e衆院予算委分科会の質疑<下>
- 2014.02.28
- 情勢/解説
公明新聞:2014年2月28日(金)付
26日の衆院予算委員会で行われた分科会質疑。公明党議員の論戦を紹介する
薬物依存症に対策 樋口氏
第3分科会で樋口尚也氏は、薬物事犯者の再犯防止策について政府の見解をただした。 樋口氏は、「薬物依存症を減らすためには、医療機関のサポートが必要」と強調。その上で、「日本は薬物依存症を治療するための医療機関が極めて少ない。薬物による犯罪を減らすために、国として対策を講じるべきだ」と訴えた。
厚生労働省の蒲原基道障害保健福祉部長は「2014年度から薬物依存症対策のモデル事業を実施する」と答えた。
障がい者スポーツ 総合支援急げ 岡本氏
第4分科会で岡本三成氏は、障がい者スポーツを支援する国立障害者リハビリテーションセンター(埼玉県所沢市)を視察したことに触れ、「2020年の東京五輪・パラリンピックは、障がい者が元気な国として評価される大会にすべき」と主張。医療機関と連携した施設の整備など障がい者スポーツの総合的支援を求めた。
下村博文文部科学相は、「選手、コーチの意見を聞きながら支援し、障がい者スポーツ施設を全国的に整備したい」と述べた。
公的保険 地域型保育にも 伊佐氏
第4分科会で伊佐進一氏は、2015年度から本格施行される「子ども・子育て支援新制度」のうち、小規模保育などの「地域型保育」について質問。同保育が、公的な保険である日本スポーツ振興センターの「災害共済給付制度」の対象外であることから、「何らかの措置が必要だ」と訴えた。
下村博文文部科学相、髙鳥修一厚生労働大臣政務官は、文科、厚労両省が連携して検討すると、それぞれ答えた。
このほか伊佐氏は、がん教育や文化芸術体験の推進を訴えた。
手話通訳の確保を 国重氏
第5分科会で国重徹氏は、聴覚障がい者に対する国の支援策について質問。「聴覚障がい者の支援に不可欠な手話通訳士らは非正規雇用が多いため、人材育成、確保が遅れている」と指摘し、安定した労働環境の整備を訴えた。
厚生労働省の蒲原基道障害保健福祉部長は「財政支援をはじめ、(労働環境の)整備に取り組む」と答えた。
国重氏は、DV(配偶者などによる暴力)被害者のためのシェルターについても、政府の見解をただした。
海鳥の保護が必要 稲津氏
第6分科会で稲津久氏は、北海道羽幌町の天売島における海鳥の保護対策について、「50年前に島の岩場を埋め尽くしていた8000羽のウミガラスが、今では20羽前後しか繁殖されていない」と指摘。国に対して対策を強化するよう求めた。
石原伸晃環境相は、「(海鳥の)保護対策を進めていかなければならない」との認識を示した。
また稲津氏は、同島で海鳥の天敵になっている野生化したネコへの対応を急ぐよう主張した。
ウナギ供給策促す 濵地氏
第6分科会で濵地雅一氏は、不漁によって近年値段が高騰しているウナギを安定供給するための対策について質問。今年は例年と比べて、ニホンウナギの稚魚であり養殖に欠かせないシラスウナギが豊漁となっているものの、引き続き乱獲防止や生息環境の整備に取り組むべきと促した。
林芳正農林水産相は「予算を確保してやっていきたい」と述べたほか、ウナギを完全養殖する研究を進めることで大量生産システムを実現する意欲を示した。
小型風力 普及進めよ 遠山氏
第7分科会で遠山清彦氏は、環境や送電設備への負担が少ない小型風力発電を普及させるために、風車の安全性の認証に関する試験場の整備を「国として積極的に支援するべきだ」と主張。赤羽一嘉経済産業副大臣(公明党)は、業界団体と協議していく考えを示した。また、遠山氏は、系統連系装置などに関する認証制度の改善も求めた。
さらに遠山氏は、日本の地熱資源量が世界第3位であることに触れ、「地熱発電の普及拡大を」と訴えた。