e「瀬戸内海圏」構築を

  • 2014.02.10
  • 情勢/社会
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公明新聞:2014年2月10日(月)付



観光活性化テーマにフォーラム
地域資源見つけ魅力発信
兵庫・淡路島で党離島振興本部



公明党離島振興対策本部(遠山清彦本部長=衆院議員)の「瀬戸内海フォーラム」(山本博司座長=参院議員)は9日、兵庫県淡路島の淡路市でフォーラムを盛大に開催した。

講演とシンポジウムの2部形式で行われ、遠山、山本の両氏のほか、赤羽一嘉(兵庫県本部代表)、中野洋昌、濱村進の各衆院議員、谷合正明参院議員をはじめ、多数の来賓が参加。中西進・奈良県立万葉文化館名誉館長(京都市立芸術大学名誉教授)が基調講演を行った。



シンポジウムでは、「淡路島と瀬戸内海の観光活性化」をテーマに約1時間、活発な討論が行われ、中西、遠山氏らのほか、ひょうごツーリズム戦略推進委員会の玉田恵美委員、国土交通省観光庁の篠原康弘審議官が出席した。

席上、中西氏は「海には計り知れない資源がある」と主張。

篠原氏は一昨年の瀬戸内沿岸7県の日本人宿泊者数を紹介し、瀬戸内海近辺以外の自治体からの集客が課題とした。その上で瀬戸内海の各地域が資源を見つけ伸ばすとともに、広域連携でその資源を生かす重要性を語った。

玉田氏は、「地元の人が地元の魅力を積極的に発信することが観光の第一歩。市民や行政に加え、観光客が持つ発信力も借りるべきだ」と述べた。

遠山氏は、政府主導でこれまで行ってきた取り組みには形骸化している施策もあると指摘した上で、「地域の発展に向けて地元で団結してビジョンをつくることが大切だ」と訴えた。

一方、来賓あいさつで井戸敏三・兵庫県知事は、「漁場、美観を守り、人と海との調和を築きながら、瀬戸内海の多様性を生かす政策づくりの契機にしてほしい」と期待を表明。

赤羽県代表は、ニュージーランドの著名なヨットレーサーが「瀬戸内海は世界で一番美しい」と語ったことを紹介し、「瀬戸内海に面する関係7県という横軸と、国・地方の縦軸で日本の宝を守っていきたい」と訴えた。
「世界に誇るべき財産」



中西奈良県立万葉文化館名誉館長が講演で強調


講演の中で中西氏は、陸地に囲まれた内海のうち、瀬戸内海について、「一国内にあるという点で世界的に特殊な存在だ」と強調。さらに複数の国家間に囲まれる内海は、「地中海や日本海のほか極めて少ない」とし、「日本の有す二つの内海は、世界に誇るべき財産」と訴えた。

また瀬戸内海の活性化策にも触れ、国内への認知を広げるため「瀬戸内海圏」の構築を提唱。その上で瀬戸内海に面する県の知事が合同に会する「知事サミット」の開催を求める一方、国内外の文化を運んできた"回廊"としての役割などを掘り下げる「瀬戸内海学」の確立を提案し、子どもへの教育に活用するよう念願した。

さらに、中西氏は瀬戸内海圏を、緯度と経度を考慮し四つの圏に分割し活性化する方法を提示し、多島海域など各圏の特色を踏まえながら、「文化」「産業」「観光」「住環境」のテーマに絞り議論を深めるよう求めるとともに、「人との調和を考え、内海という財産を輝かせていってほしい」と述べた。

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