e放射線副読本を一新
- 2014.03.05
- 情勢/社会
公明新聞:2014年3月5日(水)付
東電福島第1原発 事故被害、影響などを初解説
公明党の主張実る 全国の小中高で活用へ
文部科学省は2月28日、小中高生向けに配布されている放射線に関する副読本の内容を大幅に刷新したと発表しました。
2011年3月の東京電力福島第1原発事故を受けて同年10月に発行された現行版では、原発事故について前文の一部で触れているだけで、内容は放射線に関する基礎知識にとどまっていました。
このため、福島県などからの要望を受け、新版では福島県での原発事故の被害や影響などについて、初めて具体的記述をしています。今後約1200万部を作製し、4月から使えるよう全国の学校に順次、配布する予定です。
現行版は小中高用の3種類ですが、新版は小学生用と中高生用の2種類になりました。内容は2種類とも共通しており、前半部分では原発事故の概要のほか、避難生活を余儀なくされている約14万人の福島県民の状況や、深刻な風評被害、除染や地域の復興・再生に向けた取り組みについて紹介。福島県などからの避難者に対し、間違った認識による偏見や差別の問題についても取り上げています。
後半部分は、放射線とは何かや人体への影響、非常時の身の守り方といった現行版の内容をコンパクトにまとめています。
文科省は来年度、副読本を授業で活用するための教師用の資料も作製する計画です。
原発事故を踏まえた放射線教育の重要性については、公明党の甚野源次郎・福島県議が11年12月と13年3月の県議会定例会などで訴えてきました。さらに、草川昭三参院議員(当時)が12年3月の参院文教科学委員会で放射線副読本の活用や充実を求めた上で、「誤解、差別のない教育が現場で行われることを強く要望する」と主張していました。