e安心の子育て新制度に
- 2014.03.13
- 情勢/社会
公明新聞:2014年3月13日(木)付
保育士の処遇改善急務
学童待機児解消も 財源確保し円滑実施を
石井政調会長と党推進本部
公明党の石井啓一政務調査会長と、党次世代育成支援推進本部の古屋範子本部長(衆院議員)は12日、首相官邸で菅義偉官房長官に対し、2015年4月に本格実施される「子ども・子育て支援新制度」の円滑な導入に向け、財源を着実に確保することなどを要望した。同副本部長の高木美智代衆院議員、山本香苗参院議員らが同席した。
新制度は消費税率10%への引き上げに伴う増収分のうち、7000億円を幼稚園と保育所の機能を併せ持つ「認定こども園」や、少人数の家庭的保育(保育ママ)の普及など、多様な保育サービスの拡充に充てるなどし、安心して子育てができる社会づくりを進めるとしている。しかし、全ての施策を実施するには1兆円超を要し、財源不足が指摘されている。
席上、石井政調会長は社会保障と税の一体改革関連法の中で、子育て支援に1兆円超を充てるとされていることに言及。不足分の財源確保について、「新制度導入を決めた民主党政権時代からの"宿題"であり、(保育の量的拡充と質の改善へ)必要な財源確保に最大限努力してほしい」と強く要請した。
古屋本部長は「保育士は大変な仕事だが、処遇が伴っていない」と強調。保育士の確保へ職員給与の改善は喫緊の課題だと訴えたほか、子どもが小学校へ入学すると仕事と子育ての両立が難しくなる「小1の壁」問題に触れ、放課後児童クラブへの抜本的な支援強化を図るため、「学童待機児童解消加速化プラン」(仮称)の策定も求めた。
被災自治体に丁寧な説明必要
一方、山本副本部長は東日本大震災の被災自治体について、震災関連の業務に加え、新制度への移行業務も行っていると指摘。「新制度の詳細を把握していない市町村もあり、現地に出向いて丁寧に説明するなど、特段の配慮が必要だ」と訴えた。
このほか、都市部の待機児童解消や過疎地域の保育機能の確保策として期待されている「小規模保育」に、多様な事業者が参入できるよう支援することや、保育現場で死亡事故などが起きた場合、全国で情報共有できる保育事故データベースを構築し、子どもの安全確保を図ることなども求めた。
要望に対し菅官房長官は、「しっかり検討する」と応じた。