e参院予算委 魚住参院会長の質疑要旨
- 2014.02.07
- 情勢/解説
公明新聞:2014年2月7日(金)付
福島を研究開発拠点に
育休給付 支給要件見直し必要
6日の参院予算委員会での魚住裕一郎参院会長の質問と答弁の要旨は次の通り。
簡素な給付措置
魚住裕一郎参院会長 4月の消費税率引き上げに伴い、低所得者に簡素な給付措置として臨時福祉給付金が支給される。市町村民税非課税者が対象となるが、どのような広報を行うのか。
佐藤茂樹厚生労働副大臣(公明党) 特設ホームページの開設や専用ダイヤルの設置のほか、新聞広告やテレビコマーシャルなどを順次実施する。また、地方自治体が行う広報についても、国が全額補助する。
魚住 「あなたは支給対象です」と相手にターゲットを絞った周知については、「税情報を税務当局以外で使わざるを得ないとなると、個人情報保護の問題はどうなのか」と指摘されていた。具体的にどうしていくのか。
厚労副大臣 3日の地方自治体向け説明会で提示したところだが、市町村の税務課の業務として2014年度分の非課税者に対し、課税されていない旨を確認するお知らせを行い、そこに給付金のお知らせや申請書を同封すれば、守秘義務の問題は生じないと示した。
中小企業支援
魚住 補正予算では中小企業・小規模事業者向けのさまざまな補助金があるが、周知徹底の方針は。
茂木敏充経済産業相 パンフレットを180万部作製して、中小企業団体や自治体などに配布し、全国で説明会を行っている。中小企業支援のポータルサイト「ミラサポ」に特設ホームページも作った。申請書類が膨大との声もあったため、今回は書類を従来の3分の1にした。
魚住 補正予算に創業促進補助金があるが、NPOなどの非営利法人は対象外と聞いている。NPO法人は全国に約4万8000あり、地域の雇用や活性化に役立っている上、起業の約半数は女性だ。女性の活躍推進という観点から対象とするべきだ。
経産相 3月に行う公募において、NPO法人の設立をめざす事業者も支援対象としたい。
育児休業給付
魚住 育児休業給付は現在、月10日以下の就労であれば給付が受けられるが、1日1時間でも働くと就労日として算定されてしまう。支給要件を見直すべきではないか。
厚労副大臣 要件を1日単位から時間単位にすることについては、公明党女性委員会からも同じ指摘を受けている。労働政策審議会で労使の意見を聞き、検討したい。
消費者問題
魚住 昨年秋、メニューの虚偽表示が大きな問題になった。早急にガイドラインをまとめるとともに、(消費者が)納得できるものにすべきだ。
森雅子消費者担当相 消費者の感覚、意見を参考にしつつ、分かりやすいガイドラインを作っていく。
魚住 ガス湯沸かし器による(一酸化炭素中毒死)事故で、消費者安全調査委員会(消費者事故調)の報告書が出た。真摯かつ丁寧に、遺族に説明することを要望する。
消費者担当相 二度と同じような事故を起こさせない、リコール(回収・無償修理)制度の効果的な運用も、今後検討したい。
被災地の復興加速・福島再生
魚住 東日本大震災から3年を迎えるが、(復興は)まだまだ道半ばであり、加速しなければいけない。だが、建設労働者の不足が深刻だ。
太田昭宏国土交通相(公明党) 待遇改善で若手の入職者を促進し、一度離れた技能労働者が戻ってくるようにし、外国人研修生が活躍できる舞台をつくるという三つの措置がある。関係省庁が連携する体制をつくった。
魚住 「福島・国際研究産業都市構想研究会」は、(東京電力福島第1原発事故で被害を受けた)浜通り地方に明るい未来構想だ。その狙いは。
赤羽一嘉経済産業副大臣(公明党) 20年を目途に画期的、先進的な新産業が集積され、魅力あふれる地域再生を大胆に実現したい。6月に将来像の提言を行う予定だ。
日韓関係
魚住 来年は日韓国交回復から50年であり、4年後に韓国の平昌で冬季五輪、20年に東京五輪・パラリンピックが行われる。待ったなしで関係改善へ行動を起こすべきだ。
安倍晋三首相 課題があるからこそ胸襟を開いて、前提条件を付けずに首脳会談を行うべきだ。対話のドアは常にオープンだが、ドアの中で待っているだけでなく、積極的に出て行って、首脳会談、政治レベルの交流が実現するよう努力を重ねたい。
核軍縮・不拡散
魚住 「軍縮・不拡散イニシアチブ(NPDI)」外相会議が今年4月、広島市で行われる。外相の決意は。
岸田文雄外相 唯一の被爆国として核兵器のない世界をめざすために、国際世論をリードするのは、わが国の道義的責任だ。NPDI12カ国の外相に直接、被爆の実相に触れてもらい、国際社会に発信したい。