e政策力 課題解決の執念、行動で決まる
- 2014.02.25
- 情勢/解説
公明新聞:2014年2月25日(火)付
調査、説明を重ね制度実現めざせ
公明党は22日、全国政策局長会を開き、住民の期待に応える政治を進めるため、議員力の要である政策力を徹底して磨く必要性を確認した。
政策は政党の生命とも言われる。社会の多様な要望や意見を集約し、それを政策プログラムとして提示・実現する機能こそ、政党に最も求められるからである。
政策実現には何が大切か。局長会で行われた3人の市会議員の活動報告には、そのヒントが散りばめられていた。
離島から学校に通う高校生の通学費補助などを実現した三重県鳥羽市の議員は、公明党の国会議員とのネットワークを生かすとともに、離島出身の他党議員を巻き込んで現地調査や行政への要望活動を展開した。千葉県君津市の議員は、市内の公共交通網を整備するため、議会に特別委員会を設置。先進自治体の視察などを重ね、予約制の乗り合いタクシー(デマンドタクシー)制度の導入にこぎ着けた。
愛媛県松山市の議員は、自殺対策に取り組む中で行政側に「自殺は個人の問題で行政の関わることではない」との姿勢を感じ取り、条例の制定を決意。超党派の議員グループを結成したり、自殺対策に取り組むNPO法人と連携して勉強会や住民説明会を開催。幅広い活動が住民の共感を広げ、条例制定を実らせた。
活動報告者に対する質疑応答では、君津市よりも早くデマンド交通の実証実験を行っていた他県の政策局長から、最終的に本格導入に至らなかった事例が報告された。経費や公平性の観点から導入を断念したという。
政策が実現できるかどうかは、達成までの取り組みが明暗を分ける。着想が良くても、必ずしも受け入れられるわけではない。政策に対する幅広い合意を得られるかが成否の鍵を握る。
政策の実現には、数多くのハードルを乗り越えなければならない。貴重な税金の使い道として適切か。公益性や費用対効果など多方面からの検討が必要だ。行政機関や他党の議員を説得しなければならない場面も多い。そのためには、誰よりも現場をよく知る調査活動や、政策の必要性を訴えるための理論武装、そして何としても実現するとの執念が欠かせない。
「どんな事態に直面しても『それにもかかわらず!』と言い切る自信のある人間。そういう人間だけが政治への『天職』を持つ」。ドイツの社会学者マックス・ウェーバーが政治家に求める資質である。この言葉通りの議員であるか、常に努力を続けたい。