e震災がれき(岩手、宮城)処理完了へ
- 2014.02.12
- 情勢/社会
公明新聞:2014年2月12日(水)付
16都府県が広域受け入れ
福島(避難区域除く)は14年度中めざす
公明、ネットワークで後押し
東日本大震災から11日で2年11カ月が経過した。この間、被災地で復興加速のバロメーターとなったのが、がれき処理だ。環境省によると、地震や津波で発生した岩手、宮城、福島(東京電力福島第1原発の避難区域を除く)3県の震災がれき1686万トンのうち、94%に当たる1582万トンが昨年12月末までに処理された。岩手、宮城の両県に限れば処理率は97%となり、目標としていた今年3月までに、震災がれきの処理を完了する見込みが強まった【グラフ参照】。
3県別のがれき処理率は、岩手県96%、宮城県98%、福島県64%。最も進んでいる宮城県では1月18日に可燃物の処理を終えたほか、名取市、岩沼市、亘理町、利府町、松島町で全ての作業を完了した。
岩手、宮城両県のがれき処理が進んだ要因の一つとして、被災地以外の自治体でがれきを受け入れる「広域処理」が挙げられる。震災で発生したがれきの量は、年間に排出される一般廃棄物と比べて岩手県で9倍、宮城県で14倍に上り、県内だけでは施設の不足などで思うように処理が進まなかった。
そこで公明党は、オールジャパン体制で復旧・復興を進めるために広域処理を推進。井上義久幹事長が2011年11月に「公明党の地方議員のネットワークを通じて、できるだけ多くの自治体で受け入れてもらえるように取り組みたい」と力説し、党内に「災害廃棄物広域処理推進チーム」を設置した。
これを受け、全国の議会で公明党の地方議員が広域処理への協力を強く呼び掛けた結果、合計16都府県でがれきの広域処理を受け入れた。これまでに岩手県から31万トン、宮城県から29万トンのがれきが各地に運搬され、13府県で作業を完了した。
一方、福島県のがれき処理が進まない背景には、東電福島第1原発事故による住民の自主避難や市町村の人員不足などがある。今後の取り組みについて、環境省の廃棄物・リサイクル対策部は「国による代行事業が始まれば福島のがれき処理率も高まる。14年度のできる限り早い時期には全ての処理を完了させたい」と話している。