eソチ五輪 日本選手の活躍に期待

  • 2014.02.04
  • 情勢/解説

公明新聞:2014年2月4日(火)付



「平和の祭典」 安全確保を万全に



ソチ冬季五輪が今週7日に開幕する。4年に1度の開催となる冬の祭典は、アスリートにとっては憧れの舞台だ。出場選手には、日ごろの鍛錬の成果をいかんなく発揮し、世界に感動を与える活躍を期待したい。

大会は、23日までスキー、スケートなど7競技98種目が実施される。出場する日本人選手は113人。これまで日本勢が冬季五輪で獲得したメダルの数は、1998年長野大会の10個が最多だが、今回は、これを上回ることを目標にしている。

日本は、2年前のロンドン夏季五輪でも、公明党が設置に尽力した練習拠点であるナショナルトレーニングセンター(NTC、東京・北区)の活用を原動力に、過去最多の38個のメダルを獲得した。NTCは、専用練習場に加え、隣接する国立スポーツ科学センターから最先端のスポーツ科学・医学・情報を提供し、選手の競技レベル向上に貢献した。

冬季競技については、各地の専用施設が「ナショナルトレーニングセンター競技別強化拠点」に指定され、チーム強化や医科学サポートなどの後押しが行われている。今大会もスキー・ジャンプや、フィギュアスケートなど有望種目が多く、活躍が楽しみである。

一方で、大会の運営面では、気になる点もある。

本来、五輪と政治問題は切り離して考えられるべきだが、開催国であるロシアと欧米諸国の間で開会式出席をめぐって応酬があった。いささか残念だったと言わざるを得ない。

安全対策も心配である。ソチに隣接するカフカス地方に拠点を置く武装勢力が、五輪の妨害を宣言しているからだ。昨年末には、ソチから約700キロの距離にあるボルゴグラードで2日続けて自爆テロ事件が起き、多数の死傷者が出た。

今大会の安全を確保するため、ロシア政府は、軍や警官4万人を動員し、空前の厳戒態勢を敷いているという。こうしたものものしさは、平和の祭典に、ふさわしくないが、世界中からアスリートや政府の要人、観客などが集まる五輪開催地で、悲惨なテロなどを起こさせないよう、万全の警備を尽くしてもらいたい。

スポーツの影響力は大きい。見る者には感動をもたらし、子どもたちの夢を育む。国籍や民族、言語の違いを超えて、人と人を結び付ける魅力がある。平和の祭典を存分に楽しみたい。

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