e衆院予算委分科会の質疑 <上>
- 2014.02.27
- 情勢/解説
公明新聞:2014年2月27日(木)付
衆院予算委員会は26日、分科会質疑を行い、公明党議員が活発な論戦を展開した。
先進医療支援せよ 古屋さん
第1分科会で古屋範子さんは、革新的な医薬品や医療機器などの創出をめざす「ライフイノベーション」について質問。「日本はiPS細胞などの先端基礎研究で国際競争力が極めて高いが、さまざまな規制から事業化に関して(欧米諸国と比べ)遅れを取っている」と指摘し、迅速で安全なライフイノベーションの推進を求めた。
これに対し、関口昌一内閣府副大臣は、医療関係の企業などを集積した国際戦略総合特区を進めていく考えを示した。
離島の消防強化を 伊藤氏
第2分科会で伊藤渉氏は、離島振興策について質問。「大規模な災害発生などを想定した場合、離島の消防体制の整備強化は極めて重要」とし、政府の取り組みをただした。
伊藤忠彦総務大臣政務官は「財政的な課題はあるが、(消防体制の整備強化)実現に向けて頑張る」と述べた。
一方、伊藤氏は、福島県で復興公営住宅の用地確保が進んでいない現状に触れながら、国による被災自治体へのさらなる支援を訴えた。
地方分権改革促す 輿水氏
第2分科会で輿水恵一氏は、地方分権改革を進める観点から、「社会全体が地域のために尽くすことが大事だ」と強調。
その上で、民間の意見や発想を地域活性化へつなげる取り組みや、地域の潜在力を生かす人材の育成などを進めるよう主張した。
また、「地域の元気が日本の元気につながる」と指摘した上で、住民が安心できる医療と介護などの拠点づくりや、地域コミュニティーの強化に向けた支援などを求めた。
心のバリアフリー進めよ 佐藤(英)氏
第4分科会で佐藤英道氏は、2020年東京パラリンピックの成功に向けては、ソフト面や心のバリアフリー化がより重要になると指摘。車いすの押し方の普及などを例に挙げながら、障がい者を迎え入れる対策の充実へ「政府広報や、運送事業者ら各方面に具体的に協力要請を行うなど、早急に取り組むべきだ」と強調した。
内閣府は、心のバリアフリー化の重要性について「関係省庁と連携し、広報・啓発に取り組む」と述べた。
小児がん、支援急げ 中野氏
第5分科会で中野洋昌氏は、小児がん対策について、患者と、その家族の心理的、経済的な負担軽減策を訴えた。
中野氏は小児がん専門病院が少ないことに触れ、「家から病院が遠い小児がん患者の家族は大変な思いで治療に当たっている」と強調し、子ども、家族に対する心理的ケアも含めた対策を求めた。
これに対し、土屋品子厚生労働副大臣は「核となる病院、相談支援センター設置を進めていかないといけない。心理的なケアも行う」と述べた。
都市農地 税制見直せ 上田氏
第6分科会で上田勇氏は、都市農業などに関して質問。
都市農地に関わる現行の税制などを「創設時は(都市部での)人口増などを前提としたもので、人口の伸びが鈍化している現状に適合していない」と指摘した上で、抜本的な見直しが必要と訴えた。
このほか、持続可能な熱帯林経営の推進を担う国際熱帯木材機関(ITTO)について「生物多様性の保全など重要な役割を担っている」と強調し、国の支援の強化を要望した。
空港を防災拠点に 大口氏
第8分科会で大口善徳氏は、羽田、成田両空港の航空需要が増える中、富士山静岡空港を「(首都圏の)防災拠点として活用すべきだ」と強調。これに対し、太田昭宏国土交通相(公明党)は、同空港が「南海トラフ地震や首都直下地震で防災拠点として果たす役割は大きい」との考えを示した。
大口氏は、伊豆地方の観光振興などに向け、伊豆縦貫自動車道の早期整備を訴えるとともに、世界文化遺産に登録された三保の松原の保全へ支援を求めた。