、公明党の石井啓一政務調査会長が質問に立った。

この中で石井政調会長は、安倍首相の積極的なトップ外交を評価する一方、「中国、韓国と関係改善が進まないのは残念だ」と主張。より積極的に日本から対話・交流を呼び掛け、首脳会談実現へ努力を促したのに対し、安倍首相は民間・議員交流や共通課題での政府間交流などを重ね、実現に努めると答えた。

武器輸出三原則の見直しで石井政調会長は、「積極的に武器輸出する姿勢に転換するのではとの批判もある」と指摘。菅義偉官房長官は、武器移転を認める場合は厳格に審査するなどと説明した。

また沖縄の米軍普天間飛行場移設問題に触れ、「目に見える形で基地負担軽減を」と要望。安倍首相は沖縄県から負担軽減の具体的要望を受けているとして、「政府を挙げて実現に取り組む」と応じた。

一方、石井政調会長は(1)4月の消費税率8%への引き上げを円滑に乗り切れるか(2)実感できる景気回復が実現できるか―の二つの観点から「本年は経済再生の正念場だ」と指摘。景気回復の実感を地域や中小企業、家計に波及させていくには、企業収益を雇用拡大や賃金引き上げにつなげ、消費を拡大していく「『経済の好循環』が不可欠」と訴えた。

また、消費税率引き上げでは、中小企業が納める製品価格に増税分を上乗せしない行為などがあってはならないとして「(政府は)しっかりと調査、指導を」と要請。安倍首相は、価格転嫁の拒否に対する取り締まりを強化するとともに、相談に丁寧に応じていく必要性を力説した。

さらに、石井政調会長は「14年度は消費税の増収分を活用した社会保障制度改革のスタートの年だ」と強調。住み慣れた地域で医療や介護などのサービスを一体的に受けられる地域包括ケアシステムの構築など「社会保障制度改革を着実に実施することが消費税率引き上げへの国民の理解を深める」と訴えた。

加えて石井政調会長は「課題は中小企業・小規模事業者の従業員と非正規労働者の賃上げだ」と指摘。そのためには、公明党の提案で設置された政府の政労使(政府、経済界、労働界の代表者)会議の結論を踏まえ、中小企業・小規模事業者の「下請け価格引き上げが重要」と主張した。

安倍首相は、ものづくり・商業・サービス革新補助金などの採択では「賃上げを実施する事業者を優先的に採択する」との方針を表明した。

石井政調会長は、政労使会議が非正規労働者の正規雇用への転換や処遇改善を進める必要性を指摘している点に触れ、「社会保障政策や社会の安定の面からも重要な課題だ」と訴えた。

このほか石井政調会長は、東日本大震災の復興加速について、高台移転の用地取得の迅速化が大きな課題だとして、さらなる加速化措置の検討を求めた。

月別アーカイブ

iこのページの先頭へ